ごきげんよう、ゲームの深淵を覗き込みすぎて、もはやゾンビの呻き声が子守唄に聞こえるようになってしまったライター、どす恋まん花です。
本日取り上げるのは、Steamで話題を振りまいているゾンビサバイバル『HumanitZ』。この作品、一見すると「クォータービュー版のDayZ」や「グラフィックの良くなったProject Zomboid」という、サバイバル好きには堪らない看板を掲げているのですが……蓋を開けてみれば、評価の海は荒れに荒れています。
まん花はこの荒廃した世界に、2000時間という、人生の貴重な一部を文字通り「投棄」してきました。それだけの時間をこの世界で過ごせば、もはやどの建物のどの角にバグが潜んでいるか、どのzeek(ゾンビ)が物理法則を無視して襲ってくるかまで、手に取るように分かります。
今回は、単なる表層的なレビューに留まらず、なぜ本作がこれほどまでに「低評価」を突きつけられているのか、そしてその不満の裏側に隠された、抗いがたい「魔力」について、徹底的に解剖していきたいと思います。購入を迷っているそこのあなた、この記事を読み終えるまで、その財布は閉じておいたほうが賢明かもしれませんわ。
作品概要

「HumanitZ」は、ゾンビ(zeek)が蔓延し人類文明が崩壊した終末世界を舞台にした、クォータービューのオープンワールド・サンドボックスサバイバルゲームです。プレイヤーは、絶滅の危機に瀕した人類の生存者として、この過酷な新世界を生き抜くことを目指します。
広大なオープンワールドでは、物資豊富な都市や未開の荒野を探索します。都市には危険なzeekの群れが潜み、田舎では狩り、釣り、農業を通じて自給自足の生活を築くことが可能です。生き残るためには、飢えや寒さ、ダイナミックに変化する天候システムにも対応し、常に食料や資源の確保が求められます。感染した野生動物や敵対的な生存者「バンディット」との遭遇も日常茶飯事であり、探索は危険と隣り合わせです。
ゲームシステムの中核をなすのは、自由度の高いクラフトと建築です。武器や装備、消耗品を自作するだけでなく、アタッチメントや改造で武器をカスタマイズし、車両を装甲や武装、収納力で強化することも可能です。また、安全な拠点を一から建設したり、廃墟を修復して住処にしたりと、様々な防衛設備(電撃フェンス、コンクリートバリケードなど)を駆使して、迫りくる脅威から身を守ります。
プレイモードは多様で、ソロ、フレンドとの協力プレイ(Co-op)、または専用サーバーを利用したPvE/PvPのオンラインマルチプレイも可能です。近接ボイスチャットで他のプレイヤーと交流したり、犬や馬といったAIの相棒と心を通わせることも生存の鍵となります。
プレイヤーは職業、状態異常、スキルツリーを組み合わせてキャラクターを自由にカスタマイズし、自分なりのスタイルで終末を生き抜きます。多種多様なzeekの亜種に適応し、豊富なゲーム設定やPermadeathモードでさらなる限界に挑むことも可能です。最終的には、アウトブレイクの真相が隠された「The Island」への到達を目指します。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ゲームタイトル | HumanitZ |
| 発売日 | 2026年2月6日 |
| 開発元 | Yodubzz Studios |
| 総レビュー数 | 7,878件 |
| 評価内訳 | 高評価: 5,974 / 低評価: 1,904 |
| 好評率 | 76% |
| 平均スコア | ★★★★☆ (3.8) / 5.0 |
| 日本語対応 | ✅ 対応 |
| 概要 | HumanitZは、ゾンビの発生で崩壊した世界を舞台にした、クォータービューのオープンワールド・サンドボックスサバイバルゲームです。物資収集、クラフト、建築、戦闘を駆使し、ソロでも仲間とでも生き延びましょう。 |
| 対応機種 | PC (Steam) |
データが示す不満の傾向

本作の不満の矛先をデータで見てみると、非常に興味深い、あるいは絶望的な傾向が見て取れます。不満カテゴリの第1位は、圧倒的に「操作性/戦闘」。これはサバイバルゲームにおいて致命傷と言わざるを得ません。
なぜなら、このジャンルの醍醐味は「極限状態での緊張感あるリソース管理と、一瞬の判断が生死を分ける戦闘」にあるからです。しかし、本作における操作性は、プレイヤーの意思をキャラクターに伝える伝送路が、錆びたワイヤーで繋がっているかのようなもどかしさを感じさせます。
特に、クォータービューを採用していながら、カメラ操作が「QEキーによる回転」に大きく依存しており、さらにマウスカーソルの位置によってキャラクターの向きが不自然に固定される仕様が、多くのプレイヤーにストレスを与えています。ゾンビの群れに囲まれた際、思わぬ方向に背中を向けてしまい、そのまま無残に食い殺される……。そんな光景を、まん花は人生の半分を捧げたといっても過言ではないほど、この画面の中で見てきました。
(プレイ時間: 14時間) Most people already mentioned the annoying camera controls, but in short this game has by far one of the most unprofessionally made movement/camera system I have ever seen in my life. Movement and everything is so clunky. It feels like this game was a fantasy of some child who wanted to have anything and everything in his survival game. But execution of every mechanic turned out to be so unfinished, unprofessional and unpolished it is laughable.
(多くの人が不快なカメラ操作について言及していますが、手短に言えば、このゲームは私の人生で見た中で最もプロ意識に欠ける移動・カメラシステムの一つです。動きのすべてがぎこちない。 survivalゲームに何でもかんでも詰め込みたいという子供の空想のように感じますが、すべてのメカニズムの実行は未完成で、プロらしくなく、洗練されていないため笑ってしまいます。)
このレビューが指摘するように、開発者の「やりたいこと」は伝わってくるのですが、それを支える基礎体力、つまり「ゲームとしての手触り」が完全に置き去りにされているのです。
プレイヤーが最も頻繁に行うアクションである「移動」と「視点変更」が、不快指数の源泉になっているという事実は、どれだけ魅力的なクラフト要素を積み上げても隠しきれるものではありません。
特にマルチプレイ時、ラグや同期ズレが重なると、もはや「操作」ではなく「運ゲー」の域に達します。友人が目の前で虚空を殴り、見えないゾンビに殺されていく姿を見るのは、もはやホラーを通り越してシュールレアリスムの世界です。
「1.0」というフルリリース版の皮を被りながら、その中身はアーリーアクセスの初期段階にある「未完成品」と言わざるを得ない。
不満の元凶「They」の分析

頻出単語のTOPに君臨する「They」。この代名詞が指すものは二つあります。一つは「彼ら(zeek)」、そしてもう一つは「彼ら(開発者)」です。レビューを読み解くと、この「They」という言葉には、プレイヤーのやり場のない怒りが凝縮されていることがわかります。
「彼ら(ゾンビ)」は、時に物理法則を無視した挙動でプレイヤーの背後にポップし、時に窓を乗り越える瞬間に無敵化しつつこちらを攻撃してきます。この理不尽な挙動に対して、プレイヤーは「彼ら(開発者)」がなぜこのような状態で製品版としたのか、という疑問を投げかけるのです。
特に、親の顔より見た画面であるインベントリやクラフトのUIにおいて、この「開発者の意図」がプレイヤーの利便性を著しく損なわせている場面が多々あります。例えば、槍を一本作りたいだけなのに、石で作ったナイフは使えず、なぜか「キッチンナイフ(包帯などを切るための既製品)」でなければ加工できないといった、謎の「こだわり」が随所に見られます。これを「リアル」と呼ぶか「不自由」と呼ぶか……答えは、多くの低評価レビューが示している通りです。
(プレイ時間: 0時間) This is not 1.0 ready, this game is a prime example that just because you can make a zombie survival game doesn’t mean you should. – Terrible Crafting: Crafting recipes require specific items to make things, want to sharpen a stick into a spear? You need a KITCHEN KNIFE not the stone knife you made a minute ago, it has to be a kitchen knife. Seriously this feels like the devs vibe-coded the whole thing with visual scripting in UE.
(これは1.0の完成度ではありません。ゾンビサバイバルゲームを作れるからといって、作るべきではないという好例です。最悪なクラフト:クラフトレシピには特定のアイテムが必要です。棒を削って槍にしたい? さっき作った石のナイフではなく、キッチンナイフが必要です。どうしてもキッチンナイフでなければならないのです。マジで、開発者はUnreal Engineのビジュアルスクリプトで雰囲気だけでコーディングしたんじゃないかと感じます。)
この「特定のアイテムに固執するクラフトシステム」は、広大な世界を探索する楽しさを、ただの「特定のドロップ待ちの虚無」に変えてしまいます。
喉が乾いて死にそうなのに、目の前にある缶は使えず、どこにあるかもわからない「ペットボトル」を求めて、ゾンビの群れに突っ込まなければならない。この不条理。
サバイバルの本質である「代用」という知恵を封じ、開発者が指定した正解ルートを強要する設計は、自由なサンドボックスを期待したプレイヤーへの裏切りとも取られかねません。
結果として、プレイヤーは「彼ら(開発者)」の独りよがりな設計に振り回され、貴重なプレイ時間を「期待」と「落胆」の往復に浪費することになるのです。
「彼ら」が目指した理想郷は、プレイヤーにとっては操作性の悪さと不条理なルールに彩られた監獄に過ぎなかった。
ユーザーが直面する現実

では、実際にこのゲームをプレイすると、どのような体験が待っているのでしょうか。それは、期待に満ちたスタートから、数時間で訪れる「虚無」への滑落です。
あなたは崩壊した都市に降り立ちます。美麗なUE4(UE5並に見える瞬間もありますが)のグラフィックに目を奪われ、「お、これは期待できそうだ」と胸を躍らせるでしょう。しかし、最初の家に入った瞬間に違和感を覚えます。
豪華なソファ、整然と並んだシンク、棚、タンス。それらの90%以上が「単なる置物」であり、インタラクトすらできないのです。漁れるのは、開発者が親切にハイライトしてくれた一部のコンテナのみ。探索の楽しみは、瞬時に「ハイライトされた場所を回るスタンプラリー」へと劣化します。しかも、二階建ての豪華な邸宅に、階段が存在しないという衝撃的な手抜き建築に遭遇することもしばしば。
さらに、この世界の「理不尽」は容赦なく襲いかかります。指紋がなくなるほどキーボードを叩いてキャラクターを操作しても、カメラが勝手に建物の屋根を透過させたり、逆に壁で視界を遮ったりして、目前の脅威に気づくことすら許されません。
(プレイ時間: 0時間) Instant Headache: I spent more time in the Settings menu trying to fix the unbelievably bad camera and movement controls than I did actually playing the game; never even made it past the tutorial. I tried with both controller and keyboard/mouse and knew within minutes that this was going to be another Steam Wallet refund title…
(即座に頭痛がしました。実際にゲームをプレイするよりも、信じられないほどひどいカメラと移動の操作を修正するために設定メニューにいた時間の方が長かったです。チュートリアルさえクリアできませんでした。コントローラーとキーボード/マウスの両方で試しましたが、数分以内に、これがまた一つのSteam返金タイトルになるだろうと確信しました……。)
このレビューが語る「即返金レベルの拒絶反応」は、決して大げさではありません。特にチュートリアルの不親切さは特筆すべきものがあり、何の説明もなく広大なマップに放り出され、「何をすべきか」を理解する前に、操作性の悪さに起因する事故で命を落とすプレイヤーが続出しています。
また、最適化不足も深刻です。どれだけハイスペックなPCを積んでいても、都市部に入ればフレームレートは乱高下し、スタッタリング(カクつき)が生存を脅かします。これは敵の攻撃を避けるのが前提のゲームにおいて、致命的な「不可抗力の死」を招きます。
プレイヤーの努力やスキルではどうにもならない「設計レベルの欠陥」や「最適化の放棄」が、ゲームへの没入感を無慈悲に破壊するのです。
苦労して集めた物資が、サーバーの不調や同期バグによって消失した時の虚脱感……。それは、このゲームを愛そうと努力したプレイヤーにこそ、深く、鋭く突き刺さるナイフとなります。
「生き残るための戦い」ではなく、「バグと操作性と開発者の怠慢に耐える戦い」に成り下がっている現実を直視せよ。
それでも支持される理由

ここまで散々な言いようをしてきましたが、ではなぜ、まん花はこの世界に網膜が焼き付くほどの時間を費やし、今もなお多くのプレイヤーが(不満を垂れつつも)ログインし続けているのでしょうか。
そこには、既存の有名タイトル――例えば『Project Zomboid』や『7 Days to Die』――のいいとこ取りをしようとする、強烈なまでの野心が感じられるからです。
確かにバグは多い。操作性も最悪だ。しかし、この「クォータービューで、美麗なグラフィックで、銃器カスタマイズが細かく、車両の改造まで楽しめる」というパッケージは、現在の市場において非常に希有な存在なのです。不満点は山積みですが、ベースとなる「サバイバルのサイクル」自体には、中毒性の高い成分が確かに含まれています。
特筆すべきは、サーバー設定の自由度です。ゾンビの数、ダメージ、アイテムのリスポーン率、さらにはNPCの襲撃頻度まで、細かく調整できます。自分好みの「ちょうどいい地獄」を作り出せる点は、本作の大きな強みと言えるでしょう。操作性の悪さという最大の敵すらも、設定次第である程度緩和し、ゲームとして成立させることが可能です。
また、開発チームの熱意も無視できません。低評価レビューに対しても真摯に耳を傾け(時に逆効果な修正をすることもありますが)、アップデートの頻度は非常に高い。プレイヤーが求めている「究極のゾンビサバイバル」というゴールに向け、彼らなりに全力疾走している姿には、ある種の敬意すら覚えます。
「完璧ではない。けれど、他に代わりがない」。
この感覚こそが、多くの廃人たちをこの荒廃した世界に繋ぎ止めている正体です。拠点を作り上げ、電撃フェンスを張り巡らせ、お気に入りの車両を装甲化して荒野を駆け抜ける。その瞬間のカタルシスは、道中の理不尽なバグを一時的に忘れさせるほどに甘美なものです。
未完成ゆえの「余白」に、将来の神ゲーへの期待という名の幻想を重ね合わせる、そんな楽しみ方が許容される稀有なタイトルなのかもしれません。
今のままでは「低評価」の嵐に飲み込まれて当然の出来です。しかし、その嵐の向こう側に、確かにダイヤモンドの原石が埋もれていることもまた事実。まん花は、その輝きを信じて今日も、操作の効かないキャラクターと共にゾンビの海へ飛び込むのです。
クソゲーという名の泥にまみれた、あまりにも美しすぎる「可能性」という名の劇薬。
最終評価と購入ガイド
結論として、どす恋まん花は本作をこう評価します。
「フルリリースの看板を信じて買うなら、後悔の涙で枕を濡らすことになる。だが、開発者の狂気的な野心に付き合う覚悟があるなら、これほど面白い実験場はない」
本作は、決して万人に勧められる完成度ではありません。しかし、特定のゲーマーにとっては、その欠点すらも「乗り越えるべきハードル」として愛せてしまう、歪んだ魅力に満ちています。
購入を検討しているあなたは、以下のチェックリストを心に刻んでください。
✅ 購入をお勧めする人
- 操作性の悪さを「サバイバルの不自由さ」として脳内変換できる、鋼の精神の持ち主。
- Project Zomboidをやり込みすぎて、新しい視覚体験と3Dモデルでの生活を渇望している人。
- 開発途上のゲームが成長していく過程を見守るのが好きな、自称「デバッガー気質」のゲーマー。
❎ 購入を避けるべき人
- 「1.0(正式リリース)」という言葉に、大手メーカー並みの品質と安定性を期待している人。
- 直感的な操作と、理不尽のない公平な戦闘システムを何よりも重視する人。
- 「中身のない家」や「二階に行けない階段」といったアセットの使い回しに、没入感を殺されてしまう繊細な感受性の持ち主。
この世界の朝日は、バグで時々太陽が二つ出たりしますが、それでも美しいものです。
いつか、この広大な世界が真に完成し、私たちが本当の意味で「人類を頂点へ」戻せる日が来ることを願って。
それでは、また次回のレビューでお会いしましょう。どす恋まん花でした。
執筆:どす恋まん花
