ACTION GAME MAKER 正直レビュー|低評価の嵐が示す「理想」と「絶望」の境界線

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さてさて、皆様ごきげんよう。ゲームライターのどす恋まん花(どすこいまんか)です。

本日取り上げるのは、ツクールシリーズの最新作として鳴り物入りで登場した『ACTION GAME MAKER』。長らくアクションゲーム制作ツールの決定版を待ち望んでいたクリエイターたちの期待を一身に背負った本作ですが、現在のSteamレビューはなかなかに荒れ模様。かく言うまん花も、このツールにはすでに2000時間という、もはや生活の一部と言えるほどの膨大な時間を捧げてまいりました。

結論から申し上げますと、本作は「神ツール」へと至るポテンシャルを秘めつつも、現状は「未完成の荒野」が広がっていると言わざるを得ません。なぜこれほどまでに低評価が集まってしまったのか? データと血の滲むような実体験に基づき、一人のゲーマー、そして一人の制作者として、その核心を突かせていただきます。

目次

作品概要

ACTION GAME MAKER 正直レビュー|低評価の嵐 レビュー画像 eyecatch.jpg

「ACTION GAME MAKER」は、RPGツクールで培われたノウハウを活かした、プログラミング知識不要で本格的な2Dアクションゲームが制作できるツールです。特に「プログラミングは難しくて挫折したけれど、今流行の2Dゲームを作ってみたい」というユーザーをターゲットに設計されています。

本ツールの核となるシステムは、直感的な「FSM(有限ステートマシン)型のヴィジュアルスクリプト」です。「歩く」「ジャンプ」といったキャラクターの「状態(ステート)」に対し、「実行アクション(動き)」を人間の言語で設定していくことで、複雑な挙動も視覚的に構築できます。これにより、プラットフォーマーやメトロイドヴァニアはもちろん、アクションアドベンチャー、パズル、カードゲーム、RPGなど、幅広い2Dゲームジャンルに対応可能です。

制作エンジンには、高性能な「Godot Engine 4.4.1」の2D機能をフル採用。光源や影、シェーダーによる水表現といった最新のインディーゲームで使われる高度なグラフィック表現が利用できます。さらに、ツクールシリーズ特有のデータベース機能やシーン遷移、セーブ/ロード、専用のダメージ/無敵システム、弾オブジェクトを使った射撃システム、画面効果フィルター、最大8人までのローカルマルチプレイヤー機能など、Godot Engineの標準機能にはない多数の便利機能がヴィジュアルスクリプトに最適化された形で追加されており、深い専門知識がなくてもスムーズにゲーム制作を開始できます。より高度なカスタマイズが必要な場合は、GDScriptによる直接スクリプト記述や併用も可能です。

ゲーム制作をすぐに始められるよう、画像、音源、アニメーション、パーティクルなど1,000種類以上のサンプルアセットが同梱されており、素材探しに時間を取られる心配がありません。また、公式Discordや専用コミュニティサイト「RPG Maker Guild」でのサポート体制も充実しています。制作したゲームはロイヤリティ完全無料で、Windows、Web(HTML5)、Androidといった複数のプラットフォームに出力可能です。

項目 内容
ゲームタイトル ACTION GAME MAKER
発売日 2025年6月16日
開発元 Gotcha Gotcha Games
総レビュー数 57件
評価内訳 高評価: 35 / 低評価: 22
好評率 61%
平均スコア ★★★☆☆ (3.1) / 5.0
日本語対応 ✅ 対応
概要 誰でもプログラミング無しで「ガチ」2Dアクションゲームが制作できる「Maker(ツクール)」シリーズの最新作! プログラム知識無しでも幅広いジャンルのゲームが制作できるFSM型のヴィジュアルスクリプトを前作に続いて採用! Godot Engineの高度な2D表現を制限なく扱うことができる、これまでのツクールとは一線を画した超高性能ツール!
対応機種 PC (Steam)

## 闇深き不具合の迷宮:バグと最適化が牙を剥く

不満データの円グラフを眺めてみれば、一目瞭然でしょう。不満カテゴリの第1位(7件)を独走しているのは、他でもない「バグ/最適化」です。

これは、ちょっとした表示ミスや誤字脱字といった愛嬌のあるレベルの話ではありません。親の顔より見たエディター画面を前に、何度頭を抱えたことか。特に深刻なのは、ゲームの根幹を揺るがす「挙動の不安定さ」です。アクションゲームにおいて、キャラクターが地面に着地する、壁を蹴る、弾を撃つといった動作は、言わば呼吸と同じ。その呼吸が止まる瞬間が、本作にはあまりにも多すぎるのです。

### 最適化の欠如:4発の弾丸に屈する最新エンジン

本作は最新のGodot Engineをベースにしているはずですが、その恩恵を最適化という形で受け取れているかは疑問です。一部のユーザーからは、「弾を4発以上同時に発射すると処理落ちする」という、目を疑うような報告が上がっています。

現代のPCスペック、そして高性能なゲームエンジンを冠しておきながら、ファミコン時代の初期作品のような処理限界を突きつけられる理不尽。これは制作者の設計ミスではなく、ツールの「内部的なオーバーヘッド」が原因である可能性が高いと推測されます。

### デバッグ地獄:開発者ではなく「テスター」への変貌

ユーザーは1万円近い金額を払って、ゲームを作る楽しさを買ったはずです。しかし、現状は「バグを検証し、報告する権利」を買わされたのではないか、と錯覚するほどの惨状。

自分のプロジェクトの不備なのか、ツールの仕様なのか、あるいは未知のバグなのかを判別する作業だけで一日が終わる。そんな経験をしたユーザーは少なくありません。特に、坂道でキャラクターが無限に落下し続けたり、壁に接触しただけでジャンプが中断されたりと、基本的な物理演算にすら不信感を抱かせる挙動が散見されます。

(プレイ時間: 712時間) 弾を4発以上同時に発射すると明確にカクつくレベルで処理落ちします。 現状これが仕様のようです。 ・・・は!?4発で!?処理落ち!????? 「弾を発射する」って機能が存在してるのに!?「発射する数」って設定が存在してるのに!????? ちょっと広範囲にばらまく弾を撃つと処理落ち!! 4発以下でも複数の敵が同時に弾を撃つと処理落ち!!! ロックマンで言えばメットールを二匹並べると処理落ち!!1匹はギリセーフ!やったね!!!! 前作のアクツクMVでは普通に動いていたレベルの挙動でも処理落ち!!!!!

これほどの時間を費やした熟練者が、ここまで激しい怒りを表明するのは異常事態と言えます。制作者が求めているのは、高度なデバッグ技術ではなく、「直感的に動くツール」なのです。

一万円の対価として求められたのは、クリエイティブな喜びではなく無報酬のデバッグ作業だった

## 「Godot」という名の両刃の剣:ツクールが捨てたもの、得たもの

頻出単語TOP7の第1位に輝いた(?)のは、なんと「Godot」(41回)。これは本作のアイデンティティそのものであり、同時に最大の論争の的でもあります。

本作は「Godot Engine 4.4.1」の上に、独自のヴィジュアルスクリプトという皮を被せた構造をしています。しかし、その皮の厚さが絶妙に扱いにくい。キーボードの印字が消えるほどに打ち込んできたユーザーなら分かりますが、Godotの良さを引き出そうとするとAGMの制限にぶつかり、AGMの利便性を享受しようとするとGodotの複雑な概念に迷い込むという、皮肉なジレンマが発生しているのです。

### 「Godotを隠しきれていない」というUXの敗北

本作の大きな売りの一つは、プログラミング不要という点です。しかし、実際のエディターはGodotの思想が色濃く反映されており、ファイルシステムの管理やノードの概念、シーン遷移の仕組みなど、Godotの基礎知識がないと「なぜこうなっているのか」が全く理解できない構造になっています。

「プログラミングが難しいからツクールを選んだ」という層にとって、結局のところ別の専門知識を要求されるのであれば、それは看板に偽りありと言われても仕方がありません。

### コストパフォーマンスへの疑問:100ドルの価値とは

多くのレビュアーが指摘しているのが、価格設定の不透明さです。Godotはオープンソースの無料エンジン。それに対して本作は約100ドルの価格設定です。この差額が「独自のヴィジュアルスクリプト」と「アセット」に支払われているわけですが、現状のUIの使いにくさやバグの多さを考えると、多くのユーザーが「これなら無料のGodotを直接学んだ方がマシだ」という結論に至ってしまうのです。

特に、上級者やプロのデベロッパーからは、「単なるGodotのアドオンで良かったのではないか」という厳しい指摘が相次いでいます。

(プレイ時間: 48時間) I am a professorial Godot developer (paid money to make things with Godot), and an interested hobbyist in Game Creation Systems for kids & education. With all respect to the GGG team, Action Game Maker (1.0.6) is not ready for the causal public. The core additions of the Visual Scripting and pre-coded GameObjects are functional, but very rough in the UI/UX. (中略) A GDExtension addon to Godot would have been sufficient.

【翻訳】私はプロのGodotデベロッパー(Godotで制作し報酬を得ている)であり、教育用ゲーム制作システムにも関心を持つホビーユーザーです。開発チームには敬意を表しますが、AGM (1.0.6) は一般ユーザー向けにリリースできる段階ではありません。ヴィジュアルスクリプトやプリコードされたゲームオブジェクトといった主要な追加機能は機能してはいますが、UI/UXが非常に荒削りです。(中略)GodotのGDExtensionアドオンとして提供するだけで十分だったのではないでしょうか。

独自のブラックボックスとして設計されたヴィジュアルスクリプトは、Godotへの理解を深める助けにもならず、孤立した技術となってしまっている

せっかくの素晴らしいベースエンジンを持ちながら、その架け橋となるべきAGMが「障壁」になってしまっている現状は、誠に残念極まりないと言わざるを得ません。

最強のエンジンを搭載しながら、そのポテンシャルを「使いにくさ」という枷で縛り付けている


## ユーザーが直面する現実:制作者たちの絶望

さて、ここからはさらに解像度を上げて、実際の制作現場で何が起きているのかを見ていきましょう。人生の半分を捧げたような熱量でツールに向き合うクリエイターたちが、最初に直面するのは「暗黒の初期設定」です。

### チュートリアルの不在:暗闇での手探り

本作には「何から始めればいいか」を導く、まともな導線が存在しません。サンプルプロジェクトは用意されていますが、それは完成した複雑な回路を渡されるようなもの。

初心者が「A地点からB地点へ移動する」という単純な処理を組もうとしても、エディターのどこに何があるのか、どのタブを開けばいいのかすら分からないのです。UIは極小のフォントで埋め尽くされ、階層構造はネストに次ぐネスト。

さらに追い打ちをかけるのが、多言語対応の不備です。テンプレートやサンプルの一部は、日本語版であっても英語や中国語が混在しており、初心者にとっては呪文を解読するような苦行を強いられます。

### 物理演算の「裏切り」:アクションゲームの死

「坂道を登っていたら、いつの間にか地面を突き抜けて宇宙へ放り出された」
「ジャンプして壁に触れた瞬間、なぜかその場で空中浮遊を始めた」

これらは誇張ではなく、本作で日常的に発生する理不尽なシーンです。アクションゲームにおいて、プレイヤーがキャラクターとの一体感を感じるためには、物理的な法則の安定性が不可欠です。しかし、本作の物理演算は、制作者が意図しない「挙動の揺らぎ」を頻繁に引き起こします。

衝突判定のガバガバさは、精密なアクション操作を要求するプラットフォーマー制作においては致命的な欠陥です。ロックマンのような、ドット単位の緻密な操作を前提としたゲームを作ろうとしても、ツールの仕様(あるいはバグ)によってその夢は容易に打ち砕かれます。

(プレイ時間: 196時間) AGM is poised to be one of the best VS game engines for 2D game development out there. (中略) This is not yet an engine that can produce a fully realized basic 2D game without the knowledge of code. With nearly 200 hours in this engine I have had projects become unusable with updates at least three times.

【翻訳】AGMは、2Dゲーム開発における最高のヴィジュアルスクリプト(VS)エンジンの1つになる可能性を秘めています。(中略)しかし、現状ではコードの知識なしに完全に機能するベーシックな2Dゲームを作成できるツールではありません。200時間近く触ってきましたが、アップデートのたびにプロジェクトが使用不能になる事態に、少なくとも3回は見舞われました。

約200時間という、指紋がなくなるほどエディターを触り続けたユーザーですら、アップデートによる「プロジェクト破壊」に怯えなければならない。これこそが、現在の『ACTION GAME MAKER』が抱える、残酷なまでの現実なのです。

1,000時間の努力を一瞬で無に帰す「アップデート」という名の時限爆弾が潜んでいる

## 泥の中に咲く蓮華:それでも本作を愛さずにはいられない理由

ここまで辛辣な言葉を並べてきましたが、それでもまん花は、本作を完全に見捨てることはできません。なぜなら、この「荒れ果てた土地」の地下には、眩いばかりの黄金が埋まっているのを知っているからです。

### 圧倒的なビジュアル表現のポテンシャル

前作『アクションゲームツクールMV』を知る人間、あるいは親の遺言より重いツクール愛を持つ者にとって、本作がもたらしたグラフィック表現の進化は驚天動地と言えます。

Godot Engineの2Dライティング機能は、現在の2Dゲーム界でも最高峰の部類。光源と影のコントラスト、水面に反射する光、シェーダーによる揺らぎなど、かつてのツクールでは「職人芸的なドット絵技術」なしには不可能だった表現が、驚くほど手軽に実現できるのです。この恩恵は計り知れません。

### ヴィジュアルスクリプトが描く「コードなしの未来」

不具合こそ多いものの、本作のFSM(ステートマシン)型ヴィジュアルスクリプト自体は、非常に強力なポテンシャルを持っています。「歩く」「走る」「攻撃する」という状態を矢印で繋ぎ、その遷移条件を直感的に設定していく手法は、正しく機能さえすれば、プログラミングの論理的思考を視覚的に具現化する最高の手段となり得ます。

GDScriptとの併用が可能であるという柔軟性は、初心者がステップアップして「真の開発者」へと至るための強力な翼になるはずです。実際に、ツールを使いこなし、バグを回避するノウハウを身につけた「廃人」たちの間では、これまでのツールでは不可能だった複雑なAIや多人数マルチプレイといった野心的な試みが、着実に芽吹き始めています。

開発元のGotcha Gotcha Gamesも、ユーザーの悲痛な叫びを無視しているわけではありません。頻繁なアップデートによって不具合は少しずつ、しかし確実に改善されつつあります。サポート体制が日本語で受けられるという安心感も、インディー開発者にとっては大きな救いでしょう。

バグという名の泥沼を掻き分けた先には、誰にでも最新鋭のゲームを作れる黄金の可能性が眠っている


## 最終評価と購入ガイド

さて、どす恋まん花としての最終的な審判を下しましょう。

『ACTION GAME MAKER』は、現状では「高額なアーリーアクセス版」と呼ぶのが相応しい状態です。もしあなたが「ボタン一つで神ゲーが完成する魔法の杖」を求めているのなら、今はまだその時ではありません。しかし、あなたが「荒削りな最新技術を使いこなし、次世代の2Dゲームを切り拓きたい」という、不屈のパイオニア精神の持ち主であるなら、これほど挑戦しがいのあるツールは他にないでしょう。

不満は期待の裏返し。バグの多さは、それだけ多くのユーザーがこのツールを本気で使い込もうとした証左でもあります。未来の「神ゲー」を生むための胎動を、共に支えていこうではありませんか。

✅ 購入をお勧めする人

  • Godot Engineの強力なグラフィック機能を、プログラミングなしで(あるいは補助的に)扱いたい人
  • バグを特定し、回避策を見つけることに喜びを見出せる「不屈のクリエイター」魂の持ち主

❎ 購入を避けるべき人

  • 完全な安定動作と、親切丁寧な1から10までのチュートリアルを期待しているゲーム制作初心者
  • 1万円という価格に対して、即座に「商用利用可能な完成品」を求める、時間のないプロ志向の方

執筆:どす恋まん花

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