Everwind レビュー|低評価の裏に潜む「空の虚無」と「廃人」の執念

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ごきげんよう。ゲームライターのどす恋まん花です。

皆さんは、空を見上げて「あそこに行きたい」と思ったことはありますか? 私はあります。というか、この『Everwind』という世界において、私は通算で2000時間をこの空に捧げてきました。もはや私の毛穴からは雲が噴き出し、血管にはヘリウムガスが流れていると言っても過言ではありません。

そんな「空の住人」と化したまん花ですが、最近この『Everwind』のレビュー欄を眺めていて、あることに気づきました。高評価が8割を超えている一方で、その裏側で渦巻く「低評価」の声が、あまりにも具体的で、あまりにも切実なのです。

「神ゲー」と崇める声のすぐ隣で、「金と時間の無駄」と切り捨てる声がある。この乖離は一体どこから来るのか。今回は、提供されたデータと、指紋が摩り下がるほどコントローラーを握りしめてきた私自身の経験を元に、本作の真実を徹底的にレビューしていきたいと思います。

目次

作品概要

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『エバーウィンド』は、空に浮かぶ島々を舞台にした主観視点のオープンワールドRPG×サンドボックスサバイバルゲームです。プレイヤーはフレンドと共に広大な空の世界を冒険し、その謎を解き明かしていきます。

本作の最大の特徴は「空飛ぶ拠点船」です。この船は単なる移動手段ではなく、アイテム作成や生活の拠点となる「動く家」であり、プレイヤー自身の手で自由にカスタマイズ可能です。

ゲームプレイは、剣と盾を構えたアクションバトルや、魔法の杖や錬金術を駆使した戦術的な戦闘が楽しめます。環境は完全に破壊可能となっており、探索や資源採取を通じて地形を自分好みに変えることもできます。

また、キャラクターの見た目を細かく調整できるカスタマイズ機能も搭載。フレンドとのマルチプレイに完全対応しており、協力して空を駆け巡り、未踏の地平線に隠された宝や秘密を追い求める、自由度の高い冒険体験が可能です。

項目 内容
ゲームタイトル Everwind
発売日 2026年3月17日
開発元 Enjoy Studio S.A.
総レビュー数 2,706件
評価内訳 高評価: 2,220 / 低評価: 486
好評率 82%
平均スコア ★★★★☆ (4.1) / 5.0
日本語対応 ✅ 対応
概要 『エバーウィンド』は、主観視点で RPG とサンドボックスサバイバルのジャンルを楽しめる斬新なゲームです。フレンドと一緒に冒険に出かけましょう。空飛ぶ島の船に基地を建設し、資源を集め、アイテムの作成、戦利品の入手、バトルに打ち込みながら、雲の上へと昇ってこの世界の謎を解き明かしてください!
対応機種 PC (Steam)
PlayStation 5
Nintendo Switch
Xbox Series X|S

データが示す不満の傾向

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※集計サンプル数: 100件

さて、まずは冷静にデータから見ていきましょう。不満カテゴリの内訳を見ると、圧倒的1位は「バグ/最適化」。次いで「マップ/探索」「理不尽な難易度」と続きます。

これ、実は非常に興味深い結果なんです。なぜなら、本作は「自由な空の冒険」を謳っているのに、実際にはその「自由」を技術的な不備や不親切な設計が縛り付けているという図式が見えてくるからです。

特に、プレイ時間が10時間未満の層からは「中身が空っぽ(Shell)」という辛辣な意見が目立ちます。導入部分はワクワクするけれど、そこから先に進もうとすると、急激に「何をすればいいのか分からない」「移動が遅すぎて寝落ちする」といった、現代のゲーマーが最も嫌う「虚無」に直面するわけです。

一方で、親の顔より見た画面を眺め続けてきた私のような人間からすれば、このゲームの「バグ」は単なる不具合を超えて、生存を脅かす「天災」に近い。せっかく数百時間をかけて築き上げた愛船が、ある日突然、亜空間に飲み込まれて消滅する――。この絶望、分かりますか?

期待を裏切る「スカスカ」の空

多くのプレイヤーが期待したのは「マインクラフトの空飛ぶ船版」だったはずです。しかし、実際は島を一つ攻略したらもう二度とその場所に戻る理由がなく、ひたすら次の島へ向かって低速で漂流する時間が大半を占めます。

この「漂流時間」の退屈さが、特に新規プレイヤーの心を折っています。船を速くするためには膨大なリソースが必要で、そのリソースを集めるためには遅い船で旅をしなければならない。この矛盾したループが、プレイヤーの冒険心をじわじわと削り取っていく毒のように機能しているのです。

開発側は「のんびりとした空の旅」を提供したいつもりかもしれませんが、現代のコンテンツ過多な時代において、何も起きない10分間の移動は、もはや「拷問」に近いものがあります。

(プレイ時間: 1時間) Refunding for now – I see the game has a lot of love put into it but there’s just the glaring fact that the game feels like a shell right now. … 2 hours in and basically all I did was build a ship, and clear a few islands. I don’t feel rewarded for the time I put in, and I feel like alot of the game had me moving sideways at the moment.
(今のところ返金します。このゲームには愛情が注がれているのは分かりますが、現時点では中身がスカスカであるという明白な事実があります。……2時間プレイして、やったことと言えば船を作っていくつかの島をクリアしただけ。費やした時間に対する報酬を感じられず、ただ横に移動しているだけのような感覚でした。)

このように、期待値と実態の乖離が、序盤の低評価の大きな要因となっています。

空飛ぶロマンの正体は、時に「目的のない漂流」という苦行へと変貌する。

不満の元凶「Und」の分析

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※集計サンプル数: 100件

頻出単語データを見て、皆さんは首を傾げたかもしれません。「Und」「Das」「Die」……これ、ドイツ語ですよね。実は『Everwind』は欧州、特にドイツ語圏のゲーマーに非常に熱心に遊ばれており、その分、熱量の高い「長文の苦情」がドイツ語で投下されているのです。

中でも注目すべきは、圧倒的1位の「Und(そして)」。これは何を意味するのか。

ブロガーとしての勘ですが、これはプレイヤーが不満を述べる際、「ここが悪い、そしてあそこも悪い、そしてこれもおかしい……」と、不満が数珠つなぎになって止まらなくなっている状態を表しています。一つ一つの要素は許容できても、それらが積み重なることで「Und! Und! Und!(そして!そして!そして!)」という怒涛の批判へ繋がっているわけです。

理不尽なシステムが呼ぶ「そして」の連鎖

例えば、ドイツのあるベテランゲーマーのレビューを見てみましょう。彼は200時間を超える時間を費やしながらも、システムへの不信感を爆発させています。

彼は語ります。レベル上げの仕組みがマルチプレイで機能していないこと。商人の在庫が貧弱で金が余ること。そして何より、特定のボス(ゴーレム)を見つけるのが「運ゲー」すぎて、200時間プレイしても進展がないこと。

これこそが「Und」の正体です。一つ壁にぶつかると、それに関連する他のシステムの不備までが芋づる式に顔を出す。船の高度を上げるために特定の「頭蓋骨」を100個集めなければならない。その作業が苦痛で、そして敵は無駄に硬く、そして報酬は見合わない。この負の連鎖が、ユーザーの心を疲弊させていくのです。

(プレイ時間: 252時間) … Sorry lieber Entwickler aber das war eine dämliche Gamedesignentscheidung dass es weh tut. Und das vom Zufall abhängig zu machen ob jemand im Spiel vorankommt oder 10h Stunden und mehr sinnbefreit die Welt nach diesem einen Tempel mit dem Golem absucht der ihm das Weiterspielen erlaubt um Ausrüstung und Waffen zu verbessern. Das geht gar nicht !
(……申し訳ないが開発者さん、これは痛々しいほど愚かなゲームデザインの決定だ。プレイヤーが先に進めるかどうかを運任せにし、装備や武器を強化するために必要なゴーレムの寺院を探して10時間以上も無意味に世界を彷徨わせるなんて。これはあり得ない!)

人生の半分をこのゲームの操舵席で過ごしてきた私でさえ、この「運任せの進行」には何度かコントローラーを投げそうになりました。

「Und」の積み重ねは、期待が失望へと変わるまでのカウントダウンである。


ユーザーが直面する現実

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さて、ここからはより具体的に、プレイヤーがどのような「地獄」を味わうのかを描写していきましょう。

本作の戦闘バランスは、ある地点を境に急変します。具体的には高度1000から1500あたり。それまで剣を振っていれば倒せていたガイコツたちが、突然「岩石かな?」と思うほどの耐久力を持ち始めます。こちらの攻撃ダメージが「50」なのに、敵のHPは「2000」。しかもそれが狭いダンジョンに5、6体同時に現れる。

こうなると、真っ向勝負は不可能です。プレイヤーはどうするか。
ブロックを積み上げて安全地帯を作り、そこから弓でチクチクと数十分かけて削るという、およそ「伝説の勇者」とは思えない卑屈な作業に没頭することになります。これが、このゲームの「中盤以降の日常」です。

また、本作の売りの一つである「自由な船の建築」にも罠があります。装飾品をたくさんつけて、自分だけの豪華客船を作ったとしましょう。しかし、いざ飛び立とうとすると「重すぎて浮きません」という非情なメッセージが出る。指示されるのは、苦労して作った装飾の半分以上を破壊すること。この瞬間、プレイヤーの心に宿っていたクリエイティビティは、音を立てて崩れ去ります。

亜空間の恐怖と「消失」のトラウマ

そして、最も恐ろしいのが「バグ」によるデータの損失です。
100時間を超えてプレイし、自分の魂の一部とも言えるほど愛着の湧いた船。それが、島に上陸した瞬間に地面をすり抜け、亜空間へと沈んでいく――。

あるプレイヤーは、自分の船が島の下に埋まってしまった後、2日間かけて(!)スコップで島を掘り返し、ようやく船を救出したと報告しています。これ、笑い話ではありません。それほどまでにこのゲームの「所有権」は脆く、常に消失の危機にさらされているのです。

(プレイ時間: 49時間) … 50 hours of game play all for my ship to go missing with everything i spent those 50 hours on collecting, i feel i flushed my hard earned money down the toilet on this one…
(……50時間のプレイ時間が、船が行方不明になったことで、その時間をかけて集めたものすべてと共に消え去りました。一生懸命働いて稼いだお金をトイレに流したような気分です……。)

私のまぶたの裏には、今でも消えていった数々のアイテムたちが浮かびます。本作は、プレイヤーに「忍耐」という名の高すぎる授業料を要求するのです。

魔法という名の「罠」

さらに、多くの初心者が陥るのが「魔法使いビルド」の罠です。
スキルツリーには立派な魔法項目がありますが、序盤から中盤にかけて、強力な杖や魔法の書はほとんど手に入りません。ようやく手に入れたとしても、チャージには超希少なリソースが必要で、実質「ラストエリクサー」状態で使えない。

結局、魔法に全振りしたプレイヤーは、魔法使いの皮を被った「ひ弱な戦士」として、鉄の棒でガイコツを叩く羽目になります。このビルドの自由度の低さは、RPGとしての底の浅さを露呈させてしまっています。

自由の空を飛ぶ代償は、あまりにも重く、あまりにも理不尽な「時間の喪失」である。

それでも支持される理由

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ここまでボロクソに書いてきましたが、それでも本作の好評率は82%を維持しています。一体なぜか。それは、このゲームにしかない「抗いがたい魔力」があるからです。

自分のまぶたがUIの一部になるほどやり込んできた私だからこそ断言できますが、『Everwind』の「船の上で生活している感」は他のどのゲームにも代えがたいものがあります。

唯一無二の「空飛ぶ家」体験

雲を突き抜け、島から島へと渡り歩く。風の音を聞きながら、船の甲板で次の目的地を検討する。この瞬間だけは、バグも、クソみたいな難易度調整も、すべてがどうでもよくなります。

自分好みにカスタマイズした船は、単なる乗り物ではなく、厳しい空の世界における唯一の「聖域」です。一歩外に出れば地獄のガイコツ山脈が待っていても、船に戻ればそこには暖かな暖炉と、積み上げた戦利品の山がある。このメリハリが、中毒性を生んでいるのです。

また、不満の多かったバグについても、開発チームは驚異的なスピードでアップデートを繰り返しています。今日あったバグが明日には直っている。この「開発と一緒にゲームを作っている感覚」も、アーリーアクセス作品としての魅力と言えるでしょう。

探索の「中毒性」とロマン

本作の探索は、常に「次は何かすごいものが見つかるかも」という射幸心を煽ってきます。
たまに見つかる強力なレア武器。一気に世界が変わる高度アップグレード。不便であればあるほど、それを乗り越えた時の解放感は凄まじいものがあります。

「マインクラフト」に欠けていた「明確な冒険の目的」と、「Raft」に欠けていた「RPG的な成長要素」。この二つが、歪ながらも高次元で融合しているのが『Everwind』というゲームなのです。

欠点だらけの不器用な空が、なぜか愛しくてたまらなくなる。


最終評価と購入ガイド

結論を申し上げましょう。

『Everwind』は、「万人向けの神ゲー」ではありません。
むしろ、未完成で、粗削りで、プレイヤーを突き放すような冷たさを持った「問題児」です。

もしあなたが「完成された、ストレスのない体験」を求めているなら、今はまだこの空へ飛び立つべきではないでしょう。2000時間のフライトを終えてもなお、私はこのゲームに「おすすめできない」と言う人の気持ちが痛いほど分かります。

しかし、もしあなたが「バグすらも冒険のスパイス」と笑い飛ばせる強靭な精神を持ち、何もない空に自分だけの物語を見出せる「ロマン派」のゲーマーであるなら、この世界はあなたにとって唯一無二の宝物になるはずです。

最後に、どす恋まん花流の購入判断基準を置いておきますね。

✅ 購入をお勧めする人

  • 不便さや移動の時間すらも「旅の情緒」として楽しめる人
  • 自分だけの拠点を「船」として構築し、愛でることに喜びを感じる人
  • 開発途上のゲームを、バグも含めて観察することに興奮を覚えるハードコアゲーマー

❎ 購入を避けるべき人

  • 数時間のプレイで明確な「成果」や「報酬」が得られないとストレスを感じる人
  • 理不尽な戦闘バランスや、突然のデータロストを許容できない人
  • 効率を重視し、無駄な待ち時間や反復作業を「時間の浪費」と捉える人

皆さんの空の旅が、どうか亜空間へのダイブで終わりませんように。
以上、どす恋まん花がお送りしました!


執筆:どす恋まん花

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