皆様、ごきげんよう。人気ゲームライターのどす恋まん花です。
本日お届けするのは、世界中のメトロイドヴァニアファンが首を長くして……いえ、首が千切れて触手になるほど待ち望んでいた一作、『GRIME II』の徹底レビューです。前作『GRIME』はその異形のアートスタイルと、敵を「吸収」して己の糧とするストイックなシステムで、我々ゲーマーに心地よい絶望を与えてくれました。
どす恋まん花も、前作には並々ならぬ愛を注いできました。今作『GRIME II』に関しても、寝食を忘れ、瞬きすら惜しみ、2000時間という膨大な歳月をこの暗黒の世界に捧げてまいりました。しかし、愛しているからこそ、見過ごせない「歪み」があるのも事実です。
巷では高評価も目立ちますが、その裏で渦巻く「低評価」の嵐。果たしてこのゲームは、芸術的な神ゲーなのか、それとも単なる理不尽なクソゲーなのか? まん花がその真実に鋭く切り込んでいきたいと思います。
作品概要

「GRIME II」は、前作で高い評価を得たメトロイドヴァニア風アクションアドベンチャーの続編です。プレイヤーは「フォームレス」として、敵を吸収し、その姿を「モールド」として召喚するユニークな能力を操ります。
ゲームの舞台は、危険と驚異に満ちた新たな世界。戦闘システムの中核をなすのは、倒した敵から得られる「モールド」です。これを特殊攻撃として活用し、敵を投げたり、炎を放ったり、スタンさせたり、味方として召喚したりと、多様な戦術を繰り出します。さらに、周囲の環境を利用して敵にダメージを与えたり、安全な距離を取ったりすることも可能で、敵も同様に環境を活用してくるため、戦略的な思考が求められます。
また、触手を使った敵の攻撃を弾く「パリィ」や、敵を引き寄せて吸収する「グラスプ」といったアクションを駆使し、奥深い戦闘体験を提供します。これらのアビリティや武器、防具、 senior してモールドの組み合わせによって、プレイヤーは自分だけのプレイスタイルを自由に構築できます。
広大な世界には、描かれた釘や巨大な花瓶でできたような独特のアートスタイルが広がり、各地には独自の文明や文化、個性的なキャラクターが存在します。プレイヤーは強力な敵やボスを打ち倒しながら、隠された秘密を暴き、世界の深部を探検していきます。フォームレスの能力を最大限に活かし、多様な戦術で困難を乗り越え、謎に満ちた世界を探索する骨太なアクションアドベンチャーです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ゲームタイトル | GRIME II |
| 発売日 | 2026年3月31日 |
| 開発元 | Clover Bite |
| 総レビュー数 | 754件 |
| 評価内訳 | 高評価: 606 / 低評価: 148 |
| 好評率 | 80% |
| 平均スコア | ★★★★☆ (4.0) / 5.0 |
| 日本語対応 | ✅ 対応 |
| 概要 | ありとあらゆる形を盗む、シュルレアリスムのようなアクションアドベンチャーが楽しめるメトロイドヴァニア「GRIME II」。いくつもの手が絡み合った触手を伸ばして敵を吸収し、吸収した形を召喚しながら、芸術に憑りつかれた奇妙な世界を探索しよう。 |
| 対応機種 | PC (Steam) |
データが示す不満の傾向

本作に対する不満の声は、決して無視できるレベルではありません。まん花が独自に集計したデータ1「不満カテゴリの内訳」を見ると、その傾向は一目瞭然です。最も多いのは「操作性/戦闘」の29件、次いで「ボス/敵の強さ」の28件。この2大項目だけで、不満全体の約4割を占めています。
なぜ、アクションゲームの命とも言える操作性と戦闘が、これほどまでに叩かれているのでしょうか。それは、開発側が用意した「新しい遊び」と、プレイヤーが求める「快適な攻略」の間に、深い溝があるからです。
今作ではスタミナ制が廃止され、代わりに「フォース」というゲージシステムが導入されました。一見すると、自由に攻撃や回避ができるようになったかのように思えますが、実際にはアクションの終わりに意図的な硬直が差し込まれており、これがプレイヤーの「動かしている感」を著しく損なっています。特に入力遅延を感じさせるような挙動や、敵の攻撃判定がこちらのグラフィックを無視して通り抜けてくる「理不尽な当たり判定」は、網膜にゲーム画面が焼き付くほどやり込んだプレイヤーほど、その違和感に憤りを感じるはずです。
また、新システム「モールド」についても、序盤は新鮮で楽しいものの、後半になるにつれて敵のHPスケーリングに性能が追いつかず、結局は「地味な通常攻撃とパリィを繰り返すだけ」という、前作以上に窮屈な戦いを強いられる点が指摘されています。
(プレイ時間: 30時間) Don’t let the first 5-10 hours of the game fool you, the remainder of this game is a buggy mess full of overly punishing enemies, awkward control schemes and bloated bosses that often feel unfinished.
(日本語訳:最初の5〜10時間に騙されないでください。残りの部分はバグだらけで、過剰に罰則的な敵、ぎこちない操作体系、そして未完成に感じる肥大化したボスに満ちています。)
このレビュアーが指摘するように、序盤の完成度は非常に高いのです。しかし、中盤以降、プレイヤーがゲームに慣れてきた頃を見計らったかのように、設計の粗さが顔を出し始めます。特に対数人の乱戦において、自キャラが画面外からの攻撃で成すすべなく溶けていく様は、まさに「調整不足」の一言に尽きます。
プレイヤーが求めていたのは「洗練された死闘」であり、「システムの欠陥による事故死」ではありません。
アクションの選択肢は増えましたが、その一つひとつに実用性が欠けていたり、リスクとリターンが見合っていなかったりする点は、熱心なファンであればあるほど、その裏切りに胸を痛めることでしょう。
期待が大きかった分、中盤以降の「大味なバランス調整」がプレイヤーの心を折っているのです。
複雑化しすぎたパリィのジレンマ
前作の肝であったパリィですが、今作では「ダッシュカウンター」や「グラスプ」など、似たようなタイミング入力を求めるアクションが複数追加されました。これが戦闘の幅を広げるどころか、混乱を招いています。敵の攻撃色によって対処法を変える必要があり、それが一瞬の判断を遅らせます。さらに、成功したはずのパリィが敵の「多段ヒット」によって無効化されるバグに近い挙動も散見され、コントローラーのボタンが陥没するほど使い込んだ熟練者ですら、首を傾げざるを得ないシーンが多いのです。
モールド召喚の形骸化
敵の形を写し取る「モールド」は、本作最大の目玉でした。しかし、強力なボス相手にはダメージが通らず、雑魚敵に対してはわざわざ召喚するよりも直接殴ったほうが早いという、ジレンマを抱えています。戦略的な楽しさを提供するはずのシステムが、単なる「収集要素」に成り下がっているのは、非常にもったいないと言わざるを得ません。
不満の元凶「跳跳乐」の分析

データ2の頻出単語ランキングで、圧倒的1位に輝いた言葉をご存知でしょうか。それは「跳跳乐」。中国語で「ジャンプアクション」や「プラットフォーマー要素」を指す言葉ですが、本作のレビューにおいては、皮肉と怒りを込めたニュアンスで使われています。
メトロイドヴァニアにおいて、ジャンプアクションは不可欠な要素です。しかし、『GRIME II』のそれは、もはやアクションゲームの枠を超え、精密な操作をミリ単位で要求する「修行」の域に達しています。それも、中盤以降のメインルートにこれでもかと詰め込まれているのです。
指紋がなくなるほどコントローラーを握り、針の穴を通すようなジャンプを繰り返す。一度のミスで即死、あるいは遥か手前のチェックポイントまで戻される。この「ランバック(復帰)」の長さが、プレイヤーの精神をガリガリと削っていきます。マップはOregon州ほども巨大なのに、セーブポイントは砂漠のオアシスのように希少。このアンバランスさが、探索の楽しさを「移動の苦痛」へと変えてしまっています。
(プレイ時間: 46時間) 策划母亲怀他的时候就在跳跳乐,出生的时候父亲还在跳跳乐,以至于策划长大做出的东西也只会跳跳乐。主线塞那么多跳跳乐,丝之歌也没有这么干啊。
(日本語訳:企画者の母親は妊娠中に跳跳乐(ジャンプアクション)をしていたに違いないし、生まれた時も父親は跳跳乐をしていたんだろう。だから成長して作ったものも跳跳乐ばかりなんだ。主線にこれほど多くの跳跳乐を詰め込むなんて、『シルクソング』だってそんなことしないぞ。)
この痛烈な批判からもわかる通り、特に中国のユーザーコミュニティでは、過剰なアスレチック要素が「ゲームのテンポを阻害する悪」として忌み嫌われています。メトロイドヴァニアを楽しみたいのであって、高難易度ジャンプアクションを攻略したいわけではない、という層にとって、本作の後半戦はまさに地獄絵図と言えるでしょう。
「跳跳乐」地獄は、探索のワクワク感を、次に何が来るかわからない恐怖へと変質させてしまいました。
さらに追い打ちをかけるのが、視認性の悪さです。流砂や動く足場、そして画面を覆い尽くすエフェクトの数々。自分が今どこにいて、どこへ飛べばいいのかすら判別がつかない状況で、初見殺しのギミックが襲いかかります。これは「挑戦」ではなく、ただの「嫌がらせ」ではないか? そう感じてしまうプレイヤーが続出するのも無理はありません。
「探索」を期待したプレイヤーに「精密機械のようなジャンプ」を強要したことが、最大のミスマッチです。
巨大すぎる「虚無の空間」
本作のマップデザインは、美しさと引き換えに「機能性」を失っています。無駄に長い通路、何もない長方形の部屋。そこをダッシュで駆け抜けるだけの時間が長く、その果てに待っているのが再びの「跳跳乐」であれば、プレイヤーが虚無感に襲われるのは必然です。
リトライの設計ミス
本作は「デスペナルティがない」ことを謳っていますが、実質的なペナルティは「時間」です。死ぬたびに数分間のマラソンを強いられる設計は、現代のゲーマーにとって最大のストレス要因。ショートカットの開通やファストトラベルの制限が厳しすぎる点が、この問題をさらに悪化させています。
ユーザーが直面する現実

ここで、一人のプレイヤーが経験するであろう「地獄の数時間」を具体的に描写してみましょう。三途の川の渡し賃をすべて課金したくなるほど絶望的な、ある日のプレイ風景です。
あなたは今、中盤の難所「ペイントの荒野」にいます。目の前には、不規則に動く針のついた足場と、触れるだけで即死する緑の霧。背後からは、こちらの防御を無視して突進してくる雑魚敵の群れ。やっとの思いで足場を渡りきった瞬間、画面外から飛んできたブーメランのような攻撃に当たり、あなたは奈落の底へ。
次に目覚めるのは、5分前に立ち寄ったきりのセーブポイント。そこから再び、あの退屈な長い廊下を走り、同じジャンプアクションを繰り返さなければなりません。途中でバグにより自キャラが壁に埋まり、強制終了。再起動すると、さっき手に入れたはずのレア武器が消えている……。
これは決して誇張ではありません。人生の半分を捧げたと言っても過言ではないほどゲームを愛する私ですら、モニターを叩き割りたくなるような瞬間が何度もありました。
(プレイ時間: 37時間) К сожалению чем дальше в игру- тем больше в ней багов: кривые хитбоксы шипов и способностей персонажа превращают платформинг в тест на терпение( я провалил его). Локации огромные, но полупустые- если сдох то бежать ОЧЕНЬ долго.
(日本語訳:残念ながら、ゲームを進めれば進めるほどバグが増えていきます。トゲの歪んだ当たり判定やキャラクターのアビリティのせいで、プラットフォーム要素は忍耐力のテストと化しています(私はそれに落ちました)。ロケーションは巨大ですが中身は空っぽで、死ぬと戻るのが非常に長いです。)
ロシアのプレイヤーが嘆くように、当たり判定の不一致は致命的です。「今のは避けていたはずだ」という不信感が一度芽生えると、ゲームへの没入感は一気に霧散します。
理不尽な死の積み重ねは、達成感ではなく「ようやく終わったという疲労感」しか生み出しません。
特に深刻なのは、ボス戦における「多段ヒット」の存在です。回避後の無敵時間が極端に短いため、一度攻撃を食らうと、その後の連続攻撃をすべて受けてしまい、満タンだったHPが一瞬でゼロになる。これでは、どんなにステータスを強化しても意味がありません。開発側は「難易度が高い」ことと「理不尽である」ことの区別を、今一度考え直すべきではないでしょうか。
バグと不親切な設計が、プレイヤーの「攻略意欲」という最も尊いリソースを奪っています。
翻訳の壁とNPCの迷走
日本語翻訳についても触れなければなりません。本作のテキストは、哲学的なのか単に支離滅裂なのか判別しがたい箇所が多く、次にどこへ行くべきかの指示すら読み解けないことがあります。「ブレス」なのか「呼吸」なのか統一されていない用語、意味不明なカタカナの羅列。物語の深淵に触れたいと思っても、言語の壁がそれを阻むのです。
強化素材の枯渇という罠
多様な武器が用意されている一方で、それらを強化するための素材は極端に制限されています。一度選んだ武器が「実は産廃だった」と気づいても、手遅れ。特に大型武器のモーションが遅すぎてボス戦で使い物にならないという現実に直面した時、プレイヤーは「最初からやり直す」か「苦行を続ける」かの二択を迫られます。
それでも支持される理由

ここまで手厳しく批判してきましたが、それでも『GRIME II』が「圧倒的不評」に陥らないのは、このゲームにしかない抗いがたい魅力があるからです。骨の髄までフォームレスになりきったまん花が、その輝きについても語りましょう。
まず、アートスタイル。これは唯一無二です。巨大な花瓶、絡み合う手足、芸術品がそのまま生命を持ったかのようなクリーチャー。一歩足を踏み入れるたびに「なんじゃこりゃ……!」という驚きと恐怖が襲ってくる体験は、他のゲームでは絶対に味わえません。不気味でありながら、どこか神々しさすら感じさせるビジュアルは、まさに動く美術館です。
そして、パリィが決まった瞬間の快感。スタミナが廃止されたことで、攻撃のテンポ自体は非常に良くなっており、噛み合った時の「俺、今最強かも」という全能感は、前作を遥かに凌駕します。
欠点だらけで、不器用で、理不尽。しかし、この世界でしか得られない「猛毒のようなカタルシス」が確かに存在します。
また、移動アクションの豊富さも特筆すべき点です。グラップル、空中ダッシュ、壁登り。これらがスムーズに繋がった時のスピード感は、メトロイドヴァニアの中でもトップクラス。問題は、その素晴らしいアクションを「嫌がらせのようなギミック」にぶつけてしまったことにあるのです。
開発のClover Biteは、間違いなく「もっと面白くしたい」「もっとボリュームを増やしたい」という熱意を持っていました。ファストトラベルの早期解禁や、武器の特殊攻撃の強化など、前作の不満点を改善しようとした跡もしっかりと見受けられます。
粗削りな天才が作った「呪いの芸術品」――それが本作の正体なのかもしれません。
フォースシステムの可能性
スタミナ廃止は、本来なら英断でした。攻撃を続けることでダメージにボーナスが乗る「フォース」の仕組みは、アグレッシブなプレイを推奨しており、ビルドの構築次第では驚異的な火力を叩き出すことも可能です。このシステムを活かせるバランス調整さえあれば、神ゲーへの道も遠くはなかったはずです。
唯一無二のサウンドデザイン
不気味な世界観を補完する重厚なBGMと、敵を粉砕した時の粘り気のあるSE。これらが組み合わさることで、プレイヤーの五感は常に刺激され続けます。ヘッドホン推奨。この音響体験だけでも、一度は触れてみる価値があると言えるでしょう。
最終評価と購入ガイド
さて、長々と語ってまいりましたが、どす恋まん花の結論をお伝えします。
『GRIME II』は、「最高のアートと最低のストレスが同居する、極めて人を選ぶ怪作」です。
前作が好きで、どんなバグや理不尽な死にも耐えられる強靭なメンタルをお持ちの方なら、この歪んだ世界は最高の遊び場になるでしょう。しかし、快適な操作性や親切なガイド、納得感のある難易度を求める方にとっては、本作はただの苦痛に満ちた「時間の浪費」になりかねません。
購入を迷っている方は、以下のチェックリストでご自身の「適性」を確認してみてください。
✅ 購入をお勧めする人
- シュルレアリスムやグロテスクなアートに目がなく、世界観だけで白飯が食える人
- 数時間のランバックを「修行」として楽しめる、鋼の意志を持ったドMゲーマー
- パリィの一瞬の火花に命を懸け、試行錯誤の果ての勝利に脳汁が出る人
❎ 購入を避けるべき人
- 「難易度が高い」のと「当たり判定がガバガバ」なのは別物だと考える、合理的なプレイヤー
- 精密なジャンプアクション(跳跳乐)にストレスを感じやすく、コントローラーを大切にしたい人
- バグや未翻訳のテキストに遭遇すると、一気に興ざめしてしまう完璧主義者
今の『GRIME II』は、まだ「未完の芸術」です。今後、数多のパッチによって「跳跳乐」の緩和やバグ修正が行われれば、真の神ゲーに化ける可能性を秘めています。しかし、今のところは、覚悟を持った者だけが足を踏み入れるべき、暗く深い、そしてあまりにも理不尽な深淵なのです。
以上、どす恋まん花がお送りいたしました。それでは皆様、良い悪夢を。
執筆:どす恋まん花
