「英雄」たちの帰還を、私たちはどれほど待ちわびたことでしょうか。
皆様ごきげんよう、どす恋まん花です。この界隈で石を投げれば当たる、あるいは魔術で氷漬けにされる程度には名の知れた、ただのゲーム廃人でございます。今回筆を執りましたのは、伝説的ストラテジーシリーズの最新作『Heroes of Might and Magic: Olden Era ヒーローズ・オブ・マイト・アンド・マジック:オルデン・エラ』について。
正直に申し上げましょう。まん花は本作をすでに2000時間やり込んでおります。
この数字を見て「えっ、まだ発売して間もないのでは?」と思った貴方、鋭いですね。ですが、このシリーズの狂信者にとって、時間は円環を描くもの。眠る時間を削り、食事を忘れ、PCの前で石像のように固まり続けた結果、私の体内時計はすでにこのゲームのターン制に完全に同期してしまいました。
本作はSteamでの評価こそ「非常に好評(91%)」という圧倒的な数字を叩き出していますが、その裏側にある「380件の低評価」にこそ、このゲームが抱える致命的な歪みと、開発陣への愛憎入り混じる叫びが隠されています。今日は一人のゲーマーとして、その「闇」の部分を容赦なく暴いていこうと思います。
作品概要

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ゲームタイトル | Heroes of Might and Magic: Olden Era ヒーローズ・オブ・マイト・アンド・マジック:オルデン・エラ |
| 発売日 | 2025年(早期アクセス開始) |
| 開発元 | Unfrozen |
| 総レビュー数 | 4,169件 |
| 評価内訳 | 高評価: 3,789 / 低評価: 380 |
| 好評率 | 91% |
| 平均スコア | ★★★★☆ (4.5) / 5.0 |
| 日本語対応 | 公式対応あり(UI・字幕) |
| 概要 | シリーズ25周年を記念し、名作『III』の精神を継承した正統派ターン制ストラテジー。 |
| 対応機種 | PC (Steam) |
伝説の復活か、それとも亡霊の再来か
本作は、あの伝説的な『HoMM3』の成功をもう一度現代に再現しようという、非常に野心的なプロジェクトです。開発を担当するのは、かつて『Iratus: Lord of the Dead』を手掛けた精鋭チーム。彼ら自身がシリーズの熱狂的なファンであり、「UBIに自ら企画を売り込んだ」という逸話があるほど熱量が高いのが特徴です。
早期アクセスという免罪符
現在、本作は早期アクセス(EA)という形をとっています。これは「未完成品であることを承知で買ってね」という宣言でもありますが、プレイヤーにとっては、期待値が高い分だけ「なぜこれが直っていないのか」という憤りにつながりやすい諸刃の剣でもあります。
データが示す不満の傾向

さて、データを見てみましょう。不満カテゴリの内訳では「バグ/最適化」と「マップ/探索」が同率1位(各12件)となっています。これは、このゲームの根幹部分がまだ激しく揺れ動いていることを示唆しています。
バグと最適化の泥沼
特に深刻なのは、マルチプレイヤーにおける同期ズレや、アニメーション速度の設定がホスト以外に反映されないといった、「基本的なインフラ」の欠如です。早期アクセスだから許される、というレベルを超えて、プレイヤーを実質的なデバッグ作業員として扱っているのではないかという疑念すら抱かせます。
クラッシュして数時間の進捗が消える。ヒーローの攻撃がクリックしても反応しない。こうした「操作のたびに発生する小さなストレス」の蓄積が、古参プレイヤーの逆鱗に触れているのです。
マップ生成の「テンプレート縛り」
もう一つの大きな不満点である「マップ/探索」ですが、これはランダムマップ生成器(RMG)の仕様に起因しています。本作のRMGはテンプレートに基づいた生成に限定されており、『HoMM3』の時のように「完全に予測不能な混沌としたマップ」を楽しむことができません。
これは、競技性を重視した結果なのかもしれませんが、一人でじっくり世界を探索したい層にとっては「翼をもがれた鳥」のような窮屈さを感じさせる要因となっています。
Buggy mess, I’m so tired of paying money to beta test their ♥♥♥♥ for them. Wait until the game is fixed, don’t buy early access games, especially from these ♥♥♥♥♥.
(バグだらけのゴミ。彼らのクソみたいなテストのために金を払うのにはもう飽き飽きだ。ゲームが修正されるまで待て。早期アクセスのゲーム、特にこいつらからは買うな。)
(プレイ時間: 8時間)
このレビュアーの怒りは、まさに正論です。期待が大きかったからこそ、未完成な部分が「裏切り」として映ってしまう。まん花も、この画面を親の顔より見つめ続けてきた人間として、その痛みは痛いほどよくわかります。
早期アクセスという名の「有料ベータテスト」に耐えられない者は、今すぐ引き返すべきだ。
不満の元凶「не」の分析

頻出単語データを見て、私は驚愕しました。トップに君臨するのはロシア語の否定語「не(~ない)」で、その回数は56回。これは「что(何が)」や「на(~に)」といった基本語を大きく引き離しています。
「ない」尽くしのユーザー体験
ロシア語圏は本シリーズの聖地とも言える場所ですが、そこからの批判が「не」に集約されているのは象徴的です。「не работает(機能しない)」「невозможно(不可能)」「не понятно(理解できない)」。
特に操作感において、この「ない」が牙を剥きます。右クリックで詳細が見られない、ユニットのスペックを確認しようとしてもポップアップが出ない。現代のUIとして当然備わっているべき「情報の透明性」が徹底的に欠如していることが、この否定語の山を築き上げたのです。
ストレスのメカニズム
例えば、敵の強さを確認しようとしても具体的な数値が表示されず、突撃してみたら一瞬で全滅させられる。あるいは、スキルの説明が不十分で、貴重なスキルポイントを無駄にする。こうした「情報不足による失敗」は、戦略ゲームにおいて最も理不尽な体験です。
まん花も、もはや指紋がなくなるほどマウスをカチカチと連打していますが、知りたい情報にたどり着けないもどかしさは、砂漠で水を探すような乾きを心に与えます。
Нет возможности загрузить игру и продолжить сессию, если она была запущена изначально с другом в онлайн-режиме, отчего доиграть партию невозможно, даже если произошел дроп соединения.
(オンラインモードで友人と始めたセッションをロードして再開することができないため、接続が切れたら最後、対戦を最後まで進めることは不可能だ。)
(プレイ時間: 8時間)
このレビューにある「再開できない」という仕様は、長時間プレイが前提のこのジャンルにおいて致命傷と言えます。数時間の努力が無に帰す瞬間、プレイヤーの心の中に「не(もうやらない)」という言葉が刻まれるのです。
「できない」の積み重ねが、プレイヤーの情熱を氷点下まで冷却している。
ユーザーが直面する現実
本作において、最も多くのプレイヤーを絶望させているのは、バグではなく「AIの不正」です。多くのレビュアーが「Easy設定なのに、AIが数週間で数倍の軍勢を連れてくる」と証言しています。
AIという名の「魔王」
想像してみてください。あなたは資源を丁寧に集め、城を計画的に発展させ、最強の布陣を作り上げたと確信しています。難易度は「Easy」。ゲームの基本を学ぶための、平和な散歩道のはずでした。
ところが、第3週。マップの端から現れたAIヒーローは、あなたが逆立ちしても雇えないような数の高ティアユニット(ドラゴンやヒドラなど)を数百体連れています。このAIは経済のルールを無視し、虚空から軍勢を召喚しているのではないか――そう疑いたくなるほどの物量差です。
これは「難しい」のではなく「理不尽」です。戦略を練る余地すら与えられず、ただ数字の暴力で押しつぶされる。それはもはやゲームではなく、一方的な処刑です。
虚無の待ち時間
さらに、魔法のバランス調整も議論の的となっています。「リザレクション(復活)」などの強力な呪文に長いクールダウンが設けられたことで、かつての「無傷で連勝する」という爽快なプレイスタイルが否定されました。
一回の戦闘中に一度しか魔法が使えない、あるいは次の発動まで数ターン待たされる。その間、プレイヤーはただ敵に殴られる自分の兵士を眺めることしかできません。私の人生の半分を捧げたと言っても過言ではないこのシリーズにおいて、これほど「無力感」を味わわされたのは初めてかもしれません。
AI had four times high tier (T5m T6) units as I had and hundreds of lower tier. … The resume is that AI is blatantly cheating. Big time.
(AIは私が持っているユニットの4倍のティア5、6ユニットと、数百体もの下位ユニットを持っていた。……結論として、AIは露骨にチートをしている。大規模にだ。)
(プレイ時間: 16時間)
16時間やり込んだプレイヤーがたどり着いた結論が「チート」であるという事実は、非常に重いものです。開発側は「マルチプレイヤーのアルゴリズムを使用しているため」と弁明するかもしれませんが、カジュアルに楽しみたいプレイヤーにとって、それはただの地獄でしかありません。
「Easy」が「Hard」の意味をなさない時、ゲームの公平性は死に絶える。
それでも支持される理由
これほどまでに不満が噴出していながら、なぜ「非常に好評」を維持できているのか。そこには、不満を補って余りある「魔力」が潜んでいるからです。
シリーズへの愛が生んだ「奇跡」
本作のグラフィックは、一部で「モバイルゲームのようだ」と揶揄されつつも、実際にプレイしてみると非常に色彩豊かで、幻想的な世界観を見事に構築しています。特に城の内部のデザインは圧巻で、『III』のあのワクワク感を2025年のクオリティで再定義しようとする熱意が細部から伝わってきます。
開発チームのUnfrozenは、コミュニティの声を聞く姿勢が非常に強いことでも知られています。現在の低評価の多くが「バランス」や「バグ」に集中しているということは、逆に言えば「土台となるゲーム性自体は面白い」ということの裏返しでもあります。
戦略の深淵、その片鱗
魔法のクールダウン制限や、ユニットのアップグレード選択肢の増加などは、対人戦(PVP)をよりスリリングにするための挑戦です。古参プレイヤーが慣れ親しんだ「必勝パターン」をあえて壊すことで、新しい戦略の地平を切り拓こうとしている。その勇気を評価する声も少なくありません。
まん花も、脳の皺がすべてヘックスタイルに書き換わるほど本作を研究しましたが、新しいスキルツリーやヒーローの育成要素には、過去作にはなかった「選択の苦しみ」と「発見の喜び」が詰まっています。
日本語翻訳の質が非常に高いことも、我々日本のファンにとっては大きな救いです。かつて英語の壁に阻まれて物語を理解できなかったあの頃とは違い、今はジャダム大陸の歴史を隅々まで味わうことができる。これは一つの感動です。
不満の嵐を抜けた先に、ストラテジーの真の聖域が姿を現す。
最終評価と購入ガイド
『Heroes of Might and Magic: Olden Era』は、現在、非常に激しい「成長痛」の中にあります。
AIの異常な強さやバグ、そして過去作との決別を強いる新システム。これらは確かに痛みを伴いますが、その根底にあるのは、シリーズを停滞から救い出し、もう一度世界の中心に据えようとする開発者の執念です。
どす恋まん花としての結論はこうです。
「貴方がもし、不完全な神を愛せるなら、今すぐ買うべきだ。だが、完璧な奉仕を求めるなら、正式リリースまで眠りにつきなさい」
✅ 購入をお勧めする人
- 『HoMM3』の精神的続編を20年待ち続けてきた、筋金入りのシリーズファン
- 不条理な難易度を「壁」として楽しみ、それを崩すことに快感を覚えるストラテジー廃人
- 日本語でじっくりとマイト&マジックの世界観に浸りたい探索者
❎ 購入を避けるべき人
- 「Easy」は本当に「簡単」であってほしいと願う、ストレスフリーな体験を求める人
- 早期アクセス特有のバグや、頻繁なバランス調整に耐えられない安定志向のプレイヤー
- 『HoMM3』のシステムから1ミリでも変わることを許容できない、保守的な伝統主義者
執筆:どす恋まん花
