皆様、ご機嫌よう。人気ゲームライターのどす恋まん花(どすこいまんか)ですわ。
ついに、あの伝説的ローグライクの続編『Hades II』が私たちの前に姿を現しました。前作が世界中で絶賛され、数々のゲーム・オブ・ザ・イヤーを総なめにしただけに、期待値は天を突き抜けるほど高まっていたのは言うまでもありません。
かくいう、まん花も、このシリーズには2000時間という、もはや冥界の住人と言っても過言ではないほどの時間を捧げてまいりました。発売日から今日まで、食事と睡眠以外はすべてこのゲームに注ぎ込んできた自負がございます。
しかし、蓋を開けてみれば、驚異的な高評価の裏側で、一部の熱心なプレイヤーから「低評価」の痛烈な叫びが上がっているのも事実です。なぜこれほどの傑作が、一部でこれほどまでに拒絶されているのか?
本日は、蓄積されたデータと、指紋が消え失せるほどコントローラーを握りしめてきた一人のゲーマーとしての視点から、その「不満の正体」に鋭くメスを入れていきたいと思いますわ。
作品概要
まずは、本作の基本的なデータを確認しておきましょう。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ゲームタイトル | Hades II |
| 発売日 | 早期アクセス開始済み(正式リリース日不明) |
| 開発元 | Supergiant Games |
| 総レビュー数 | 113,658件 |
| 評価内訳 | 高評価: 108,755 / 低評価: 4,903 |
| 好評率 | 96% |
| 平均スコア | ★★★★★ (4.8) / 5.0 |
| 日本語対応 | あり(非常に高品質) |
| 概要 | 冥界の王女メリノエが、時のタイタン「クロノス」を討つために戦うローグライク・アクション。 |
| 対応機種 | PC (Steam) |
データが示す不満の傾向

データ1の不満カテゴリの内訳を見ると、最も多いのが「ストーリー/テンポ」の22件です。次いで「ボス/敵の強さ」「理不尽な難易度」が並んでいます。
好評率96%という驚異的な数字を叩き出している一方で、なぜこれほどまでに「ストーリーやテンポ」に不満が集中しているのでしょうか。
前作との「化学反応」の欠如
前作『Hades』の魅力は、単なるアクションの爽快感だけではありませんでした。主人公ザグレウスと、彼を取り巻く神々、そして父ハデスとの間に流れる「小気味よい会話」と「複雑な家族関係」が、繰り返される死に彩りを与えていたのです。
しかし、今作の主人公メリノエは、ザグレウスに比べると非常に真面目で、ストイックです。師匠ヘカテとの関係も、訓練された師弟という側面が強く、前作のような「皮肉たっぷりの家族喧嘩」を期待していたプレイヤーにとっては、少し温度差が激しすぎるのかもしれません。会話のボリュームは増えているものの、その中身が「義務感」や「使命感」に寄りすぎてしまい、プレイのテンポを阻害していると感じる層がいるようです。
冗長に感じられる拠点でのサイクル
今作では拠点で「菜園」や「釜(カマ)」を用いたクラフト要素が大幅に強化されました。これが、純粋にアクションだけを楽しみたいプレイヤーにとっては、テンポを削ぐ「作業」として映っています。特定の素材を手に入れるために、何度も同じステージを走り、釣りや採掘に勤しむ。この「リソース管理」の重みが、前作の軽快さを愛していた人たちには重荷となっているのです。
(プレイ時間: 17時間) Тот редкий случай, когда разработчики взяли всё, что нравилось в первой части, удвоили его количество, но на выходе получился продукт, который просто не интересно проходить из-за неинтересных персонажей и химии между ними, что являлось краеугольным камнем первой части. Так что, контента может и стало больше в 2 раза, но проходить его стало в 2 раза унылее.
(日本語訳:開発者が前作の要素をすべて取り入れ、量を2倍にしたものの、キャラクターやその間の化学反応が面白くないために、単にプレイするのが苦痛になってしまった稀なケース。コンテンツは2倍かもしれないが、進める楽しさは2倍虚無になっている。)
このように、コンテンツの増加が必ずしも「面白さの増加」に直結していないという指摘は、人生の半分を冥界で過ごしてきたまん花にとっても、無視できない鋭い指摘だと感じます。
期待が大きすぎたゆえの「ボリュームの罠」に陥っているプレイヤーは少なくありません。
不満の元凶「Hades」の分析

データ2の頻出単語を見ると、「Hades」という単語が82回と圧倒的に使われています。これは、低評価レビューの多くが「前作(Hades I)」と比較して本作を語っていることを示唆しています。
「前作」という名の巨大な壁
続編の宿命ではありますが、本作はあまりにも偉大すぎる前作と比較され続けています。レビューで「Hades」と繰り返されるのは、決して作品名への言及だけではありません。それは「前作ではこうだったのに」「前作の方が気持ちよかった」という、郷愁と不満の混ざった叫びなのです。
特に戦闘バランスにおいて、メリノエの動きはザグレウスよりもやや重厚に設計されています。新システム「オメガ技」を軸にした立ち回りは、チャージ時間を必要とするため、前作の「超高速でダッシュし、連打で敵をなぎ倒す」スタイルとは異なります。この「手触りの変化」が、旧作の操作感に慣れ親しみ、眼球にUIが焼き付いて離れないほどのめり込んだファンにとって、違和感という名のストレスになっているのです。
「First」と比較される武器と功徳
頻出単語に「First(36回)」が入っているのも象徴的です。前作の武器や功徳(スキル)に比べて、今作の構成はより複雑で、シナジーを構築する難易度が上がっています。
一部のプレイヤーは、「前作のようなシンプルで強力なビルドが作りにくい」「どの武器もギミックに寄りすぎていて、直感的な楽しさに欠ける」と嘆いています。特に序盤の火力の低さや、特定の素材を集めないと武器が強化できないシステムは、前作を「最高のアクションゲーム」として愛していた層には、不必要な制限と感じられてしまうようです。
(プレイ時間: 203時間) A sharp step down from the first game. The narrative is directionless and pointless despite a strong premise. Every new character introduced is either boring or irritating. The gameplay is repetitive and spammy while never living up to the sheer fun of the first game. The ending is so terrible it makes me regret having purchased this game. If you liked Hades and want more, then just go replay the original.
(日本語訳:前作から大きく劣化した。設定は強固だが、物語は方向性を見失い無意味。登場する新キャラは退屈かイライラするかのどちらかだ。ゲームプレイは反復的でガチャプレイ感が強く、前作のような純粋な楽しさには決して及ばない。エンディングはあまりに酷く、買ったことを後悔するレベル。もし前作が好きで同じものを求めているなら、オリジナルをやり直したほうがいい。)
203時間もやり込んだプレイヤーがここまで言い切る背景には、単なる好みの問題を超えた、システム設計への深い落胆が見て取れます。
「前作の正統進化」を望んだファンほど、変化の痛みに耐えきれなかったのかもしれません。
ユーザーが直面する現実
では、低評価レビューを投稿した方々が、実際にどのような「地獄」を見ているのか。その具体的なシーンを描写してみましょう。
視認性の欠如と理不尽な死
多くのやり込みプレイヤーが指摘するのが、「視認性」の問題です。特に高難易度(「誓約」による強化状態)において、画面はエフェクトの嵐と化します。メリノエが放つ華やかな魔術の光と、敵が放つ真っ赤な攻撃予兆。これらが重なり合った時、プレイヤーは「何に当たって死んだのかわからない」という、アクションゲームとして最も致命的な感情を抱くことになります。
特に後半のボス戦において、画面を埋め尽くす弾幕や、背景に溶け込むような攻撃モーションは、色覚に制限がある方だけでなく、健康な視力を持つ者にとっても「回避不能の理不尽」として襲いかかります。心臓の鼓動がサウンドトラックと同期するほどの極限状態において、視覚的な混乱でリザルトを台無しにされる絶望感は、計り知れません。
虚無の素材集めと「壁」
また、ストーリーを進めるために必要な「素材」の入手経路が分かりにくいという点も、フラストレーションを加速させています。
「あの強化に必要な素材はどこにあるのか?」「なぜ、アクションを楽しみたいだけなのに、冥界の端っこで海草(ドリフトウッド)を探し回らなければならないのか?」
こうした「探索」や「採掘」に時間を奪われる感覚は、一度でも前作の洗練されたループを体験した者には、不純物が混ざったように感じられてしまうのです。特にボスの体力が非常に高く設定されているため、十分な強化(メタ成長)が済んでいない状態では、一戦一戦がひたすら長く、疲弊だけが蓄積していく「虚無の時間」へと変貌してしまいます。
(プレイ時間: 48時間) Unbelievably ♥♥♥♥♥♥ bosses. Espescially Chronos. Especially his second phase. The whole screen is littered with projectiles, flashes, enemies and other garbage, so you can’t see ♥♥♥♥ all the while the boss constantly attacks you for a ♥♥♥ ton of damage with attacks you can’t see or predict. Absolutely atrocious boss design considering you need to spend 20 to 30 minutes just to get to him. ♥♥♥♥♥♥♥ waste of time.
(日本語訳:信じられないほどクソなボス共だ。特にクロノス。特に奴の第二形態。画面全体が弾幕、フラッシュ、雑魚敵、その他のゴミで埋め尽くされ、何も見えない。その間もボスは予測も視認もできない攻撃で大ダメージを与えてくる。たどり着くまでに20分から30分かかることを考えると、あまりに劣悪なボスデザインだ。クソみたいな時間の無駄だ。)
この叫びは、難易度の高さそのものへの不満ではなく、その難易度が「技術」ではなく「画面の見づらさ」や「理不尽な数値設定」に依存していることへの怒りでしょう。
情熱を捧げた先に待っているのが「納得感のない死」であったとき、愛は憎しみへと反転するのです。
それでも支持される理由
ここまで不満点を中心に語ってきましたが、周知の通り、本作は「96%の好評率」を誇るモンスタータイトルです。不満を抱くプレイヤーがいる一方で、多くの人が本作を「至高の続編」と称えています。
芸術的極みに達したプレゼンテーション
まず、グラフィック、音楽、そしてキャラクターデザインの質は、他の追随を許さないレベルに達しています。前作の鮮やかなスタイルを継承しつつも、より「魔術的」で「幻想的」な深みを増したビジュアルは、ただ眺めているだけで溜息が出るほどです。
特筆すべきは、日本語ローカライズの圧倒的な質です。神々の傲慢さ、慈愛、そして複雑な感情の機微を、これほどまでに見事な語彙で翻訳したチームには、敬意を表さずにはいられません。テキストを読むこと自体がプレイの動機になる。これは、アクションゲームとしては稀有な体験です。
試行錯誤が楽しい新システム
「オメガ技」や「アルカナカード」によるビルド構築は、理解が進むほどにその真価を発揮します。
前作が「反射神経と勢い」のゲームだったとするなら、今作は「戦略とリソース管理」のゲームへと深化しました。どの素材を集め、どのカードをセットし、どの魔術をチャージするか。その試行錯誤のプロセスそのものが、ローグライクの本質的な楽しさを見事に体現しています。
膨大なボリュームと「生きた」世界
早期アクセス段階でありながら、前作の完成版を遥かに凌駕する圧倒的なボリュームが実装されています。訪れることができる場所、出会うことができる神々、そして変化し続ける拠点。プレイヤーが投げ出したくなるほどの「壁」がある一方で、その壁を乗り越えた先に見える景色が、あまりにも美しいからこそ、多くの人は再びコントローラーを握ってしまうのです。
指紋が摩耗し尽くすほどやり込んだとしても、まだ新しい発見がある。この底知れない奥行きこそが、Supergiant Gamesが提示した「続編」の答えなのでしょう。
『Hades II』は、安易な焼き直しを拒絶し、あえて困難な道を選んだ勇敢な野心作なのです。
最終評価と購入ガイド
結論として、どす恋まん花は本作を「万人向けではないが、一度ハマれば抜け出せない究極の毒」だと評価します。
前作の幻影を追いすぎると、変化したシステムや重厚なテンポに戸惑うかもしれません。しかし、本作を「全く新しい冥界の物語」として受け入れる準備ができているならば、これ以上の体験はないでしょう。
✅ 購入をお勧めする人
- 前作の世界観が好きで、より深く、複雑になったシステムを攻略したい人
- 圧倒的な美しさのグラフィックと、最高品質の日本語翻訳に浸りたい人
- 「理不尽な難易度」を乗り越えることに快感を覚える、骨太なゲーマー
❎ 購入を避けるべき人
- 前作の「シンプルで高速な爽快感」だけを求めている人
- 素材集めやクラフトといった「アクション以外の手間」が嫌いな人
- 視覚的な情報の整理が苦手で、エフェクトの多さにストレスを感じる人
皆様の冥界の旅が、どうか実りあるものになりますよう。
執筆:どす恋まん花
