『灰の予言』レビュー|2000時間の末に見えた低評価の正体と愛憎の深淵

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ごきげんよう、どす恋まん花です。
今回は、巷で話題のダークファンタジーRPG『灰の予言』について、じっくりとお話ししようと思います。本作は、あの名作『バルダーズ・ゲート3』へのリスペクトを随所に感じさせる意欲作として注目を集めていますが、Steamのレビュー欄を覗くと、なかなかスパイシーな意見が飛び交っていますね。

まん花はこの作品に対し、実に2000時間という、もはや生活の一部と言っても過言ではない膨大な時間を捧げてきました。ラタラン王国の隅々まで歩き尽くし、聖炎の教義を暗唱できるほどにやり込んだ一人のゲーマーとして、巷の低評価レビューが抱える「痛み」と、その裏にある「光」をフェアに、そして鋭く分析していきたいと思います。

目次

作品概要

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本作は、善悪の境界が曖昧なダークファンタジー世界を舞台にした、選択が運命を左右するターン制戦術RPGです。プレイヤーは、「聖炎」を至上の法とするラタラン王国で、秩序を維持する「聖律裁決庁」の伝令として冒険を開始します。しかし、機密文書の伝達が発端となり、過激な復讐を企む反乱勢力「赤き炎兄弟団(燼裔と呼ばれる種族)」に追われる身となります。

ゲームの核となるのは、腐敗しながらも安定を保つ教会に忠誠を尽くすか、それとも破壊をもって全てを変えようとする赤き炎兄弟団の側に立つかという、プレイヤーの重大な決断です。あなたの選択やロールプレイ要素が、王国の歴史と物語の行方に深く影響を与え、唯一無二の冒険を形作ります。

システム面では、多様な勢力から仲間を集めてチームを編成し、戦略的な「ターン制戦術バトル」を展開します。魔法、武器の種類、そして地形の利点を巧みに活用することが勝利の鍵となります。キャラクターはスキル、魔法、装備の道筋を自由に選択して成長させることが可能で、聖戦士や神秘の魔術師など、プレイヤーのプレイスタイルに合わせて育成できます。

広大な世界には、廃墟や村、戦禍の街など多様な土地が存在し、それぞれに王国の歴史とプレイヤーの未来に結びついた物語が隠されています。種族や信仰の違いから生じる激しい衝突を体験し、道徳と信仰の狭間で苦渋の決断を下しながら、あなた自身の正義を見つけ出す旅となるでしょう。

項目 内容
ゲームタイトル 灰の予言
発売日 2026年1月30日
開発元 hhyuGame
総レビュー数 66件
評価内訳 高評価: 55 / 低評価: 11
好評率 83%
平均スコア ★★★★☆ (4.2) / 5.0
日本語対応 ✅ 対応
概要 『灰燼の聖預言』:ダークファンタジー戦術CRPG。聖裁庁の審判と灰の末裔の復讐に挟まれた密使となれ。仲間を集め、ターン制戦闘で地形と魔法を活用せよ。選択がラタランの運命を再構築する:秩序を護るか、破滅を焚べるか。
対応機種 PC (Steam)

データが示す不満の傾向

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※集計サンプル数: 11件

本作に対する不満の声を分析してみると、最も大きな割合を占めているのが「バグと最適化」に関する問題です。全不満カテゴリの約3割に達するこの項目は、プレイヤーが没入感を削がれる最大の要因となっています。特に、親の顔より見たロード画面や、何度も遭遇する不自然なエラーは、熱心なファンであっても匙を投げたくなる瞬間があるのは否定できません。

バグと最適化の泥沼

ゲームを起動するたびに「今日は無事に動くだろうか」と祈るような気持ちになるのは、現代のゲーム体験としては少々酷なものです。本作においてバグは単なる表示の乱れにとどまらず、進行不可に直結するものが散見されます。クエストフラグが正しく更新されないため、目的地に到達しても何も起きない、あるいは渡されたはずの重要アイテムがインベントリから消失しているといった事態は、まさに「灰」となって消え去りたいほどの絶望感をプレイヤーに与えます。

さらに、最適化の不足も深刻です。特定のエリアに入るとフレームレートが極端に低下し、ターン制のはずの戦闘でコマンド入力すらままならない場面に遭遇することもあります。これはPCのスペック云々ではなく、ゲームエンジン側の処理の問題であることが多く、開発側の技術的な未熟さが露呈してしまっている部分と言えるでしょう。

翻訳の不備が招く混乱

日本語話者にとって特に深刻なのが、翻訳の精度です。本作は「日本語対応」を謳っていますが、その実態は機械翻訳のままであり、文脈が通じないどころか、固有名詞が場所によって異なるという致命的なミスが含まれています。例えば、あるクエストで「亡命者の海岸(Exile’s Shore)」へ行けと指示されながら、マップ上の名称は「放浪者の砂浜(Vagrant Beach)」になっているといった具合です。これでは、プレイヤーは謎解き以前に言語の迷宮を彷徨うことになります。

PoA, at the time of review, is currently plagued by a variety of technical issues. I have encountered multiple crashes, graphical glitches, and certain quest flags not updating. The most annoying issue is the inconsistent translation. Certain abilities and many quest titles are not translated at all, and far worse, area and character names are mismatched.
(PoAはレビュー時点で、様々な技術的問題に悩まされている。複数のクラッシュ、グラフィックの不具合、そして特定のクエストフラグが更新されない事態に遭遇した。最も苛立たしい問題は、一貫性のない翻訳だ。特定のアビリティや多くのクエストタイトルが全く翻訳されておらず、さらに悪いことに、エリア名やキャラクター名が一致していない。)

このように、翻訳の不備は単なる「読みにくさ」を超えて、ゲームプレイそのものを阻害する物理的な障壁へと進化してしまっています。物語が重視されるCRPGにおいて、この欠陥は、どれほど美しい設定を構築しても、プレイヤーの心に届く前に霧散させてしまう非常に惜しいポイントなのです。

技術的な未熟さが、せっかくの重厚な世界観を灰に帰している現状は、あまりにも勿体ないと言わざるを得ません。

不満の元凶「Which」の分析

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※集計サンプル数: 11件

データ2の頻出単語を見ると、興味深いことに「Which」が18回と最多を記録しています。これは、プレイヤーが本作の「選択(Which choice)」に対して、強い疑問や不満を抱いていることの表れだと、どす恋まん花は分析します。本作は「あなたの選択が運命を決める」というテーマを掲げながら、その実態は極めて限定的であり、プレイヤーに十分な裁量(Agency)を与えていないという指摘が相次いでいます。

選択肢がもたらす空虚な葛藤

プレイヤーが直面するのは、「どちらの勢力に味方するか(Which side to take?)」という問いです。しかし、やり込んだプレイヤーなら、三食の飯よりこの世界を練り歩いた経験から断言できますが、その選択の結果は、その場限りの戦闘状況の変化に留まることが多いのです。ある村で教会の騎士を助けたとしても、数時間後の大きなイベントでは、その善行が全く無視されたかのような展開が待っている。これでは、プレイヤーは「自分の選択に何の意味があったのか(Which meaning my choice had?)」と虚無感に襲われてしまいます。

特に仲間キャラクターとの対話において、この「Which」の呪いは顕著です。仲間のネクロマンサーに対して、どれほど冷酷な態度をとっても、あるいは聖職者の前で神を冒涜するような発言をしても、結局のところ「好感度(Affinity)」という数値が微増減するだけで、彼らがパーティーを離脱したり、信念をぶつけ合ったりするようなドラマチックな展開は希薄です。

操作感とUIのストレス

また、「どのスキルを使うべきか(Which skill to use?)」という戦術的な判断においても、不親切なUIが足を引っ張ります。スキルの説明文が曖昧で、特定のキーワードが何を意味するのか、敵の耐性がどうなっているのかを確認する術がほとんどありません。プレイヤーは暗闇の中でダイスを振るような感覚を強いられ、戦略を練る楽しさよりも、「システムを推測する」苦労を強いられることになります。

I may choose to side with paladins or a mercenary guild, and it will determine which NPCs are friendly to me in that combat situation but have virtually no repercussions further. … Similarly, your actual agency during companion dialogue is similarly vapid… Any of these will advance their stories and keep them in your party just fine.
(私はパラディンか傭兵ギルドのどちらかに味方することを選択できるし、それはその戦闘状況においてどのNPCが味方になるかを決定するが、それ以上の影響は実質的にない。……同様に、仲間のダイアログにおける実際のプレイヤーの主体性も同様に空虚であり、どの選択肢を選んでも彼らのストーリーは進み、パーティーに留まる。)

結局のところ、多くの「Which」が使われている背景には、開発側が用意した一本道のレールと、プレイヤーが求める自由度との間の乖離が存在しています。選択肢という皮を被った単なる「ルート分岐」に過ぎない現状は、コアなRPGファンであればあるほど、裏切られたという感覚を強く持たせてしまうのでしょう。

選択という名の自由は、あまりにも薄っぺらな書き割りであり、プレイヤーの熱量を吸収するには力不足です。


ユーザーが直面する現実

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眼球が干からびるほどテキストを読み込み、この世界の隅々を探索したまん花が目にしたのは、設計上の致命的な「理不尽」に直面し、立ち尽くすプレイヤーたちの姿でした。特に序盤の成長曲線と、戦闘における「運」の要素が、新規プレイヤーにとっての巨大な壁となっています。

絶望の成長曲線と理不尽なダイス

多くの低評価レビューで指摘されているのが、レベル7付近で発生する急激な難易度上昇です。このレベルに達すると、敵の多くが「1ターンに2回攻撃」を繰り出すようになります。しかし、プレイヤー側のキャラクターが十分な防御手段や、それに対抗できる火力を備える前にこの変化が訪れるため、昨日まで互角に戦えていた雑魚敵に、一方的に蹂躙されるという事態が発生します。

さらに、戦闘システムの根幹にある「ダイスロール」の挙動も、不満の火に油を注いでいます。命中率90%と表示されながら、三連続で外れるといった現象は日常茶飯事であり、逆に敵は驚異的な精度でクリティカルを連発してくる。格下のクモ一匹に、運悪く攻撃が当たり続けて全滅するような体験は、もはや戦術RPGというよりは「運試しゲーム」のような印象をプレイヤーに与えてしまいます。

誘導なき迷宮での虚無

また、クエストのガイドが極めて不親切な点も無視できません。目的地の指示が「村の東に行け」といった抽象的なものに留まり、実際にそこへ行っても何も見つからない。実は特定のNPCにもう一度話しかけなければフラグが立たないといった、昭和のRPGのような理不尽な足止めが随所に配置されています。アイテムの合成についても説明が皆無で、特定のクエストアイテムをどう使えばいいのか分からず、何時間もマップを彷徨うことになります。

幽默的命中率无敌的格挡0伤害,战斗系统也用掷骰子机制使我被1滴血的天选之子无敌幸运小蜘蛛大帝拿下,战斗力高低看你的运气给我气笑了。 乱七八糟的自动存档手动存档能干出几十个存档…
(ユーモア溢れる命中率に無敵のブロック0ダメージ。戦闘システムもダイス判定メカニズムのせいで、残りHP1の『天選の子』にして『無敵の幸運小蜘蛛大帝』に倒され、戦力の高さが運次第であることに笑いが出てきた。めちゃくちゃなオートセーブと手動セーブで、数十個のセーブデータが作られるし……)

こうした状況下で、プレイヤーは「自分が悪いのではなく、ゲームの仕様によって負かされている」という感覚を強く持ちます。これが続けば、どれほど忍耐強いゲーマーであっても、コントローラーを置きたくなるのは当然の帰結でしょう。戦術的な試行錯誤を楽しむ余裕すら奪う、調整不足のゲームバランスこそが、低評価の真の正体なのです。

理不尽なダイスと不親切な導線は、プレイヤーの努力を冷笑し、その貴重な時間を虚無へと変換してしまいます。

それでも支持される理由

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ここまで厳しいことばかりを並べてきましたが、それでも『灰の予言』が高評価83%という数字を維持しているのは、指紋が消滅するほどキーボードを叩きつけた私のような廃人たちを惹きつけて離さない、ある種の「魔力」があるからです。

1,000円以下の奇跡と熱意

まず、特筆すべきはそのコストパフォーマンスです。セール時には1,000円を切る価格で販売されており、この価格帯でこれほど本格的なCRPG体験を提供しているゲームは他に類を見ません。本作はなんと1人の開発者によって作られているという事実もあり、その執念とも言える作り込みには、多くのプレイヤーが(バグに憤りながらも)敬意を表しています。

不完全ながらも、BG3へのリスペクトを込めたシステムを個人レベルで実装し、ダークファンタジーの陰鬱な空気感を見事に表現している点は、大型タイトルのような洗練さはありませんが、作り手の体温が感じられる「インディーの魂」が宿っています。

自由度とリスペクトの結晶

また、すべてが悪いわけではありません。イベントの解決方法が複数用意されている点は、真の意味でのロールプレイを愛する層から高く評価されています。正面突破の戦闘だけでなく、話術を駆使して戦闘を回避したり、地形を利用して有利な状況を作り出したりといった「解法を探る楽しさ」は、往年の名作RPGに通ずるものがあります。

キャラクター造形についても、特にメインヒロインや仲間のポートレートは美麗であり、彼女たちの織りなす(翻訳が不自由な中での)物語には、どこか懐かしく、そして引き込まれる不思議な魅力があります。

このゲームは未完成の傑作であり、その粗削りな情熱こそが、多くのゲーマーに「見捨てられない」と思わせる理由なのです。


最終評価と購入ガイド

さて、どす恋まん花としての結論を申し上げましょう。『灰の予言』は、決して万人にお勧めできる「完成された神ゲー」ではありません。むしろ、バグや理不尽なバランスに耐えられる、選ばれし修羅たちのための「磨けば光る原石(ただし、トゲだらけ)」です。

しかし、そのトゲの痛みを乗り越えた先にある、ダークな世界観と戦略性の片鱗は、1,000円という対価を支払う価値が十分にあると私は断言します。今後のアップデートで最適化と翻訳が進めば、本作は真の化ける可能性を秘めています。

✅ 購入をお勧めする人

  • バグや不親切さを「開発者との対話」として楽しめる鋼の精神の持ち主
  • 『バルダーズ・ゲート3』のようなシステムを低価格で手軽に味わいたい人
  • ダークファンタジーの陰鬱な世界観にどっぷりと浸かりたい廃人予備軍

❎ 購入を避けるべき人

  • 洗練されたUIや、親切丁寧なチュートリアルを絶対条件とする人
  • 運要素の強い戦闘にストレスを感じ、100%の実力で勝ちたい人
  • 機械翻訳の不自然な日本語に耐えられず、没入感が削がれてしまう人

皆さんも、もし覚悟があるのなら、この灰の世界へ足を踏み入れてみてはいかがでしょうか?
どす恋まん花でした。


執筆:どす恋まん花

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