みなさん、ごきげんよう。どす恋まん花です。
本日、まん花がまな板の上に乗せるのは、中世サバイバル・コロニーシミュレーションの注目作『Going Medieval – ゴーイング・メディーバル』です。疫病で崩壊した世界を舞台に、生き残った人々を率いて城を築く……。聞くだけでワクワクする設定ですよね。
実は、どす恋まん花はこの作品を2000時間やり込んでいます。はい、もはや入植者の名前を全員フルネームで覚え、彼らの吐息だけで体調を察知できるレベルにまで達しました。それだけの時間をこの中世の荒野に溶かしてきた一人のゲーマーとして、巷に溢れる「高評価」の裏側にある「低評価」の鋭い刃を、データと情熱をもって分析していきたいと思います。
本作はSteamでの評価こそ「非常に好評」を維持していますが、その影で多くのプレイヤーが悲鳴を上げているのも事実。果たしてそれは、単なる「難易度への不平」なのか、それとも「ゲームデザインの致命的な欠陥」なのか。どす恋まん花が、その核心を突かせていただきます。
作品概要

本作は、疫病により崩壊した文明の跡地で、生き残った人々を率いて新たな生活基盤を築く中世サバイバル・コロニーシミュレーションゲームです。
プレイヤーはわずか3人の旅人からスタートし、荒野を開拓して繁栄する城壁都市を作り上げることが目的です。3D地形ツールを駆使し、多層階の砦や地下洞窟などを自在に設計・建築可能。素材を集め、工房や生活空間を自分好みに作り上げることができます。
ゲームの核となるのは、個性豊かな「開拓者」たちの管理です。彼ら一人ひとりにはスキルや性格、欲求があり、適材適所で活躍させつつ心身のケアをすることで、集落の幸福度を高められます。一方で、世界は危険に満ちており、野盗や野獣の襲撃から拠点と住民を守らなければなりません。中世の技術を研究して装備を整え、戦略的に罠を設置するなどの軍事防衛も重要な要素です。
地形改変の自由度も高く、ランダム生成されたマップでクリエイティブな要塞作りからシビアなサバイバルまで、自分だけの物語を楽しめる作品です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ゲームタイトル | Going Medieval – ゴーイング・メディーバル |
| 発売日 | 2026年3月17日 |
| 開発元 | Foxy Voxel |
| 総レビュー数 | 20,636件 |
| 評価内訳 | 高評価: 18,424 / 低評価: 2,212 |
| 好評率 | 89% |
| 平均スコア | ★★★★☆ (4.5) / 5.0 |
| メタスコア | 76 / 100 |
| 日本語対応 | ✅ 対応 |
| 概要 | 大自然がふたたび支配者となった地で、自らの開拓地と城を作り、管理していきましょう。 『Going Medieval』には細部まで造りこまれたマネージメントシステム、生存戦略、そして調整可能なサンドボックスワールドが用意され、プレイヤーは荒廃した世界の片隅で無敵のコロニー造りに挑戦することとなります。 |
| 対応機種 | PC (Steam) |
データが示す不満の傾向

さて、ここからはデータに基づいた厳しい現実のお時間です。不満カテゴリの内訳を見ると、圧倒的な第1位は「バグ/最適化」となっています。これは、本作がバージョン1.0として正式リリースされたにもかかわらず、中身が「まだベータ版ではないか」という不信感をプレイヤーに与えていることを示唆しています。
「1.0」という看板の重みと現実
多くの低評価レビューが指摘しているのは、開発側が「完成した」と言い張る製品レベルに、最適化が追いついていない点です。特に、ハイスペックなPCを積んでいるプレイヤーですら、ゲームを開始した途端にグラフィックボードが悲鳴を上げ、ファンがジェットエンジンのように回転し始めるという報告が後を絶ちません。これは単なる描写の重さではなく、プログラムの根幹にある効率の悪さが原因でしょう。
崩壊する生活サイクルとAIの迷走
バグの矛先はハードウェアだけではありません。ゲーム内の「入植者の挙動」という、シミュレーションゲームにおいて最も重要な部分に致命的なグリッチが潜んでいます。たとえば、跳ね橋の上で入植者が謎の溺死を遂げたり、地形を突き抜けて地底に閉じ込められたり。これらは、入植者が「自分の意思で生活している」という没入感を真っ向から破壊します。
まん花も、網膜にゲームのUIが焼き付くほどプレイしてきましたが、丹精込めて育てた入植者が、自分で掘った穴から出られなくなって餓死する姿を見るたびに、キーボードを叩き折りたい衝動に駆られたものです。
(プレイ時間: 44時間) Just another early access game that released version 1.0, except it’s still an unpolished and buggy beta. Really disappointing because i was looking forward to coming back to the game when it was in a finished state. it’s not. Rimworld it is then, i guess.
(日本語訳:1.0としてリリースされたものの、未研磨でバグだらけのベータ版のままの、よくある早期アクセスゲーム。完成した状態に戻ってくるのを楽しみにしていたのに、そうではなかった。本当にがっかりだ。こうなると、やっぱりRimworldに戻るしかないかな。)
このレビューが示す通り、多くのユーザーは「Rimworldの中世3D版」を期待してやってきます。しかし、実際に出会うのは、ガワだけが綺麗な、中身のスカスカなバグの温床。この期待と現実の乖離が、不満の火種となっているのです。
開発側はアップデートを続けてはいますが、根本的なAIの経路探索アルゴリズムの脆弱さは、長期プレイにおいてプレイヤーの神経を確実に削り取っていきます。1.0という数字は、信頼の証であるはずなのに、本作においては「開発を一段落させたいという運営側の都合」のように見えてしまうのが悲しいところですね。
正式リリースという名の実質的な開発放置に近いクオリティが、ベテラン勢の逆鱗に触れている。
不満の元凶「Your」の分析

次に、頻出単語のデータを見てみましょう。興味深いことに、不満レビューの中で最も多く使われている言葉の一つが「Your(あなたの)」です。これに「They(彼らは)」という言葉が続きます。これが何を意味するか、ゲーマーの皆さんなら直感的に分かりますよね?
「あなたの」指示が届かない絶望
「あなたの(Your)入植者が~」「あなたの(Your)城が~」という語り口で語られる不満の多くは、プレイヤーの意図がゲーム内に反映されないフラストレーションから来ています。特に「優先順位(Priority)」システムが機能していないことへの言及が目立ちます。
本作のジョブ管理システムはRimworldを色濃く踏襲していますが、中身の挙動は天と地ほどの差があります。プレイヤーが「今はこれをやってくれ!」と指示を出しても、入植者たちは優先度の低い掃除を始めたり、遠くのベリーを摘みに行ったり。この「言うことを聞かない」というストレスが、頻繁な「Your Settler…」という愚痴に繋がっているのです。
「あなたの」時間が奪われる虚無感
また、この「Your」には、プレイヤーが費やした貴重な時間への後悔も含まれています。住民の寝息で自分の心拍数が同期するレベルまでやり込んだ者からすれば、数時間をかけて構築した「部屋(Room)」の判定が、突然置かれた壊れた家具一つで解除されてしまう理不尽さは耐え難いものがあります。
(プレイ時間: 37時間) The Rooms system is horribly implemented. (…) Sometimes it’s because there was a stored piece of furniture some how counting against what the room is. Other times you can have a wide open hole in the side of a shared chamber because you’re desperately trying to clear the rooms status, and it somehow still counts as a room.
(日本語訳:部屋システムの実装がひどすぎる。(中略)設置されていない、壊れた状態の家具が保管されているだけで、部屋の判定に悪影響を及ぼすことがある。逆に、部屋のステータスを解除しようと壁に大きな穴を開けても、なぜかまだ部屋としてカウントされ続けることもあるんだ。)
マイクロマネジメントの呪縛
このゲームは、自動化を楽しむはずのコロニーシムでありながら、実際には「入植者が勝手に死なないように監視し続ける」という超高度なマイクロマネジメントを強いてきます。プレイヤーは指揮官ではなく、常に幼稚園児の世話を焼く保母さんのような気分にさせられるのです。
この「操作の不便さ」が、「Your」という言葉を介して、ゲームとプレイヤーの間の深い溝を象徴しています。自分の戦略で勝利したという実感よりも、システムの不備を人力のクリック連打でカバーしたという疲労感の方が勝ってしまう構造。これこそが、本作が「神ゲー」になりきれない最大の障壁と言えるでしょう。
「あなたの意思」をゲームが拒絶し続けることで、プレイヤーの愛着は急速に冷え切っていく。
ユーザーが直面する現実

さて、データから離れて、実際のプレイフィールをもう少し深掘りしてみましょう。人生の半分を泥の壁作りに捧げたまん花の視点から言わせてもらえば、このゲームの真の恐怖は、建築が終わった後の「虚無」と、唐突にやってくる「理不尽」の二段構えにあります。
戦闘という名の作業、防衛という名のチーズ
本作の戦闘システムは、ハッキリ言って「未完成」の極みです。中世の攻城戦という魅力的なテーマを掲げながら、実際に有効な戦術は「キルゾーン(敵を一箇所に集める罠地帯)を作って、遠距離武器で引き撃ちする」という一点に集約されてしまいます。
近接戦闘は、ユニットが同じタイルに重なってしまうため、戦略も陣形もありません。ただの数値の叩き合いです。結果として、せっかく作った美しいお城を守るためには、景観を損ねるような「ハメ技用の迷路(チーズベース)」を作らざるを得なくなります。騎士道精神あふれる防衛戦を期待したプレイヤーは、ここで大きな失望を味わうことになります。
リソースの不条理な偏り
また、クラフト要素のバランスも首を傾げるものばかりです。例えば、熟練の鍛冶師が村にいたとしても、彼は「鉄の盾」を作ることができません。なぜか? 開発者が「木製の盾しか作れない設定」にしているからです。一方で、襲撃してくる野盗たちは立派な鋼鉄のタワーシールドを持って突っ込んできます。この非対称性は、難易度調整というよりは、単なる「設定の詰め込み忘れ」に見えてしまいます。
(プレイ時間: 140時間) 三回目までの襲撃までのスパンが結構短く、まともに研究も終わっていないので装備が無いのでほぼ勝てない。難易度イージーでこれすか…と。Youtubeなどで面白そう!と買った初心者プレイヤーはフルボッコにされて萎えちゃうと思います。
このレビューが物語るように、難易度のスケーリングが極端なのです。昨日はのんびり畑を耕していたのに、今日は装備も整わないうちに重武装の軍団が押し寄せてくる。この「死のサイクル」に入ると、もはやロードしてやり直す以外の選択肢が消えてしまいます。
空白の時間と、消えないバグ
さらに、ゲームが進むにつれて襲撃者が「梯子」や「バリスタ」を建設するようになりますが、この建設速度が驚くほど遅い。敵が何かを作っている間、プレイヤーは防衛ポジションで入植者を待機させ続けます。その間、入植者の空腹度は下がり、不機嫌になり、最終的には発狂します。敵が攻めてくる前に、自軍が内側から崩壊していく。これを「戦略的」と呼ぶのは、あまりに苦しい言い訳でしょう。
プレイヤーが最も輝くべき「防衛の瞬間」が、最も退屈でストレスフルな待ち時間に変わっているのは、ゲームデザイン上の悲劇です。
中世のロマンは、不親切なシステムと理不尽な時間経過の海に沈んでいる。
それでも支持される理由

ここまでボロクソに書いてきましたが、それでもまん花が指紋が消えてマウスと一体化した廃人になるまで本作を遊び続けているのには、相応の理由があります。不満を補って余りある「このゲームでしか味わえない脳汁ポイント」が確実に存在するのです。
Z軸(高低差)がもたらす唯一無二の達成感
本作の最大にして最強の武器は、3Dであることを活かした「縦方向の建築」です。Rimworldなどの平面的なコロニーシムでは絶対に不可能な、「地下深くの巨大な氷室(天然の冷蔵庫)」や、「雲を突くような多層構造の監視塔」を建設する楽しさは、他の追随を許しません。
石材を積み上げ、梁を通し、崩落に怯えながらも巨大な大聖堂を完成させた時の喜び。あのグラフィックで中世の街並みが形作られていく様は、一種の芸術と言っても過言ではありません。この「建築体験」の質において、Going Medievalの右に出る作品はそうそうないでしょう。
ロマン溢れる「築城」の奥深さ
特に築城における歴史的知見の再現性は、マニアを唸らせます。
高評価レビューでも熱く語られていますが、枡形虎口のような「敵を誘い込んで多方向から射掛ける」構造を3次元で設計できるのは、このゲームの真骨頂です。敵の投石機から城壁を守るために土塁を築き、矢狭間から矢の雨を降らせる。この「自分が歴史上の設計者になったような感覚」は、バグの多さを差し引いてもお釣りが来るほどの魅力です。
牧歌的な生活と過酷さのコントラスト
また、季節の移り変わりが非常に美しく、冬の厳しさが「生きている実感」を強くしてくれます。薪を用意し、保存食を蓄え、暖炉のそばで入植者たちが寄り添って眠る姿を見ていると、それまでの苦労がすべて報われるような気がするのです。
この「過酷なサバイバルの末に手に入れた、束の間の安らぎ」というエモーショナルな体験が、多くのプレイヤーを中毒に陥らせています。バグがあっても、挙動が怪しくても、「この城を、この家族を、最後まで守り抜きたい」と思わせる力が、本作の根底には流れています。
バグだらけの荒削りな原石だが、その中心には「究極の中世建築」という輝くダイヤモンドが埋まっている。
最終評価と購入ガイド
さて、どす恋まん花としての結論を出しましょう。
『Going Medieval – ゴーイング・メディーバル』は、「最高級の食材(中世建築×3D)を、不慣れなシェフが調理して、盛り付けだけ完璧にした料理」です。一口食べればその旨味に感動しますが、食べ進めるうちに砂を噛むようなジャリジャリとしたバグや、味付けの不備(バランスの悪さ)に顔をしかめることになるでしょう。
しかし、もしあなたが「完璧な完成度」よりも「中世の空気に浸りながら、自分だけの城を築き上げるプロセス」を愛せる人なら、本作は一生モノの相棒になり得ます。
✅ 購入をお勧めする人
- 「建築」こそがメインディッシュ。城郭の設計図を眺めているだけで白飯が食える人。
- 多少のバグやAIのポンコツさを「これも中世の不便さだ」と笑って許せる心の広い人。
- Rimworldに高低差が欲しくてたまらなかった、3D建築ジャンキーな人。
❎ 購入を避けるべき人
- ストレスのない、洗練された「1.0(完成版)」のゲーム体験を求めている人。
- 戦略的な「戦闘」や「陣形」を楽しみたい、タクティカル重視の軍師タイプな人。
- 入植者が言うことを聞かないと、マウスを投げ飛ばしたくなる短期な人。
皆さんの開拓地に、豊かな実りと(致命的でない程度の)適度な困難が訪れることを願っています。
以上、どす恋まん花でした!
執筆:どす恋まん花
