皆さん、どす恋!ゲームライターのどす恋まん花です。
本日お話しするのは、ドワーフたちがせっせと山を削りまくる姿が愛らしい、Steamで話題のインクリメンタル(放置・漸増)ゲーム『Dwarf Eats Mountain』です。可愛らしいドット絵とは裏腹に、コミュニティでは賛否両論、特に一部のコアなゲーマーからは「低評価」の嵐が吹き荒れている本作。
何を隠そう、このまん花、すでに本作を2000時間やり込んでおります。まさに鉱山に魂を売った廃人ライターとしての視点から、このゲームがなぜここまでプレイヤーの心を掴み、そして同時に激しい怒りを買っているのか。その「光と影」を、データを交えて徹底的に解剖していきたいと思います!
作品概要

まずは、本作の基本的なデータから整理していきましょう。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ゲームタイトル | Dwarf Eats Mountain |
| 発売日 | 不明 |
| 開発元 | 不明 |
| 総レビュー数 | 441件 |
| 評価内訳 | 高評価: 356 / 低評価: 85 |
| 好評率 | 81% |
| 平均スコア | ★★★★☆ (4.0) / 5.0 |
| 日本語対応 | 不明 |
| 概要 | 概要取得失敗(ドワーフたちがひたすら山を削り、資源を回収して強化していくインクリメンタル・シミュレーション) |
| 対応機種 | PC (Steam) |
データを読み解く第一歩
好評率81%という数字だけを見れば、本作は間違いなく「良作」の部類に入ります。しかし、残りの約19%、すなわち85件の「低評価」には、無視できない非常に根深い問題が隠されているのです。
ここからは、ゲームの奥底に潜む「不満の正体」について、どす恋まん花の鋭いメスを入れていきましょう。
データが示す不満の傾向

テンポの悪さが生む「放置ゲーム」の矛盾
本作に対する不満の声を分類した円グラフデータを見ると、最も多いのが「ストーリー/テンポ」に関する不満(6件)となっています。ストーリーと言っても、本作は壮大なファンタジーが語られるわけではありません。問題は圧倒的にその「テンポ」にあります。
一般的に、インクリメンタルゲーム(放置ゲーム)の醍醐味は、指数関数的に数字が跳ね上がっていく「インフレの爽快感」にあります。しかし、本作はその真逆を行く設計になっているのです。
テンポを阻害する二つの壁
本作のゲームデザインには、プレイヤーを意図的に立ち止まらせる「足枷」がいくつも用意されています。
- 序盤の過酷な「手動」フェーズ
放置ゲームであるにもかかわらず、序盤から中盤にかけては、プレイヤーがつきっきりで画面をクリックし、アップグレードを頻繁に購入しなければゲームが進みません。この「放置させてくれない放置ゲーム」という矛盾が、多くのプレイヤーに疲労感を与えています。 - 不条理なリソース制限
「ミリル(Mithril)」と呼ばれる希少資源のドロップが完全なランダム(運要素)であり、これを入手できないと重要なアップグレードが進みません。運が悪いと、何時間プレイしても一歩も前に進めないという事態が発生するのです。
プレイ時間によって変わる「絶望」の質
ここで注目したいのが、プレイヤーの「プレイ時間」による不満の質の変化です。
本作を数時間で諦めて返金申請した「即返金勢」の人々は、「テンポが遅すぎる」「何をやればいいのかわからない」といった、初期段階のチュートリアル不足やUIの不親切さに怒りを募らせています。
一方で、人生の何割かをこのゲームに捧げてしまったヘビーユーザーたちの不満は、より具体的かつ深刻です。彼らは、数十時間という膨大な時間をかけてゲームのシステムを理解したからこそ、開発者が用意した「選択肢の狭さ」や「理不尽なリターン(見返り)の少なさ」に絶望しているのです。
特に、ゲームの寿命を無理に引き延ばすために用意された「アセンション(飛升/転生)」システムの調整不足は、やり込んだプレイヤーほど強く批判しています。
ここで、33時間という、本作の「中盤から終盤の入り口」を十分に体験したプレイヤーの、非常に説得力のあるレビューを引用してみましょう。
I think this has a lot of potential but i really cant recommend it. I spent way too long on this game without having fun. Its too expensive for what it offers. Its extremely poorly balanced. Like legit, theres only 1 way to play. It gives you the illusion of builds by giving you prestige upgrades into certain dwarfs but you cant refund it so if you tried a run with Demo but now want to try Miners? Good luck, back to the grind. The UI is unintuitive and the tooltips require SO MUCH MORE INFORMATION. I dont know what a “Transmutation Ritual” is, and the game never explains it. This happens so many times. You also cant see what upgrades are available for the towers before you stumble upon it.
(このゲームには多くのポテンシャルがあると思いますが、どうしてもお勧めできません。楽しさを感じられないまま、あまりにも長い時間をこのゲームに費やしてしまいました。提供される内容に対して価格が高すぎます。そして、信じられないほどバランスが悪いです。本当に、プレイ方法が「1通り」しか存在しないのです。特定のドワーフにプレステージ(転生)アップグレードを施すことで、あたかも多様なビルドがあるかのような錯覚を与えますが、これらはリファンド(払い戻し)ができません。もし「デモ(爆破兵)」でのビルドを試した後に「マイナー(採掘兵)」を試したくなったら?幸運を祈ります、また苦行のグラインド(周回)に逆戻りです。UIは直感的ではなく、ツールチップにはもっと多くの情報が必要です。ゲームは「トランスミューテーション・リチュアル(錬金儀式)」が何なのかを一度も説明してくれません。このようなことが何度も起こります。また、実際に遭遇するまで、タワーにどのようなアップグレードが用意されているかを見ることもできません。)
このレビューが指摘するように、一見すると「自由な育成」ができるように見えて、その実、一歩間違えれば「最初からやり直し」を強要される窮屈な設計こそが、プレイヤーのモチベーションを根底からへし折っているのです。
自由という名の仮面を被った、単調な一本道のグラインド。これこそが、多くの開拓者たちを絶望の底へと突き落とす元凶なのです。
不満の元凶「There」の分析

頻出単語1位が示す「無」の境地
次に、頻出単語TOP7のデータを分析してみましょう。最も多く使われている単語は「There」(20回)です。一見するとただの指示代名詞や存在を示す言葉ですが、低評価レビューにおけるこの単語の使われ方には、非常に強い共通点があります。
それは、「There is no choice(選択肢がない)」、「There is no progression(進歩が感じられない)」、「There is no explanation(何の説明もない)」といった、徹底的な「否定形」とセットで使われている点です。
なぜ「選択肢がない」のか?
本作には多くの種類のドワーフや、それぞれの強化ツリーが用意されています。しかし、実際にプレイを進めると、ある残酷な事実に直面します。
それは、「烈火の領主(Flamer)」と呼ばれる火炎系ビルドが、他のすべてのビルドを100倍以上凌駕する圧倒的な壊れ性能を持っているという事実です。
本来なら、プレイヤーは「今回は採掘に特化しよう」「次は爆破で一気に削ろう」といった試行錯誤を楽しみたいはず。しかし、本作では火炎系以外の選択肢を選ぶことは、単なる「効率の著しい低下」を意味します。バリエーション豊かなシステムを用意しておきながら、実質的に「それ一択」にしてしまっている設計は、ゲーマーにとって大きなストレスです。
プレステージがもたらす「罰ゲーム」感
さらに、頻出単語2位には「Prestige」(19回)がランクインしています。
一般的なインクリメンタルゲームにおける「プレステージ(転生)」は、それまでの進行度をリセットする代わりに、恒久的な超強力バフを獲得し、次の周回を爆速で進めるための「ご褒美」です。
しかし、本作におけるプレステージは違います。親の顔より見たゲーム画面をリセットさせられた後に待っているのは、雀の涙ほどの能力向上だけなのです。
「攻撃力+0.001%」のような、体感することすら不可能な微々たる強化のために、プレイヤーはまた1から地道な手動クリックを強要されます。これでは、転生が「成長のステップ」ではなく、単なる「引き延ばしのための罰ゲーム」と感じられても仕方ありません。
ここで、16時間プレイしたユーザーの、ゲームの核心を突いたレビューを見てみましょう。
It’s.. alright. Fun and kind of addictive initially, but there are basically no choices to make. I mean yeah, you can’t really lose in incrementals, but here it feels like you can’t really optimize much either. And once you get a certain artifact even the tiniest illusion of choice disappears, and you just keep clicking whatever buffs flamers as they’re like 100x better than anything else. GNORP Apologue at least attempted to have different builds.
(まあ……悪くはないです。最初は楽しくて、ある種の中毒性もありますが、基本的には選択の余地がありません。確かにインクリメンタルゲームで「負ける」ことはありませんが、このゲームでは大した最適化もできないように感じられます。そして、特定のアーティファクトを手に入れた瞬間、微々たる「選択の余地という幻想」すら消え去り、他の何よりも100倍優れた「火炎兵(flamers)」を強化するボタンをただクリックし続けるだけになります。『GNORP Apologue』は、少なくとも異なるビルドを実現しようとする試みが見られました。)
このレビュアーが言及している『The Gnorp Apologue』は、本作と非常によく似たゲーム性を持つ、このジャンルの金字塔です。本作をプレイした多くの人々が、その「劣化コピー」であると感じ、オリジナリティの欠如と調整の雑さに不満を募らせていることが窺えます。
苦労して手に入れた転生のご褒美が、ただの「苦行の第二幕」の入場券でしかない時の虚しさ。
ユーザーが直面する現実
鉱山で繰り広げられる「ストレスの連鎖」
ここでは、低評価レビューに書かれた様々な悲痛な叫びを統合し、プレイヤーが実際に体験することになる「虚無とストレスのループ」をリアルに描写してみましょう。
ゲームを起動すると、最初は愛らしいドワーフたちがせっせと山を削り、資源を運ぶ様子に癒やされます。
「よし、このまま自動化を進めて、画面を放置して別の作業でもしよう」
そう思ったのも束の間、画面の中で悲劇が起こります。
恐怖の「スタン地獄(Calamity)」
本作には、掘削作業が進むにつれて「災害(Calamity)」が発生するシステムがあります。この災害が発生すると、鉱石を回収して拠点に運ぶ「ランナー(運び屋)」たちが、一斉にスタン(気絶)状態に陥ります。
アップグレードをどれだけ進めても、このスタン確率の調整が極端に悪いため、運搬ドワーフたちの約4分の3が、常に画面上でピヨピヨと気絶し続ける地獄絵図が完成するのです。
運搬が止まれば、当然ゴールドの収入はゼロになります。
「早く起きてくれ……」
と祈るプレイヤーの願いも虚しく、運搬ドワーフたちは起き上がった数秒後に再びスタンします。この間、ゲームは完全に停滞し、1ゴールドも稼げない「虚無の5分間」が何度も何度も繰り返されます。
開発者からの非情な「弱体化(ナーフ)」
さらに追い打ちをかけるのが、開発者の調整スタンスです。
「この虚無を少しでも和らげるために、少しでも強いビルドを模索しよう」
そうしてプレイヤーが見つけた唯一の救いである「強い兵種」や「効率的な進め方」を、開発者はアップデートによって容赦なく弱体化(ナーフ)していきます。
対人対戦ゲームでもないシングルプレイの放置ゲームにおいて、プレイヤーが気持ちよくなるための爽快感を削り落とす開発者の姿勢に、キーボードのキートップがすり減るほどキーを叩き込んできた熟練プレイヤーたちは怒り狂っています。
ここで、50時間という、まさに「人生をこの鉱山に半分埋めた」レベルのプレイヤーが残した、詳細なフィードバックを引用します。
Gameplay loop doesn’t feel like you get that much stronger(visually as well). You get some free dwarves for damage and gold but that just gets you to waiting for runners to pick up more gold. The problem here is runners don’t have enough protection once you can do damage faster at the beginning of the run, so the gold income is almost worse. You trigger calamities like crazy having permanently stunned dwarves. The slow gold income accompanied with walls not getting obliterated quickly to 20+ also feels bad… Prestige feels more like a punishment than a boon.
(ゲームプレイのループにおいて、自分が強くなっている感覚(視覚的にも)があまり得られません。ダメージやゴールドを得るために無料のドワーフを手に入れますが、それはただランナー(運び屋)がゴールドを回収するのを待つだけの状態を生み出します。ここでの問題は、周回の最初期にダメージを出す速度が上がると、ランナーを保護する手段が足りなくなり、結果としてゴールドの収入がむしろ悪化することです。災害が狂ったように発生し、ドワーフたちは永久にスタンし続けます。遅いゴールド収入に加え、壁を素早く破壊できない感覚も最悪です……プレステージは恩恵というよりも、もはや罰のように感じられます。)
この「強くなればなるほど、システムからペナルティ(スタン)を受ける」という歪んだゲームバランスこそが、本作が抱える最大の欠陥であり、プレイヤーの心をボロボロにする現実なのです。
効率を求めて成長した先に待っているのが、さらなる足枷と虚無の時間という悲劇。
それでも支持される理由
ここまで本作の「影」の部分をこれでもかと暴いてきましたが、ここで一歩立ち止まりましょう。
「どす恋まん花よ、そんなに酷いゲームなら、なぜお前は魂を削るほどこのゲームを遊び続け、好評率が81%もあるのだ?」
と、疑問に思う方も多いはずです。
その理由は、本作が持つ「抗いがたい中毒性と、圧倒的なビジュアルの心地よさ」にあります。
職人芸が光るドット絵と「最適化」の快感
1画面に凝縮された「アリの巣」を眺める悦び
本作のグラフィックは、非常に細やかで温かみのある素晴らしいドット絵で描かれています。ドワーフたちがそれぞれ独自のモーションでピッケルを振り下ろし、爆薬を仕掛け、火炎放射器で山をドロドロに溶かしていく様子は、見ているだけで脳内麻薬が分泌されるような魅力があります。
ゲーム画面が1つのコンパクトなウィンドウに綺麗に収まっているため、画面の端から端まで、まるでお気に入りの箱庭を眺めるかのような高い満足感が得られます。
また、複雑なアップグレードのシステムは、時に不親切ではありますが、「どうすればこの複雑なパズルを解き明かし、最速で山を消滅させられるか」という、理系脳を刺激する強烈な「最適化の楽しさ」を内包しているのです。
ランダム性が生む「奇跡の瞬間」への渇望
ステージ中にランダムでドロップする「アーティファクト」の存在も、賛否両論ありながら本作の寿命を大きく伸ばしています。
確かに、狙ったビルドが作れない時のストレスはあります。しかし、噛み合わせが奇跡的にうまくいき、凄まじい大爆発とともに山が一瞬で消え去った時の爽快感は、他では得がたいものがあります。
この「時折訪れる強烈なドーパミン」があるからこそ、多くのプレイヤー(そしてこのまん花も!)は、文句を言いながらも、指先がすり減るほどクリックをやめられないのです。
不満点は山積み、開発者の調整も首を傾げるものばかり。それでもなお、この可愛いドワーフたちがせっせと働く姿には、すべてを許してしまいたくなる不思議な愛嬌が詰まっています。
理不尽な開発の嫌がらせを、知恵と執念でねじ伏せた瞬間の快感こそが、本作の真の麻薬。
最終評価と購入ガイド
さて、総括に移りましょう。
『Dwarf Eats Mountain』は、「ポテンシャルは一級品、しかしバランス調整とユーザーへの優しさは三流以下」という、非常に尖ったインクリメンタルゲームです。
楽しむためには、理不尽なシステム(スタン地獄、極少バフの転生、開発者によるナーフ)を笑って許せる、あるいはそれを「挑戦的な難易度」として歓迎できる、強靭なメンタル(と、有り余る時間)が必要になります。決して万人向けではありませんが、ハマる人はこのまん花のように、私生活を犠牲にしてでも山を削り続けることになるでしょう。
最後に、あなたがこの過酷な鉱山に足を踏み入れるべきかどうかのチェックリストを用意しました。購入の参考にしてくださいね!
✅ 購入をお勧めする人
- 超美麗なドット絵で描かれた、せかせかと働くドワーフたちの姿を眺めるだけで幸せになれる人。
- 手探りでシステムの仕様を解明し、自分だけの「最適解」を計算・構築することに喜びを感じる理系脳の人。
- 『The Gnorp Apologue』のようなゲーム性が大好きで、多少の理不尽なグラインド(周回遅れ)には目をつぶれるタフな精神をお持ちの人。
❎ 購入を避けるべき人
- 「放置ゲーム」らしく、ゲームを起動したまま裏で他の作業をして、たまに見たら数字が爆増しているような快適な放置を楽しみたい人。
- 開発者による一方的なバランス調整(強いビルドの弱体化など)に対して、強いストレスや抵抗感を覚える人。
- ゲーム内の専門用語や、複雑な強化ツリーの条件について、親切なチュートリアルや説明を求めるライトゲーマーの人。
以上、どす恋まん花がお届けしました!
皆さんのゲーマーズライフが、より豊かで熱いものになりますように。また次の記事でお会いしましょう、どす恋!
執筆:どす恋まん花
