こんにちは。ゲームを愛し、格ゲーを愛し、何よりSNKというブランドの「熱量」に生かされてきたライター、どす恋まん花です。
1991年に産声を上げた『餓狼伝説』。あの伝説が26年の沈黙を破り、ついに『餓狼伝説 City of the Wolves』として蘇りました。私はこの最新作に対し、2000時間という膨大な時間を捧げ、サウスタウンのネオンに照らされながら数えきれないほどの拳を交わしてきました。その中で見えてきたのは、新時代の格闘ゲームとしての輝きと、一方でプレイヤーの心を深く抉るような「理不尽」と「違和感」の正体です。
本作はリリース直後から大きな話題を呼びましたが、ストアのレビュー欄には手放しの称賛だけでなく、鋭いナイフのような低評価も目立ちます。なぜ、待望の復活を遂げたはずの本作がこれほどまでに賛否を呼んでいるのか。データが示す不満の矛先と、一人の熱狂的なゲーマーとしての視点から、その裏側に隠された真実を深掘りしていきましょう。
作品概要

『餓狼伝説 City of the Wolves』は、90年代の格闘ゲームブームを牽引した名作『餓狼伝説』シリーズの、26年ぶりとなる待望の最新作です。
本作の最大の特徴は、バトルの興奮を極限まで高める新システム「REVシステム」です。バトル開始直後から特殊攻撃を繰り出せる「REVアーツ」や「REVアクセル」などを駆使し、ゲージが限界に達するまで攻撃を叩き込む、スピーディーでアグレッシブな攻防が楽しめます。
操作面では、従来のテクニカルな「アーケードスタイル」に加え、ボタン一つで必殺技や華麗なコンボを繰り出せる「スマートスタイル」を搭載。初心者から上級者まで、自身の腕前に合わせて幅広く格闘ゲームの醍醐味を味わえます。
対戦キャラクターは、歴代の人気ファイターや新キャラクターを含む計22体が参戦。さらに、新モード「EOST(EPISODES OF SOUTH TOWN)」では、サウスタウンを舞台にした育成要素を含むRPG体験が可能です。経験値や報酬でキャラを強化し、強敵を倒して街の制覇を目指すという、対戦格闘の枠を超えたやり込み要素も備えています。対戦と育成、双方の楽しさが融合した、現代の格闘ゲームファン必見の一作です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ゲームタイトル | 餓狼伝説 City of the Wolves |
| 発売日 | 2026年1月22日 |
| 開発元 | SNK CORPORATION |
| 総レビュー数 | 3,130件 |
| 評価内訳 | 高評価: 2,508 / 低評価: 622 |
| 好評率 | 80% |
| 平均スコア | ★★★★☆ (4.0) / 5.0 |
| メタスコア | 80 / 100 |
| 日本語対応 | ✅ 対応 |
| 概要 | 26年の時を経て、『餓狼伝説』が再始動!感性を刺激する独自の「アートスタイル」、バトルの興奮が加速していく「REVシステム」を新たに搭載。さらに初心者から上級者まで楽しめる2つの操作スタイルを始め、様々な新機能や新要素を用意。欲望に満ちたサウスタウンを舞台に、新たな“伝説”が始まる。 |
| 対応機種 | PC (Steam) PlayStation 5 PlayStation 4 Xbox Series X|S |
データが示す不満の傾向:操作性と期待のズレ
本作の低評価を分析すると、最も大きな割合を占めているのが「操作性/戦闘」に関する不満です。これは全体の約4割近くに達しており、単なる「難しさ」を超えた、システム構造上の問題が浮き彫りになっています。
進化したシステムの代償
どす恋まん花が人生の半分を捧げた格闘ゲームというジャンルにおいて、操作性は魂そのものです。本作が導入した「REVシステム」は、攻撃をアグレッシブに展開できる一方で、リソース管理の難易度を劇的に引き上げました。特に、オーバーヒートした際のリスクが非常に高く、攻め込んでいるはずが気づけば窮地に立たされているという状況が頻発します。この「攻めの爽快感」と「管理のストレス」のバランスが、多くのプレイヤーにとって「不自由さ」として感じられているのです。
また、本作には初心者救済策として「スマートスタイル」が用意されていますが、これもまた諸刃の剣となっています。ボタン一つでコンボが出る手軽さはあるものの、実際のチュートリアルや実戦では、スマートスタイルゆえの制約や、逆に「何をどうすれば勝てるのか」という本質的な理解を妨げる壁が存在しています。
格ゲーの宿命とコミュニティの断絶
データによると、プレイ時間が短いユーザー(10時間未満)は「難易度の高さ」に絶望し、やり込んだユーザーは「対戦バランスやUIの不備」に声を荒らげています。特にオンライン周りの不満は深刻で、ランクマッチにおけるマッチング精度の低さや、対戦相手が固定化されがちな過疎感への嘆きが多く聞かれます。
(プレイ時間: 36時間) しかしながら格ゲー初心者にはあまりにも敷居が高すぎた。 基礎もなにもあったもんじゃないので、タイミングもガバガバ、めちゃくちゃ。 この状態でマルチ対戦なんかはもってのほかで、カモがネギを背負ってきたどころじゃなくネギが自ら歩いてきたレベルでしょう。メンタル崩壊が目に見えています。なので今後何があってもオンライン対戦はやらんと決めました。
このように、新規プレイヤーを迎え入れるための「スマート」なはずのシステムが、逆に彼らの心を折ってしまうという皮肉な現象が起きているのです。まん花としても、この新規層が定着しにくい構造的欠陥こそが、本作が抱える最大の爆弾であると感じざるを得ません。
格闘ゲームは、勝つことの喜び以上に「負けることへの耐性」を求められる過酷な遊びです。しかし、ゲーム側がその「負け」をプレイヤーの納得感ある形で提示できていないことが、現在の不満の温床となっているのでしょう。
新しさを追求するあまり、プレイヤーを置き去りにした操作設計が低評価の火種となっている。
不満の元凶「Que」の分析:ユーザーが叫ぶ違和感の正体

頻出単語データを眺めると、ある奇妙な傾向が見えてきます。それは、英単語の「Que(スペイン語やフランス語、あるいは英語の誤字としてのWhat/Why)」が圧倒的な回数出現していることです。これは、海外コミュニティにおける「なぜこんな仕様にしたのか?」という困惑の叫びが、統計として可視化されたものと言えます。
「なぜ?」が止まらないゲームデザイン
まん花が親の顔より見た画面の中で、特に「Que(なぜ?)」と叫びたくなるのは、ユーザーインターフェース(UI)の不親切さです。2026年のタイトルでありながら、マウス操作に完全対応していなかったり、メニューの階層構造が複雑怪奇であったりと、お世辞にも「洗練されている」とは言えない部分が多々見受けられます。
格闘ゲームにおいて、対戦の合間の時間は極力ストレスフリーであるべきです。しかし、本作のUIはまるで迷路のようにプレイヤーを惑わせます。この「なぜこんなに使いにくいのか?」という疑問の積み重ねが、最終的にゲーム全体の評価を押し下げる要因となっているのです。
オンラインの闇と「Que」の連鎖
また、オンライン対戦においても「Que」は頻発します。マッチングした瞬間の接続強度の不安定さ、あるいは特定の強キャラクターに対する調整の不在。プレイヤーはコントローラーを握りながら、画面に向かって問いかけます。「なぜ私の攻撃は届かず、相手のハメ技は通るのか?」と。
(プレイ時間: 15時間) Game released at £40 last year. Bought it despite my reservations about its saudi funding because I believed in giving the SNK devs a chance and having fighting games be a rich genre with many options for current competition. They have now released season 2 where the game is still £40 for new buyers which INCLUDES SEASON 1 AND 2 but season 1 buyers need to seperately purchase season 2 for £15.
(日本語翻訳:このゲームは去年40ポンドで発売されました。サウジの資金提供に懸念はありましたが、SNKの開発者を信じ、格闘ゲームのジャンルを豊かにするために購入しました。しかし、彼らは今シーズン2をリリースし、新規購入者にはシーズン1と2が含まれて40ポンドのままなのに、シーズン1からの購入者はシーズン2を別途15ポンドで購入する必要があります。)
このように、運営側に対する「なぜ早期支持者を冷遇するのか?」という怒りの「Why(Que)」が、統計データのトップに君臨している事実は極めて重いと言えます。
まん花はこの現象を、運営とプレイヤーの信頼関係に生じた亀裂の象徴だと見ています。どれほどゲーム内容が素晴らしくても、その器となる運営方針やUIが「なぜ?」の嵐を招くようでは、神ゲーへの道は遠のくばかりです。
頻出単語「Que」が示すのは、納得感を欠いた運営方針とUIへの強烈なフラストレーションである。
ユーザーが直面する現実:AIトレーラーと価格の理不尽
ここからは、より具体的な「炎上」の核心に迫りましょう。本作のレビュー欄を赤く染めている最大の要因は、実はゲーム内容そのものよりも、その「見せ方」と「売り方」にあります。
AI生成という禁じ手
SNKは古くから、ドット絵の至宝とも呼ばれる圧倒的なアートワークでファンを魅了してきました。まん花の眼球に焼き付いたかつてのSNK作品は、職人魂の結晶でした。しかし、本作のシーズン2トレーラーにおいて「AI生成画像」が使用されたという疑惑(あるいは事実)が、ファンの逆鱗に触れました。
クリエイティブな表現を尊ぶ格闘ゲームファンにとって、AIによる「安直な生成物」は、ブランドへの冒涜に等しく映ります。特にSNKのような、絵描きの魂を売りにしていたメーカーがそれを行うことは、自らのアイデンティティを放棄したと受け取られても仕方がありません。
早期購入者への「裏切り」
さらに追い打ちをかけたのが、価格設定の不平等さです。発売日に定価で購入し、バグや未熟な環境を支えてきた熱心なファンに対し、後から発売された「レジェンダリーエディション」があまりにも安価で、かつ内容が充実していたこと。これは「早く買った人間が損をする」という、最も避けるべきマーケティングの失敗を体現しています。
(プレイ時間: 140時間) …the latest season 2 trailer with such blatant usage of gen AI left me with a sour taste that I simply cannot wash away. Hence I leave a negative review, and I advice people to vote with their wallet about AI usage and not buy SNK products unless there is an obvious change.
(日本語翻訳:最新のシーズン2トレーラーにおけるあからさまな生成AIの使用は、拭い去ることのできない不快感を私に残しました。そのため、私は低評価レビューを残し、AIの使用について財布で投票し、明らかな変化がない限りSNK製品を買わないよう人々にアドバイスします。)
このレビューが語るように、100時間を超えてプレイし、ゲーム自体には敬意を払っているファンですら、この「企業の姿勢」に対してNOを突きつけているのが現状なのです。これは単なるゲームのバグなどよりも、はるかに深刻な事態です。
サウスタウンという架空の街を舞台にしたこのゲームは、今、現実世界の不信感という霧に包まれています。クリエイターへのリスペクトを欠いた広告と、サポーターを軽視した価格戦略。これが重なり合った結果、名作となるべきポテンシャルを秘めた本作は、激しいバッシングの嵐に晒されることとなりました。
クリエイティブの劣化と不誠実な価格設定が、忠誠心の高いファンを敵に回してしまった。
それでも支持される理由:餓狼の魂は死なず
ここまで厳しい現実を綴ってきましたが、それでもなお、本作を「面白い」と断じるプレイヤーが後を絶たないのも事実です。血の代わりにサウスタウンの空気が流れているまん花としても、その魅力については公平に語らねばなりません。
圧倒的なビジュアルとキャラクターの躍動感
批判の対象となったAIトレーラーとは裏腹に、ゲーム本編のグラフィックは非常に高いレベルでまとまっています。アメコミ風の力強いシェーディングと、2D格闘のケレン味を3Dで見事に表現したアートスタイルは、一見の価値があります。
特に不知火舞やテリー・ボガードといったお馴染みのキャラクターたちが、現代の技術で生き生きと動く姿には、抗いがたい魔力があります。往年のファンであれば、彼らが新システム「REVシステム」を引っ提げて画面狭しと暴れ回る姿を見るだけで、胸が熱くなるはずです。
「攻め」の楽しさが生む快感
対戦バランスについては賛否あるものの、「攻めている側が圧倒的に有利」というゲームデザインは、現代の格闘ゲームにおいて一つの正解かもしれません。3〜4回のコンボで体力が消し飛ぶ緊張感。REVゲージを使い切り、オーバーヒートのリスクを負いながらも最後の一撃を叩き込む高揚感。これは他の格闘ゲームでは味わえない、本作独自の「熱」です。
(プレイ時間: 55時間) 学生の頃に良く遊んだ餓狼伝説の最新作です。 現実世界より参戦したコラボキャラに賛否両論ありますが、 私個人的には不知火舞と春麗の対決見れたので満足です♪^^ 舞のコスチュームは昔の方が露出度高くて好きですが…(笑)
こうした、キャラクターへの愛と格闘ゲームとしての純粋な楽しさを評価する声は、今も消えてはいません。不満点は数多い。しかし、それ以上に「餓狼を遊んでいる」という事実そのものが、多くのプレイヤーにとっての救いとなっているのです。
格闘ゲームというジャンルがニッチ化していく中で、これほどまでに野心的なシステムを導入し、かつてのIPを現代に蘇らせたSNKの執念だけは、認めざるを得ません。問題は山積みですが、その核にある「格闘ゲームとしての面白さ」は、決して偽物ではありません。
不満を上回る圧倒的なキャラ魅力と攻めの快感が、ファンの心を繋ぎ止めている。
最終評価と購入ガイド
さて、どす恋まん花としての最終結論です。『餓狼伝説 City of the Wolves』は、「宝石の原石を、泥の中に落としてしまったような作品」です。
ゲームの核となる対戦部分やグラフィックは、26年を待った甲斐がある素晴らしい出来栄えです。しかし、その周囲を囲む運営の不手際、AIトレーラーによるブランドイメージの毀損、そして新規プレイヤーを突き放す不親切なUIが、その輝きを曇らせています。
今、このゲームを買うべきかどうかは、あなたが「SNKという企業の姿勢」を許容できるか、あるいは「純粋に餓狼のキャラクターで戦いたい」という情熱が勝るかにかかっています。もしあなたが、かつてのサウスタウンの熱狂をもう一度味わいたいのであれば、迷わず飛び込むべきでしょう。しかし、現代的な洗練された格ゲー体験と、丁寧なユーザーケアを求めるのであれば、今はまだ「待ち」の姿勢でいるのが賢明かもしれません。
まん花は、これからもコントローラーが体の一部になるまでこの街で戦い続けるでしょう。しかし、それは愛ゆえの苦行でもあります。SNKが再びファンの信頼を取り戻し、この「狼たちの街」が本当の意味で栄光を取り戻す日を、私は心から願っています。
✅ 購入をお勧めする人
- 餓狼伝説シリーズのキャラクターに深い愛情があり、彼らの最新の姿を見たい人
- アグレッシブな攻め重視のゲーム性を好み、短時間で決着がつくスリルを求める人
❎ 購入を避けるべき人
- 企業の不誠実なマーケティングや価格設定に対し、強い抵抗感を感じる人
- 親切なチュートリアルや、ストレスのない完璧なUIを格闘ゲームに求める人
執筆:どす恋まん花
