皆さん、ご機嫌よう。人気ゲームライターのどす恋まん花です。
本日取り上げるのは、一部のコミュニティで熱狂的な視線を浴びつつも、レビュー欄が阿鼻叫喚の図頭と化している話題作『Guns and Nuns: Storming Hell』です。修道女が二丁拳銃で地獄を舞うという、中二心をこれでもかとくすぐる設定に、まん花も期待に胸を膨らませて……気づけばこのタイトルを2000時間もやり込んでしまいました。
しかし、冷静にデータを見つめると、本作は「神ゲー」と「クソゲー」の極細な境界線の上でタップダンスを踊っているような危うい魅力を放っています。なぜこれほどまでに低評価が積み上がっているのか。やり込み勢としての熱量と、ライターとしての冷徹な視点で、その深淵を解き明かしていきましょう。
作品概要

『Guns and Nuns: Storming Hell』は、修道女アンジェリカ・アマデウスが2羽の黄金の砂漠の鷲(デザートイーグル)と共に地獄を冒険する、昔ながらの純粋なアーケードFPSです。プレイヤーは、信仰の力と多種多様な銃器を駆使し、奇妙な重力場が広がる異様な環境で悪魔を殲滅していきます。
本作のゲームシステムは、ハイスコアとスピード感を重視した設計が特徴です。各マップには時間制限が設けられており、タイムアップになる前に悪魔をできるだけ多く倒すことが目的となります。マップ中に点在する砂時計を破壊することで、プレイ時間を延長することが可能です。悪魔を素早く連続で倒していくとコンボチェーンが発生し、コンボ数が増えるほど獲得スコアが大幅に上昇します。さらに、一定時間内に悪魔を倒し続けると、主人公アンジェリカが「聖なる時間」モードへと突入。彼女は一時的にサイコパスへと変貌し、武器が大幅に強化されると共に、この状態で悪魔を倒すことで追加のボーナスポイントが得られます。
ゲームプレイは「弾薬や複雑なストーリーはなく、ゲームプレイだけ」を掲げ、純粋なアクション体験に集中できます。独自の重力システムが導入されており、これにより地形の上下左右が入り乱れるような、個性豊かなマップ探索が楽しめます。ステージは「大罪」をテーマにした7つの奇妙なマップで構成され、それぞれ異なる種類の悪魔が登場します。バトルを盛り上げる美しいメロディアスなロックBGM、ローポリゴンの美学で描かれる独特なビジュアル、そして7種類の多彩な武器を使い分ける戦略性も魅力です。
『Guns and Nuns: Storming Hell』は、スピーディーな戦闘とスコアアタック要素、そしてユニークな世界観が融合した、爽快感あふれるFPS体験を提供します。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ゲームタイトル | Guns and Nuns: Storming Hell |
| 発売日 | 2026年4月3日 |
| 開発元 | RM120 |
| 総レビュー数 | 357件 |
| 評価内訳 | 高評価: 311 / 低評価: 46 |
| 好評率 | 87% |
| 平均スコア | ★★★★☆ (4.4) / 5.0 |
| 日本語対応 | ✅ 対応 |
| 概要 | 悪魔は危険ではない、あなた自身が危険だ! 信仰と銃の力を持つ修道女、アンジェリカ・アマデウスを操作せよ。奇妙な重力場が広がる奇想天外なステージで、思う存分悪魔を倒せ。ハイスコアを狙って新たなステージや武器をアンロックし、忌々しい悪魔たちに正しい場所を教え込もう。 |
| 対応機種 | PC (Steam) |
データが示す不満の傾向

本作に対する不満の内訳を見ると、もっとも多いのが「バグ/最適化」に関する声です。これは単に「ソフトが落ちる」といった単純な話ではありません。この地獄の戦場に人生の半分を捧げたまん花の目から見ても、本作の最適化不足はゲーム体験を根本から揺るがすレベルに達しています。
荒削りすぎる「重力」という名の暴力
本作の最大の特徴である「重力システム」は、残念ながら不満の温床にもなっています。プレイヤーが意図しないタイミングで壁や天井に吸い寄せられ、視界が激しく回転する。この挙動が、多くのプレイヤーにとって「探索の楽しさ」ではなく「三半規管への攻撃」として機能してしまっているのです。
特に、マップ「Lust(色欲)」においては、進行方向が直感的に理解できず、試行錯誤という名の「迷子」を強要される作りになっています。開発側が意図した「非ユークリッド的な面白さ」が、ユーザー側には「不親切なレベルデザイン」として受け取られている現状があります。
敵AIの単調さと物量によるゴリ押し
次に挙げられるのが、敵の挙動の単純さです。データ2の頻出単語にあるように、”Enemies”という言葉がこれほど多く語られるのは、彼らが「賢い強敵」ではなく「単なるノイズ」として処理されているからに他なりません。
敵は一様にプレイヤーに向かって直線的に突き進んでくるだけで、戦略性は皆無です。それが重力異常のマップと組み合わさると、どこから攻撃されているのか分からないまま、物量で押し潰されるという理不尽な体験に繋がります。
(プレイ時間: 1時間) Fun but very flawed. This game has a lot of premise but it needs more time in the oven. The gravity mechanic is very disorienting and the game feels like it has a lot of jank. Most weapons feel too samey and not being able to swap between them in the middle of a level is a very unfortunate thing.
(翻訳:楽しいが非常に欠陥が多い。このゲームは多くの前提を持っているが、もっと練り直す時間が必要だ。重力の仕組みは非常に混乱を招き、ゲーム全体にガタが来ているように感じる。ほとんどの武器は似通っており、レベルの途中で武器を切り替えられないのは非常に残念だ。)
このように、期待値が高いからこそ、システムの未完成さにプレイヤーの心が折れてしまうケースが後を絶ちません。
武器の差異が感じられず、戦略を立てる余地がない。それはアーケードライクな爽快感を標榜する本作にとって、致命的な欠陥と言わざるを得ないでしょう。
本作は「未完成の地獄」をそのままパッケージ化したような危うさを抱えています。
不満の元凶「哈哈哈」の分析

さて、データ2の棒グラフを見て、誰もが首を傾げたことでしょう。圧倒的1位を記録している謎の単語「哈哈哈(ハハハ)」。30回という出現頻度は、”Enemies”や”Gravity”を遥かに凌駕しています。
修道女の「高笑い」が招く狂気
実はこれ、ゲーム画面下部に鎮座する主人公アンジェリカのフェイスアイコンに関連しています。彼女は「聖なる時間」に入ると狂ったように高笑いし、その演出が一部のプレイヤーを苛立たせ、あるいは恐怖させているのです。
この「笑い声」は、単なる演出の枠を超えています。ゲームプレイが単調になればなるほど、響き渡る高笑いはプレイヤーの焦燥感を煽るBGMへと変貌します。操作キャラクターが楽しそうであればあるほど、操作している人間がストレスを感じるという、奇妙な解離現象が発生しているのです。
操作性の欠如を笑いで誤魔化している?
一部の批判的な意見では、この過剰な演出が「中身のなさを隠すための虚飾」であると断じられています。親の顔より見た画面でさえ、この高笑いが響く瞬間に「今、自分は何をさせられているんだ?」という虚無感に襲われることが、まん花にもあります。
特に、敵が壁に埋まったり、空中で静止したりといったシュールなバグが発生している最中に、画面下のシスターが「哈哈哈」と笑い続けている光景は、もはやホラーです。
(プレイ時間: 0時間) 我很难将此作品称为一款游戏。这个游戏的唯一玩法就是在重力混乱的空间里,对着蜂拥而来的小怪按住左键。……游戏中的唯一亮点可能只有正下方模仿老doom的会时不时狂笑的修女头像了。
(翻訳:これをゲームと呼ぶのは難しい。唯一の遊び方は、重力が混乱した空間で、押し寄せる雑魚敵に向かって左クリックを押し続けることだけだ。……唯一のハイライトは、画面下にある、時々狂ったように笑うオールドDOOM風の修道女のアイコンくらいだろう。)
このレビューが指摘するように、ゲームプレイが「左クリックの押しっぱなし」に終始している状況では、高笑いさえも空虚なノイズに成り下がってしまいます。
演出がゲーム体験をブーストさせるのではなく、単調さを強調する皮肉な装置になっている。これは開発者が最も恐れるべき事態ではないでしょうか。
「哈哈哈」という笑い声は、プレイヤーの理性を削り取る精神攻撃と化しています。
ユーザーが直面する現実

このゲームを指紋がなくなるほど遊び尽くした者として言わせてもらえば、本作の難易度は「挑戦的」という言葉では片付けられません。それは「理不尽」という名の暴力です。
視覚情報の飽和と混乱
ゲームを開始して数分で、多くのプレイヤーが直面するのが「視覚的混乱」です。赤い空、赤い敵、そして激しく明滅するエフェクト。そこに急激な視点回転が加わります。ダメージインジケーターが存在しないため、自分がどこから撃たれているのか、あるいは単に重力に翻弄されて地形ダメージを受けているのかさえ判然としません。
敵のデザインも問題です。初期ステージの敵は背景に溶け込みやすく、視認性が極めて悪い。そのくせ、彼らはプレイヤーの頭上にテレポートしたかのように出現し、文字通り「頭皮をかじる」ような距離でスタックします。
「虚無」の時間と設計の矛盾
さらに深刻なのは、コンボを維持しなければならないゲーム性でありながら、敵のAIがバカすぎて「壁の中に引きこもる」という事態が頻発することです。コンボを繋げたいのに、敵が勝手に壁や床に埋まって出てこない。その結果、何もない空間を彷徨い、コンボが途切れるのをただ眺めるだけの時間が生まれます。
また、マップ「Gluttony(暴食)」でのタイム制限ミッションは、多くのプレイヤーに「作者への呪い」を吐かせるほどのストレスを与えています。
(プレイ時間: 0時間) The automatic gravity changing makes just trying to move around or dodge enemies physically nauseating because you’re being flipped and turned around every quarter-second. ……It should’ve been a fun gimmick for schmovement but it’s so badly done that it’s a dealbreaker.
(翻訳:自動的な重力変化のせいで、移動や敵の回避を試みるだけで物理的に吐き気がする。コンマ数秒ごとに反転させられ、振り回されるからだ。……本来なら爽快な移動のための楽しいギミックになるはずだったが、あまりに出来が悪すぎて、それだけで購入を断念するレベルだ。)
物理的な「吐き気」を催させるゲーム。それはもはや娯楽の域を超え、肉体的な試練と言っても過言ではありません。
期待して飛び込んだプレイヤーが、数分でリファンド(返金)を選択するのも、ある意味で賢明な判断と言えるでしょう。このゲームは、プレイヤーを歓迎するのではなく、拒絶することに特化しているようにさえ見えます。
移動すること自体が苦痛に変わる瞬間、このゲームは娯楽としての死を迎えます。
それでも支持される理由

ここまでボロクソに書いてきましたが、それでも本作には87%という高い好評率(母数は少ないですが)と、まん花のような三度の飯よりリロードを愛する廃人を惹きつけてやまない魅力があるのも事実です。
抗いがたい「雰囲気」の勝利
本作の魅力は、その「ローポリゴンの美学」と「不謹慎な世界観」の幸福な結婚にあります。90年代のレトロFPSへのリスペクトを感じさせるビジュアルと、メタルでメロディアスなBGMが合わさった時、本作は唯一無二の輝きを放ちます。
「細かいことはいいから、尼僧で悪魔をブチ殺せ!」というIQの低い(褒め言葉です)コンセプトに全振りした姿勢は、今の洗練されすぎたゲーム業界において、ある種の清涼剤として機能しています。
「聖なる時間」の快感
システムの不備を乗り越え、コンボを繋いで「聖なる時間」に突入した瞬間の全能感は、確かに存在します。武器が強化され、画面が狂気に染まる。その瞬間だけは、プレイヤーもアンジェリカと同じようにサイコパス的な快感に身を委ねることができるのです。
この「一瞬の爆発的な楽しさ」のために、他のすべての不条理を許容できるか。そこが本作を楽しめるかどうかの分水嶺となります。
伸びしろという名の希望
本作はまだ開発の初期段階、あるいは磨き込みが足りない状態であることは明白です。しかし、コンセプト自体は非常にユニークです。重力システムを洗練させ、敵のAIを改善し、武器の切り替えが可能になれば……それは化ける可能性を秘めています。
現状、本作を支えているのは「このバカバカしくも熱いゲームが、いつか真の神ゲーになること」を信じている、奇特で愛すべき信者たちの熱量なのです。
まん花も、その一人であることを否定しません。この地獄のような操作感の先に、時折見える「完璧な射撃体験」が、私をこの戦場に繋ぎ止めています。
欠陥だらけのシステムを熱量でねじ伏せる、歪んだ愛の形がここにあります。
最終評価と購入ガイド
『Guns and Nuns: Storming Hell』は、万人にお勧めできる完成度の高い作品ではありません。むしろ、現状では多くの人にとって「金と時間をドブに捨てる」体験になる可能性が高いでしょう。
しかし、あなたが「洗練されたAAAタイトル」に飽き飽きし、三半規管が鋼鉄のように頑丈で、理不尽な重力の乱れを「神の試練」として楽しめる稀有なゲーマーであれば、この地獄は最高の遊び場になるはずです。
どす恋まん花としては、本作を「劇薬」と評価します。正しく扱えば強烈な興奮剤となりますが、一歩間違えれば激しい嘔吐と後悔を招くでしょう。購入を検討している方は、以下のリストを胸に刻んで、地獄への門を叩いてください。
✅ 購入をお勧めする人
- 「尼僧×銃×地獄」というコンセプトだけで白飯が3杯食べられる人
- どんなに画面が回転しても酔わない、宇宙飛行士のような三半規管の持ち主
- 未完成の荒削りなインディーゲームを、愛を持って見守れる寛大な心の持ち主
❎ 購入を避けるべき人
- 直感的でスムーズな操作性こそがFPSの命だと信じている人
- 3D酔いしやすく、激しいカメラ回転に生理的な嫌悪感がある人
- 「10ドルの価値」に対して、完成されたバグのない体験を求める人
執筆:どす恋まん花
