皆さん、こんにちは。ゴミの山から明日への希望を拾い集める、どす恋まん花です。
今回取り上げるのは、2025年12月に正式リリースを迎えた期待作『Flotsam』。水没した世界でゴミをリサイクルして街を作るという、なんとも「今風」でエコロジーな海上都市ビルダーです。このまん花、実は本作を2000時間もやり込んでいる自負があります。
海面に浮かぶプラスチックを見れば「あれは乾かせば燃料になるな」と直感し、流木を見れば「あれで寝床が作れるぞ」と小躍りする……。そんな廃人ゲーマーの視点から、本作が抱える「光」と、そして避けては通れない「深すぎる影(低評価)」の正体を、忖度なしで徹底分析していきたいと思います。
作品概要

本作は、洪水によって文明が水没した世界を舞台に、海に浮かぶゴミを再利用して町を築き上げる「浮遊都市建築サバイバルゲーム」です。プレイヤーは海面を漂うプラスチックや流木などの廃材を回収・リサイクルし、生存者たちのための住まいや作業場、色鮮やかな庭園を建設して海上都市を拡大させていきます。
ゲームの核となるのは、資源管理と自給自足の仕組みづくりです。海水を淡水に変え、魚を調理して食料を確保するだけでなく、汚染による病気の治療や施設の補強を行い、仲間の命を守らなければなりません。また、築き上げた町そのものを移動させて広大な海を航海できる点も大きな特徴です。海底に眠る遺跡や未開の島々を探索し、孤立した生存者や動物を救出しながら、失われた過去の技術を再発見していきます。
仲間に加わる漂流者は、電気技師や化学者といった専門知識を持っており、彼らのストーリーを進めることで、デンキウナギによる発電などのクリーンエネルギーや、新たな建築物が解放されます。限られた廃棄物から持続可能なエコシステムを構築し、希望に満ちた海上都市を築き上げることが本作の醍醐味です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ゲームタイトル | Flotsam |
| 発売日 | 2025年12月4日 |
| 開発元 | Pajama Llama Games |
| 総レビュー数 | 4,323件 |
| 評価内訳 | 高評価: 3,477 / 低評価: 846 |
| 好評率 | 80% |
| 平均スコア | ★★★★☆ (4.0) / 5.0 |
| 日本語対応 | ✅ 対応 |
| 概要 | 漂流都市ビルダーで船長となって漂流者たちを導き、果てしなく広がるゴミの海の世界を生き延び、航海し、生存者たちを救出しましょう。水没した遺跡や錆びついた工場、洪水前が起きる前の世界の物語を発見できます。 |
| 対応機種 | PC (Steam) |
データが示す不満の傾向:バグの迷宮
データ1の不満カテゴリ内訳を見ると、衝撃的な事実が浮かび上がります。「バグ/最適化」が40件と、他の不満を圧倒して1位に君臨しているのです。これは単なる「ちょっとした不具合」のレベルを超えています。
人生の半分をこのプラスチックの海に溶かしてきたどす恋まん花から見れば、本作のバグは「仕様」と言いたくなるほど深く根を張っています。特に深刻なのが、建物の解体時に発生する「幽霊オブジェクト」問題です。
最適化という名の荒波
本作は早期アクセス期間が非常に長かったにもかかわらず、1.0の正式リリース時点でも「完成」には程遠い状態であると多くのプレイヤーが指摘しています。特に中盤以降、街の規模が大きくなるにつれて処理が重くなり、AIの挙動が目に見えて怪しくなります。
住人が目の前の資源を無視して遠くへ歩き出したり、食料があるのに餓死したりといった現象は、効率化を突き詰めたいゲーマーにとって致命的なストレスとなります。まん花も、自分の指示が無視されるたびに「私の存在意義とは……」と哲学的な悩みに陥ったものです。
重なる「幽霊」建築の恐怖
最も悪名高いのが、建築物の解体・再構築にまつわるバグです。建物を壊しても「見えない判定」が残り続け、その場所に新しい施設を建てられない、あるいは道が繋がらないという不具合が多発しています。
これを解消するためには、一度セーブしてタイトルに戻り、ロードし直すという手順が必要です。もはや「リロードがゲームサイクルの一部」と化している現状は、没入感を著しく削いでいます。
Despite being a Full “1.0” release, after YEARS in development, the game is STILL chock FULL of BUGS. Buildings frequent leave ghosts on deconstruct. Farms dont save their water settings. the AI on your villagers breaks occasionally. even upgrading, occasionally doesnt work right.
(数年の開発を経てフルリリースされた1.0であるにもかかわらず、このゲームはいまだにバグだらけだ。解体した建物が「幽霊」のように残り続け、農場は水のパッチ設定を保存せず、住人のAIは時々壊れる。アップグレードさえ正しく動作しないことがある。)
このレビューが指摘するように、基本的な建築システムにこれほど多くの欠陥を残したまま「完成」を謳った開発姿勢が、多くのファンを裏切る結果となってしまいました。
この「幽霊建築」こそが、プレイヤーの創意工夫を阻む最大の障壁なのです。
マウスのクリック音が心臓の鼓動より多くなるほどプレイした身としては、この不甲斐なさが悲しくてなりません。
正式リリースという「看板」に偽りありと言わざるを得ない、バグの多さが評価を下げている。
不満の元凶「There」:何が「無い」のか?

次にデータ2の頻出単語TOP7に注目してみましょう。なんと、代名詞である「There」が59回とダントツの1位。これは一体何を意味するのでしょうか?
それは、プレイヤーたちがこぞって「There is no…(~が無い)」と叫んでいるからに他なりません。瞳孔がドット絵で構成されるほど画面を見つめ続けてきたまん花には、彼らが何を欠乏していると感じているのか、痛いほど分かります。
「あそこ」に手が届かないUI
「There」が使われる場面の多くは、UI(ユーザーインターフェース)の欠如です。「資源の在庫を確認するパネルが無い」「生産ラインを一括管理する画面が無い」「建物を素早く検索するボタンが無い」。
本作のUIは非常にミニマリズム……悪く言えば「不親切」です。漂流都市が巨大化すればするほど、どの建物が何を生産しているのかを把握するために、画面を右往左往しなければなりません。特定の素材をどこで作っているのか探すだけで数分かかることも珍しくなく、それはもはや「管理」ではなく「捜索」という別のゲームになってしまっています。
「存在しない」やり込み要素
もう一つの「無い」は、中盤以降のコンテンツの欠如です。序盤、生き残るために必死にゴミを拾い、淡水化装置を回している時間は最高に刺激的です。しかし、一度システムが安定してしまうと、そこには広大な「虚無」が待ち受けています。
血管の中をプラスチック片が流れているような感覚でプレイし続けてきた私でさえ、終盤の「ただ時間を進めるだけの待ち時間」には、何度か意識が飛びそうになりました。
There are also way too many uses for wood and different kinds of wood processes that need to be accomplished before advancing, and automating anything essentially depletes the resource instantly so that’s a no go. Floaters are by far the most needed resource and there’s literally just not enough of them, even when crafting them from waste plastic.
(木材の用途があまりにも多すぎて、進行するために完了しなければならない工程が多すぎる。自動化すると資源があっという間に枯渇するため、結局は手動に近い。フローター(浮き)は最も必要な資源だが、廃プラスチックから作っても全く足りない。)
このレビューでも、リソース管理のバランス崩壊と、自動化機能の実質的な機能不全が「There」を伴って指摘されています。
結局、高度な技術を解放しても、それを維持するための基底リソース(木材やゴミ)が常に不足するため、プレイヤーは一生「ゴミ拾い」をさせられるわけです。
まぶたを閉じても廃棄物の配置図が浮かんでくるほどやり込めば、その絶望感はさらに深まります。
「There(あそこ)」にあるべき機能や面白さが決定的に欠けていることが、単語数に現れている。
ユーザーが直面する現実:果てなき作業の果てに
さて、ここからは実際にプレイした際の「ストレスの正体」をより解像度高く、小説のように紐解いていきましょう。
あなたの眼前には、夕陽に照らされた美しいゴミの海が広がっています。一見するとロマンチックですが、その裏側にあるのは、血を吐くような「管理の地獄」です。
虚無の航海
あなたは新しい島を見つけ、そこに貴重な鉄屑があると確信します。しかし、そこへ行くためには、あなたの巨大な都市船を動かさなければなりません。
『Flotsam』において、「移動」は爽快な体験ではありません。燃料を消費し、住人たちが必死に舵を切るのを、あなたはただ眺めるだけです。倍速モードを使っても、その時間は永遠に感じられます。ようやく島に辿り着いても、そこでやることは、以前の島と全く同じ「クリックして住人を派遣する」だけ。
景色は変われど、やることは変わらない。この「代わり映えのなさ」が、プレイヤーの心を少しずつ蝕んでいきます。
水が足りない、愛も足りない
さらにプレイヤーを襲うのが、理不尽な「優先順位の崩壊」です。
あなたは「最優先:海水から飲み水を作る」と指示を出します。住人の喉がカラカラで、死の一歩手前だからです。しかし、住人Aはなぜか近くにある「飾りの設置」を始め、住人Bは「海草の乾燥」を優先します。
「違う!そうじゃない!」と叫びたくなる瞬間。本作の優先順位システムは3段階しかなく、かつ専門職であっても自分の専門外の仕事を優先してしまうバグ(あるいは仕様ミス)が散見されます。
도전과제 때문에 3회 플레이함… 우선순위 지정은 3단계뿐이라서 세밀한 지정이 불가능함. 그리고 생존자는 특정작업의 우선순위를 꺼놨는데도 해당 작업을 하는 경우가 있던데 왜그런지 모르겠음.
(実績のために3回プレイしましたが……優先順位の設定が3段階しかなく、細かな指定が不可能です。さらに、特定の作業の優先順位をオフにしているのに、生存者がその作業を勝手にやっていることがあり、なぜそうなるのか理解できません。)
このように、プレイヤーが意図した「生存戦略」が、未熟なAIとUIによってことごとく粉砕されるのが、中盤以降の現実なのです。
指紋がなくなるほどスクロールを繰り返しても、この不可解なAI挙動を制御する術はありません。
どれだけ愛を注いでも、住人たちはあなたの指示より自分の「気まぐれ」を優先し、そして静かに喉を渇かせて倒れていく……。
思い通りにならない住人と、ただ時間が過ぎるのを待つ虚無感が、プレイ体験を「苦行」へと変える。
それでも支持される理由:この海は美しい
ここまでボロクソに書いてきましたが、それでもどす恋まん花がこのゲームを愛している理由は明確にあります。
それは、このゲームにしかない「温もり」と「ビジュアルの説得力」です。
ビジュアルの癒やし
本作のグラフィックは、パステルカラーを基調とした非常に可愛らしいものです。海を漂うゴミという不潔なモチーフを扱っていながら、画面全体からはどこか穏やかで、心地よい波の音が聞こえてくるような平穏さを感じます。
新しい建物を建てた時のアニメーション、住人たちが小さなボートでゴミを回収しに行く様子、夜になると街に灯る明かり。それらを眺めているだけで、忙しい現代社会を忘れ、自分もこの海の一部になったような錯覚に陥ります。
「Raft(イカダサバイバル)」に街づくり要素をミックスしたような独自性は、確かに他のゲームでは味わえないものです。
創意工夫の火種
バグだらけであっても、限られた資源をやりくりして、自分だけの「ゴミの城」を作り上げていく過程には、根源的な楽しさがあります。
「木材が足りないなら、まずは海草で代用して燃料を作ろう」「電気が足りないなら、デンキウナギを飼ってなんとかしよう」。そうした泥臭い試行錯誤がうまくハマった瞬間のカタルシスは、2000時間……おっと失礼、人生の大半を捧げた私のようなプレイヤーでも、毎回新しい発見があるものです。
船を拡張しながら東へ東へ進んでいくゲーム。住人一人ずつ迎え入れながら食料と水に注意してできることを増やしていく。スキルツリーのアンロックがじれったいほど面白く新しい便利な技術の開放ができていく。
(高評価レビューより引用)
このように、「不便さ」そのものをサバイバルの一部として楽しめる人にとって、この不完全な海は最高に魅力的な遊び場になり得るのです。
たとえUIがどれほど壊滅的であっても、そこに自分の「居場所」を築く喜びが勝る瞬間があるのは事実です。
この世界観に惚れ込んでしまったなら、バグすらも「海流のいたずら」として許せてしまう……そんな不思議な魔力が、この『Flotsam』には宿っています。
唯一無二のアートワークと「ゴミから街を作る」というワクワク感は、システムの欠陥を補って余りある。
最終評価と購入ガイド
さて、どす恋まん花としての結論です。
『Flotsam』は、「宝石のような原石が、大量のゴミ(バグとUI不足)に埋もれているゲーム」です。現状、万人に勧めることはできませんが、特定の人にとっては、一生忘れられない航海になるでしょう。
購入を迷っている方は、以下のリストを参考にしてみてください。
✅ 購入をお勧めする人
- 「ゴミを再利用する」という設定やビジュアルに一目惚れした人
- 効率性よりも「眺めているだけで楽しい」雰囲気を重視する人
- バグや不親切なUIを、サバイバルの一部として笑い飛ばせるメンタリティの持ち主
❎ 購入を避けるべき人
- 『Oxygen Not Included』や『Frostpunk』のような、厳密で洗練された管理システムを求める人
- 中盤以降の繰り返し作業や、AIの不合理な挙動に強いストレスを感じる人
- 「正式リリース=完成品」という期待を裏切られたくない人
皆さんの航海が、バグの幽霊に邪魔されない素晴らしいものになることを、ゴミの海の底から祈っています。
それでは、また次の記事でお会いしましょう。どす恋まん花でした!
執筆:どす恋まん花
