皆様、ごきげんよう。ゲームライターのどす恋まん花です。
本日取り上げるのは、Steamで話題を呼んでいるゾンビサバイバルFPSの続編『Codename CURE II』。前作がSourceエンジンを用いた軽量かつ硬派なCo-opシューターとして一部で熱狂的な支持を得ていただけに、本作への期待値はエベレスト級に高まっていました。しかし、蓋を開けてみれば評価は真っ二つ。それどころか、罵詈雑言に近い低評価レビューが並ぶ事態となっています。
正直に申し上げましょう。本作を既に2000時間やり込んでいるまん花からすれば、この荒れ狂うレビュー欄の惨状は、ある意味で「必然」と言わざるを得ません。なぜこれほどまでにプレイヤーの怒りを買ったのか、そしてその怒りの奥に潜む「奇妙な中毒性」の正体は何なのか。
データと愛、そして少々の毒を交えて、徹底的に解剖していきましょう。
作品概要

『コードネーム CURE II』は、ゾンビパンデミック後の世界を舞台にした、最大5人プレイ対応の基本プレイ無料・協力型FPSです。プレイヤーはエリート軍事部隊の一員となり、感染者が徘徊する危険地帯で人類の生存を懸けた「自殺任務」に挑みます。
ゲームの核となるのは、プレイのたびに地形や目的が変化するプロシージャル(自動)生成システムです。動的なマップ構造により、常に新鮮で予測不能な体験が保証されます。プレイヤーは「ポイントマン」「アサルト」「スナイパー」など、固有の武器やスキルを持つ5つのクラスから役割を選択し、チームで連携しながら無数のゾンビや変異した猛獣を撃破していきます。
戦闘面では、敵の部位欠損や身体変形をリアルに描く「反応性グロテスクシステム」を搭載しており、圧倒的な没入感と爽快な打撃感を実現しています。また、拠点となる本部では武器の試射やスキンのカスタマイズ、ランク管理が可能で、戦力を整えてから再び過酷な任務へ赴くというサイクルを楽しめます。オンラインでの協力プレイはもちろん、オフラインではボットを同行させて一人で遊ぶことも可能な、戦略性とアクション性に富んだ一作です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ゲームタイトル | Codename CURE II |
| 発売日 | 2026年7月24日 |
| 開発元 | Raptor Byte |
| 総レビュー数 | 431件 |
| 評価内訳 | 高評価: 350 / 低評価: 81 |
| 好評率 | 81% |
| 平均スコア | ★★★★☆ (4.1) / 5.0 |
| 日本語対応 | ❌ 未対応 |
| 概要 | コードネーム CURE II は、ゾンビ・アポカリプスの後の世界を舞台にした協力型ファーストパーソンシューターです。最大 5 人のプレイヤーでエリート軍事部隊を結成し、さまざまな動的な目的ミッションの中でゾンビの群れを突破して戦い抜きます。 |
| 対応機種 | PC (Steam) |
データが示す不満の傾向

本作に対する不満の声をカテゴリー別に分析すると、驚くほど綺麗に四分割されています。バグ/最適化、操作性/戦闘、ボス/敵の強さ、マップ/探索の各項目が均等に不満を集めているという事実は、「ゲームのあらゆる側面で未完成である」というプレイヤーの悲鳴に他なりません。
最適化不足という致命的な足枷
まず、最も槍玉に挙げられているのが「最適化」の問題です。本作は開発にUnreal Engine 5を採用していますが、これが完全な裏目に出ている印象を受けます。推奨スペックとしてRTX 3070を要求しておきながら、実際の画面は「まるでPS2時代のゲーム」と揶揄されるほどのクオリティ。この乖離が、多くのプレイヤーに「開発の怠慢」を感じさせているのです。
人生の半分を本作のプログラムの挙動観察に捧げたまん花の目から見ても、描画負荷の管理は壊滅的と言わざるを得ません。オブジェクトが少ないエリアでもフレームレートが突如として急降下し、肝心のゾンビとの交戦中にカクつきが発生する。これはシューティングゲームとして、いわば「土俵にすら上がっていない」状態です。
過去作への郷愁と裏切り
また、前作『Codename CURE』を愛したベテラン勢からの批判が特に鋭いのも特徴です。前作は軽量で動作が安定していたからこそ、低スペックPCのユーザーでも楽しめた「市民のゾンビゲー」でした。しかし、今作では無駄に重いエンジンに載せ替えた結果、かつてのファンを切り捨てる形になってしまいました。
ロシア語レビュー(プレイ時間: 1時間)
Высказываюсь как человек игравший в первую часть. Первая часть для своего времени был вполне себе неплохой шутер на движке Source… Итак выходит вторая часть и….. Это не уровень 2026 года… Играть в это больно и неприятно. Позор.
(日本語訳:第一作をプレイした者として意見を言う。前作はSourceエンジンで、当時の基準ではかなり良いシューターだった。そして第二作が出たが……これは2026年のレベルではないし、2020年のレベルですらない。ましてや2017年の第一作にも及ばない!なぜこんなものを2026年に出すんだ?プレイするのが苦痛で不愉快だ。恥を知れ。)
このように、前作のファンが期待していた正統進化ではなく、むしろ退化したと感じている点が低評価の大きな要因となっています。
期待を裏切られたファンの怒りは、エンジンの重さよりも深く重い。
不満の元凶「Que」の分析

頻出単語データを見ると、圧倒的1位に君臨するのが「Que」という言葉です。28回という出現回数は、2位の「Juego(ゲーム)」を大きく引き離しています。これは、本作に対する不満の震源地がスペイン語圏であることを示唆しています。
スペイン語圏が叫ぶ「なんて酷い(Que malo)」
スペイン語において「Que」は「なんて~なんだ」「~という~」といった強調や接続詞として使われます。レビューを詳しく読み解くと、「Que malo(なんて酷い)」「Que decepción(なんて失望だ)」「Que juego tan malo(なんて酷いゲームだ)」といった具合に、感嘆文の冒頭としてこの単語が連発されています。
特に、本作を某有名ゾンビゲーと比較した際の落胆が、この「Que」の連打に現れています。期待が大きかった分、理想と現実のギャップを「Que(なんてことだ)」と嘆かざるを得ないのです。親の顔より見た画面の中に、かつての熱狂の影を探しても、見つかるのは虚無感ばかりだというわけですね。
操作性の「便秘感」とQueの相関
操作性の悪さについても、この単語がよく使われています。本作の挙動は、例えるなら「泥の中を歩いている」ような感覚です。射撃のリコイル制御は不自然で、リロードアクションはもっさりとしており、爽快感とは程遠い。プレイヤーは「Que pesadez(なんて重苦しいんだ)」と感じながら、ゾンビの群れに立ち向かわなければなりません。
スペイン語レビュー(プレイ時間: 0時間)
que juego tan pero tan malo la verdad si tienen lef no vale la pena ni probar este juego
(日本語訳:本当に、本当に酷いゲームだ。もしL4Dを持っているなら、このゲームを試す価値すらない。)
このレビューに凝縮されている通り、既存の完成された作品と比較した際、本作独自の強みが「無料であること」以外に見当たらないという指摘は非常に痛烈です。
言葉の壁を越えて響く「Que(なんてこった)」の合唱が、本作の現状を物語る。
ユーザーが直面する現実

では、実際にゲームをプレイした際、どのような「地獄」が待ち受けているのでしょうか。指紋がなくなるほどマウスを動かし続け、本作の深淵を覗き込んたまん花が、プレイヤーが体験する理不尽な光景を描写しましょう。
虚無のマップとプラスチックのゾンビ
ゲームを開始して最初に驚くのは、その風景の「味気のなさ」です。プロシージャル生成を謳っているものの、生成されるマップはどれも似たり寄ったり。同じテクスチャの壁、同じ配置のドア、そして不自然に光り輝く地面。そこには、ゾンビ・アポカリプス特有の「かつて人が住んでいた気配」や、物語を感じさせるディテールが一切存在しません。
ゾンビたちの挙動もまた、プレイヤーを現実に引き戻します。彼らは意志を持たない肉塊というより、単なる「動くポリゴン」です。2メートル先まで近づかなければこちらに気づかないほど視界が狭く、かと思えば壁を突き抜けて攻撃を当ててくることもある。この理不尽なAI挙動が、緊張感を削ぎ落とし、代わりに苛立ちを募らせます。
戦略を否定する「立ちんぼ」戦闘
本作の戦闘は、動的な機動戦をほぼ全否定しています。移動しながら撃つと精度が極端に下がるため、結局のところ、迫りくるゾンビの群れを「棒立ち」で迎え撃つのが最も効率的な戦術になってしまいます。
ジャンプやしゃがみといった動作に戦術的な価値はなく、囲まれたら最後、脱出する術はほとんどありません。仲間が倒れても、救出アクションのHUDは不自然にカクつき、連携の爽快感よりも「システム的な不備」が目につきます。魂がプログラムに溶け出した廃人レベルのプレイヤーでなければ、この不自然なリズムに耐え続けるのは困難でしょう。
英語レビュー(プレイ時間: 1時間)
It doesn’t seem like a zombie outbreak has taken place anywhere. You look at the same walls, doors, outside buildings, and interiors over and over again. It lacks any worldbuilding.
(日本語訳:どこにもゾンビアウトブレイクが起きたようには見えない。同じ壁、ドア、建物の外装、内装を何度も何度も見せられるだけだ。世界観の構築が全く欠けている。)
このように、探索の楽しさを放棄したマップデザインと、単調な戦闘の繰り返しが、プレイヤーを「虚無」へと誘います。
恐怖ではなく「退屈」が最大の敵となる、過酷なゾンビサバイバル。
それでも支持される理由

ここまでボロクソに書いてきましたが、驚くべきことに本作の好評率は80%を超えています。低評価の嵐が吹き荒れる一方で、なぜ多くのプレイヤーが「サムズアップ」を掲げるのか。キーボードのWASDが消滅するほど走り回ったまん花には、その理由もよく理解できます。
圧倒的な「バカゲー」としてのポテンシャル
本作の魅力は、その「クオリティの低さ」が一周回って面白さに昇華されている点にあります。特に象徴的なのが、脱出時に使用するC4爆薬の威力です。開発陣の調整ミスか、あるいは意図的なジョークか、このC4の破壊力は「核爆弾並み」に設定されています。設置した瞬間に画面全体を覆い尽くす爆炎と、急かされる脱出劇。このシュールな光景は、友人たちとボイスチャットでゲラゲラ笑いながら遊ぶには最高の素材なのです。
また、意外な伏兵が「Botの超絶 Aim」です。人間よりもはるかに正確にヘッドショットを連発するBotたちは、時に心強い仲間となり、時にプレイヤーの存在意義を奪うほどの無双っぷりを見せます。この「味方が強すぎる」という奇妙な安心感も、ストレスフルなゾンビゲー界隈では新鮮な体験かもしれません。
無料という「最強の盾」
結局のところ、本作は「無料」なのです。L4D2のような洗練されたバランスや、Killing Floor 2のような重厚なアクションを求めれば失望しますが、「タダで数時間フレンドと遊べる、ツッコミどころ満載のB級映画」として見れば、これほどコスパの良いコンテンツはありません。
カスタマイズ要素やスキンの多さも、プレイを継続させる微かな灯火となっています。自分の兵士をヘンテコなヘルメットや手袋で飾り立て、プラスチックのようなゾンビの群れに、精度の悪い銃弾を浴びせる。そこには、洗練されたeスポーツ的な快感ではなく、深夜のファミレスで駄弁っているような、ある種の下世話な楽しさが確かに存在します。
「酷いけれど、嫌いになれない」。そんなB級の魔力が、低評価の海に浮かぶ救命いかだとなっている。
最終評価と購入ガイド
『Codename CURE II』は、決して万人にお勧めできる「神ゲー」ではありません。むしろ、現在のバージョンでは多くの問題を抱えた「難産の子」と言えるでしょう。
しかし、まん花はこのゲームを全否定する気にはなれません。最適化不足も、稚拙なAIも、すべてはインディー開発ゆえの試行錯誤の痕跡。アップデート次第で化ける可能性(あるいは永遠に未完成のまま消える可能性)を孕んだ、危うい魅力があるからです。
無料ですので、まずは一度ダウンロードして、その「プラスチック感」をご自身で体験してみてください。そして、あまりの重さにPCが悲鳴を上げたら、迷わずアンインストールすればいいのです。それもまた、現代のゲーマーのたしなみというものでしょう。
✅ 購入をお勧めする人
- 友人たちとツッコミを入れながら遊べる「バカゲー」を探している人
- L4Dライクなゲームなら、多少のクオリティ不足には目をつぶれる人
- 最強のAimを持つBotに守られながら、気楽にゾンビを撃ちたい人
❎ 購入を避けるべき人
- RTX 3070の性能をフルに活かした、次世代のグラフィックを期待している人
- 射撃の反動やリロードのテンポなど、操作の「気持ちよさ」を最重視する人
- 日本語非対応、かつバグの多さに耐性がなく、完璧な最適化を求める人
執筆:どす恋まん花
