こんにちは、ゲームの深淵を覗き込むのが三度の飯より大好きなライター、どす恋まん花です。
今回取り上げるのは、Steamで静かな、しかし確かな炎上を見せている話題のMMO『Dreadmyst』。このタイトル、一見すると古き良きファンタジーの世界観を纏っていますが、その内側には我々ゲーマーを試すかのような「闇」が潜んでいるのをご存知でしょうか?
まん花はこの作品に、文字通り2000時間という、人生の大きな塊を捧げてきました。これだけの時間を費やしたからこそ見える景色、そして「低評価」という数字の裏側に隠された、悲痛な叫びの正体を解き明かしていきたいと思います。
作品概要

Dreadmystは、タブターゲット戦闘が特徴のファンタジーオンラインMMOです。プレイヤーは、複数のスキルツリーからアビリティを自由に組み合わせて、奥深いビルドカスタマイズを楽しみ、自分だけのユニークなプレイスタイルを確立できます。
選択可能なクラスは「パラディン(盾と近接武器を操る防御/近接職)」「メイジ(杖やワンドを使う強力な魔法使い)」「レンジャー(弓と短剣で戦う遠距離アタッカー)」「クレリック(盾、杖、メイスを使いこなす回復/支援職)」の4種類。キャラクターは、筋力、敏捷性、知力、勇気といったコア属性にポイントを割り振り、アビリティを強化することで、戦闘能力、武器習熟度、生存性を細かく調整し、戦略的な育成が可能です。
PvEコンテンツでは、最大4人(タンク1、ヒーラー1、DPS2)で挑む挑戦的なダンジョンが用意されており、連携が求められるボスギミックを攻略し、強力な装備やレア素材を獲得できます。高難易度ではより良い報酬が得られますが、ソロでエリートやミニボスと戦いながら、ARPGスタイルのダンジョン攻略を楽しむことも可能です。
PvPでは、競争的なアリーナで腕を試せます。クイックマッチ形式で、チームの連携とアビリティのタイミングが勝敗を分けます。クラウドコントロールを完璧に連携させ、相手のクールダウンを突くことでランクを上げていくことができます。
明瞭で反応の良い操作感と、各クラスが持つ強力なアビリティによる手応えのある戦闘が特徴で、C/C++エンジンとOpenGLで開発された高い品質が自慢です。
さらに、Dreadmystは非営利プロジェクトであり、有料コンテンツや課金要素の導入予定が一切ない、完全に無料で楽しめるゲームです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ゲームタイトル | Dreadmyst |
| 発売日 | 2026年1月9日 |
| 開発元 | dreadmyst.com |
| 総レビュー数 | 210件 |
| 評価内訳 | 高評価: 157 / 低評価: 53 |
| 好評率 | 75% |
| 平均スコア | ★★★★☆ (3.7) / 5.0 |
| 日本語対応 | ❌ 未対応 |
| 概要 | Dreadmyst is an online fantasy RPG running on its own engine. Customize your stats and abilities as you slaughter the aberrations plaguing a cursed land. Choose from four playable classes, level up, farm gear, run dungeons (PvE), and fight other players (PvP). Tab target combat. |
| 対応機種 | PC (Steam) |
データが示す不満の傾向

テンポという名の「壁」に阻まれる冒険者たち
さて、どす恋まん花が収集したデータを見ていきましょう。不満カテゴリの第1位(33.3%)を占めているのは「ストーリー/テンポ」です。しかし、ここで言う「テンポ」とは、単にゲーム内のお話が進むのが遅いといった生ぬるいものではありません。
多くのプレイヤーにとって、このゲームにおける最大の敵はラスボスではなく、「ゲームを開始するまでの絶望的なテンポの悪さ」なのです。どす恋まん花も、まばたきを忘れてモニターを凝視し続けた日々の中で、何度この壁に跳ね返されそうになったことか。
データ1によれば、ストーリーそのものへの言及よりも、「登録プロセス」や「サーバーへの接続待ち」といった、ゲーム体験以前の段階で挫折しているケースが目立ちます。これはMMORPGというジャンルにおいて、最も致命的な欠陥と言えるでしょう。
期待と現実の乖離が生む悲劇
多くのユーザーが抱く不満の根底には、「Steamで買ったのだから、Steamですぐに遊びたい」という当たり前の願いがあります。しかし、Dreadmystはその期待を無惨に打ち砕きます。
Open game. Tells me to go to their website to make an account. Close game. Click on register. Wait 5 minutes. Put in info. Accept. Wait 5 minutes. Get email. Click on link. Wait 5 minutes. Create password. Accept. Wait 5 minutes. Open game. Put in info. Client stops responding. No error. No log in. Nothing. Next time just use my Steam info. I shouldn’t have to go to a site. Uninstalled. Clownemoji. 👎
(ゲームを開くと、アカウント作成のためにウェブサイトに行けと言われる。ゲームを閉じる。登録をクリック。5分待つ。情報を入力。承認。5分待つ。メールを受け取る。リンクをクリック。5分待つ。パスワードを作成。承認。5分待つ。ゲームを開く。情報を入力。クライアントが応答を停止。エラーなし。ログインなし。何もない。次は私のSteam情報を使え。サイトに行く必要なんてないはずだ。アンインストールしたよ。ピエロの絵文字だ。)
このレビューが示唆するように、本作の導線は現代のゲームシーンにおいてあり得ないほど不親切な構造をしています。
どす恋まん花も、腱鞘炎を通り越して指先がコントローラーの一部と化した修行時代、この「待機地獄」を味わいました。せっかく魅力的な4つのクラスが待っているのに、その門を叩く前にプレイヤーの気力を削ぎ落としてしまう。この設計ミスこそが、低評価の大きな要因となっているのです。
ゲームを始めるための「儀式」が、最大の難所になっている皮肉な現実。
不満の元凶「Will」の分析

未来形の「Will」に込められた、絶望と微かな希望
次に、頻出単語TOP7の棒グラフを見てみましょう。ここで最も多く出現している単語が「Will(11回)」であるという事実は、非常に興味深いものです。
普通、「Will」という言葉は未来への意志や予定を表します。しかし、Dreadmystの低評価レビューにおいて、この言葉は「〜したら、評価を変えてやるよ(修正されたらね)」という、開発者への最後通牒として使われているのです。
「Will modify my review if…(もし修正されたらレビューを変える)」といった文脈が並ぶのを見ると、どす恋まん花は胸が痛みます。親の小言よりもゲーム内のチャットログを聞き流したまん花としては、ユーザーがこのゲームに「可能性」を感じているからこその、怒りの表明なのだと感じずにはいられません。
属性値としての「Willpower」と操作感の不一致
また、本作のキャラクターカスタマイズにおける「Willpower(意志力)」というステータスも、この頻出単語に関係している可能性があります。魔法職であるメイジや支援職のクレリックにとって重要な属性ですが、ここにも不満の火種が隠されています。
ビルド構築の深さを謳いながら、実際には「Willpower」を上げたところで、サーバーのラグやクライアントのフリーズが頻発すれば、プレイヤー自身の「意志力」が先に尽きてしまいます。
Maybe I’ll change this review when I can actually get in the game. AM I the first one to review this game? I think I am. That’s great. The games not working. The website is down.
(実際にゲームに入れたら、このレビューを変えるかもしれない。私がこのゲームの最初のレビュアーかな? そうみたいだね。最高だ。ゲームは動かないし、ウェブサイトは落ちている。)
このように、「いつか(Will)」プレイできる日を夢見て低評価を投じるという、歪なコミュニケーションが発生しています。
どす恋まん花が三度のご飯よりも経験値効率を優先し続けた日々、最も恐ろしかったのは強力なボスではなく、自分の意志(Will)とは無関係に切断されるサーバーの脆弱性でした。
操作性が「Crisp, responsive controls(明瞭で反応の良い操作)」と謳われているだけに、この技術的な不安定さが生むストレスは倍増します。
「プレイしたい」というユーザーの意志(Will)を、システムが拒絶し続けている。
ユーザーが直面する現実
ログイン画面という名の「エンドコンテンツ」
Dreadmystをインストールした初心者がまず体験するのは、幻想的なファンタジー世界での冒険ではありません。それは、無機質なブラウザ画面と、届かない確認メール、そして「404 Not Found」という冷酷な文字列との戦いです。
人生の貴重な時間をこの呪われた地に溶かし続けたまん花から見れば、これはある種の「選別」のようにも思えます。Steamという便利なプラットフォームに慣れきった現代人に対し、本作は「外部登録」という、かつてのMMO黎明期のような不便さを強要します。
しかも、その登録サイトがローンチ直後にパンクし、アクセスすらできない。レビューにある「Login Screen Simulator(ログイン画面シミュレーター)」という皮肉は、誇張でも何でもなく、多くのプレイヤーにとっての真実なのです。
Dev didn’t prepare his website for the login requests, been 2 hours on his register page to show 404.
(開発者はログインリクエストへのウェブサイトの準備をしていなかった。登録ページで404が出るのを2時間も眺めているよ。)
開発者の態度とコミュニティの不協和音
さらに、本作の評価を一段と下げているのが、開発者の振る舞いです。どす恋まん花がキーボードの刻印が摩擦で消え去るまで調査したところ、不満はシステム面だけに留まりませんでした。
一部のレビューでは、開発者が人種差別的なコメントを行ったり、切実な不具合報告に対して「Silly(馬鹿げた)」と一蹴するような態度を取ったりしていることが指摘されています。これは、非営利で素晴らしいゲームを提供しようとする姿勢とは、あまりにもかけ離れた振る舞いです。
That’s st00pid to review bomb the game for crapy server at its launch. However, I’ll make it cause of dev behavior. Racist comments. “Silly” answers for the REAL issues. Not cool, dude.
(ローンチ時のサーバーの酷さでレビュー爆撃をするのは愚かだ。だけど、私は開発者の態度のせいで低評価をつけるよ。人種差別的なコメント。本当の問題に対する「馬鹿げた」回答。全然クールじゃないぜ、あんた。)
プレイヤーはゲームの品質だけでなく、それを作る人間の誠実さも見ています。
特に本作は「Truly Free(完全に無料)」を掲げているため、開発者の善意がコミュニティの信頼の源泉であるはず。そこが揺らいでしまえば、いくらシステムが優れていても、ユーザーの心は離れてしまいます。
不具合よりも根深い問題、それは作り手と受け手の信頼関係の崩壊である。
それでも支持される理由
「無料」という名の究極の福音
ここまでボロカスに書いてきましたが、どす恋まん花はこのゲームを単なる「クソゲー」として切り捨てるつもりはありません。なぜなら、好評率75%という数字が示す通り、この荒波を乗り越えて「中」に入れた者だけが味わえる、抗いがたい魅力があるからです。
最大のポイントは、やはり「完全無料・非営利」という点でしょう。昨今のMMOがガチャや課金、バトルパスにまみれている中、Dreadmystは古き良き「強さは自らの手で掴み取るもの」という哲学を貫いています。
どす恋まん花がこれまでに費やしてきた、指紋がすり減ってなくなるほどのプレイ時間。その中で一度も「金を払えば楽になれる」という邪念に駆られなかったのは、このゲームが持つ純粋なストイックさゆえです。
独自エンジンがもたらす「手触り」の良さ
また、C++/OpenGLで構築されたカスタムエンジンによる戦闘のフィーリングは、UnityやUnreal Engine製のありふれたゲームとは一線を画す「何か」を持っています。
タブターゲット方式という古典的な戦闘スタイルでありながら、スキルのレスポンスは驚くほど鋭い。4人パーティでのダンジョン攻略におけるタンクの立ち回り、ヒーラーの絶妙なタイミングでの回復、そしてDPSが叩き出すシナジー。
これらが噛み合った時の快感は、かつての『World of Warcraft』や『EverQuest』に熱狂した世代の心に深く刺さるはずです。不便さを乗り越えた先にだけ存在する「本物のMMO体験」が、そこには確かに息づいています。
パラディン、メイジ、レンジャー、クレリック。それぞれの役割が明確であり、属性値を1ポイント変えるだけで生存率が劇的に変わる。この緻密な計算と試行錯誤こそが、やり込み派のゲーマーを惹きつけてやまないのです。
地獄の門を潜り抜けた者だけが、古き良き聖域へと辿り着ける。
最終評価と購入ガイド
さて、どす恋まん花による『Dreadmyst』の分析、いかがでしたでしょうか。
結論から言えば、本作は「時代錯誤な不親切さと、純粋なゲーム愛が同居する怪作」です。
低評価の多くは、ゲーム内容そのものよりも、そこに至るまでのインフラ整備の甘さと、開発者のコミュニケーション不足に起因しています。逆に言えば、そこを「MMOの通過儀礼」として笑い飛ばせる強靭なメンタルの持ち主であれば、これほどコストパフォーマンス(何せ無料ですから!)に優れた遊び場は他にありません。
日本語未対応という高い壁もありますが、かつて言葉も分からず海外サーバーに突撃したあの頃の熱量を思い出したいのなら、一度はこの「ログイン画面シミュレーター」に挑んでみる価値はあるでしょう。
✅ 購入をお勧めする人
- 課金要素に疲れ果て、純粋にプレイ時間で強くなりたい求道者
- 外部登録や英語の壁を「冒険の一部」として楽しめるタフなゲーマー
❎ 購入を避けるべき人
- Steamの「プレイ」ボタンを押したら1分以内に遊び始めたい現代人
- 開発者の言動や運営の未熟さに強いストレスを感じてしまう人
執筆:どす恋まん花
