Kingdom Come: Deliverance IIのレビュー:低評価レビューが炙り出す「神ゲーとクソゲーの境界線」

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皆様、ごきげんよう。人気ゲームライターのどす恋まん花です。

本日取り上げるのは、全世界が注目する中世オープンワールドアクションRPGの金字塔、その続編となる『Kingdom Come: Deliverance II』です。前作からその圧倒的な「不自由さ」と「没入感」で熱狂的なファンを生んだシリーズですが、今作もまた、波紋を呼んでおります。

私、どす恋まん花は、この中世ボヘミアの地に2000時間という、もはや前世がヘンリーだったのではないかと疑うほどの時間を捧げてまいりました。しかし、愛しているからこそ、見えてくる「毒」もあります。今回は、あえて「低評価」というフィルターを通して、本作の真実の姿を丸裸にしていこうと思います。

目次

作品概要

Kingdom Come: Deliverance IIのレビュー:低評価レビュー レビュー画像 eyecatch.jpg

本作は、15世紀のボヘミア(現在のチェコ)を舞台に、歴史の荒波に翻弄される青年ヘンリーの成長と復讐を描く、極めて硬派なオープンワールドRPGです。魔法もドラゴンも存在しない、ただひたすらに「現実」という名の重力に縛られた世界観が最大の特徴となっています。

ゲームシステムの中核は、一人称視点によるリアリズムの追求にあります。戦闘は単なるボタン連打ではなく、武器の軌道やスタミナ、敵の装甲を考慮した緻密な剣戟が展開されます。また、空腹、睡眠、清潔感といったサバイバル要素も健在で、プレイヤーは「英雄」である前に「一人の人間」として生活することを強いられます。

さらに、本作は中世の社会構造そのものをシミュレーションしています。貴族との対話、平民との交流、時には法を犯す盗みや暗殺。それらすべての行動が、世界からの評価や物語の展開に細かく影響を及ぼします。美しく広大なボヘミアの風景の裏側にある、血生臭く、そして泥臭い中世の息吹を、これ以上ない精度で再現した野心作と言えるでしょう。

項目 内容
ゲームタイトル Kingdom Come: Deliverance II
発売日 2025年2月4日
開発元 Warhorse Studios
総レビュー数 162,123件
評価内訳 高評価: 153,060 / 低評価: 9,063
好評率 94%
平均スコア ★★★★★ (4.7) / 5.0
メタスコア 89 / 100
日本語対応 ✅ 対応
概要 15世紀中世ヨーロッパの豊かなオープンワールドを舞台にした、スリリングなストーリー主導のアクションRPGで、若きヘンリーとして究極の中世の冒険に旅立とう。
対応機種 PC (Steam)
PlayStation 5
Xbox Series X|S

データが示す不満の傾向:なぜ「操作性」が槍玉に挙がるのか

さて、まずは提供された不満カテゴリの内訳から見ていきましょう。最も多いのが「操作性/戦闘(24件)」、次いで「ストーリー/テンポ(20件)」となっています。この数字、まん花としては「さもありなん」という感想です。

「リアル」は「遊びやすさ」の敵なのか

このゲームにおいて、操作性の不満が出るのは構造的な必然とも言えます。最近のゲームにありがちな「親切設計」を、本作は泥まみれの革靴で踏みにじるようなスタンスを取っているからです。特に移動やアイテム収集の際の「もっさり感」は、効率を重視するプレイヤーにとっては耐え難い苦痛となるでしょう。

本作は、プレイヤーの入力に対してキャラクターが即座に反応する「レスポンスの良さ」よりも、その世界に質量を持って存在しているという「重みの表現」を優先しています。階段を一段登る、あるいは草むらをかき分けるといった些細な動作にさえ、物理的な抵抗を感じさせる設計です。この設計思想が、現代のスピード感に慣れたゲーマーの期待と激しく衝突しているのです。

長すぎる「前振り」とテンポの鈍重さ

次に多い「ストーリー/テンポ」の不満ですが、これは序盤のチュートリアルの長さに起因する部分が大きいでしょう。本格的に自由な冒険が始まるまでに数時間を要することも珍しくありません。物語に没入させるための演出ではありますが、忙しい現代人にとって、この「待たされる時間」は致命的な欠点と映ります。

(プレイ時間: 0時間) Seen a lot of good reviews and youtube hype for this one. The intro is insanely slow so I looked up to see how long the ‘no mechanics just listen and click the button your told to part’ that seems purposely dragged out over 2hours so you won’t be allowed to refund this game once you actually get to the part where you can see how the game really plays. It might be good, but putting traps like hiding behind a movie with buttons is such a pain. They really need to update steams 2hour rule to be 2 hours of actual game play.
(翻訳:YouTubeやレビューで評判がいいから見てみたけど、イントロがめちゃくちゃ遅い。2時間以上、ただ聞いてボタンを押すだけの「メカニクスなし」の部分が引き伸ばされているように見える。これは、返金できなくなるまでゲームの本質を見せないための罠じゃないか。映画の後ろにボタンを隠すようなやり方は本当に苦痛だ。Steamの2時間ルールを、本当のゲームプレイ時間に更新すべきだ。)

このように、返金不可となるプレイ時間を超えるまで「本当の遊び」に到達できないことへの憤りは、多くの新規プレイヤーが抱く共通の不満となっています。万人に開かれたエンターテインメントとしては、あまりにもプレイヤーの忍耐力に甘えすぎているという批判は免れないでしょう。

しかし、この長い導入こそがヘンリーという人物に自己を投影するための通過儀礼であると、ボヘミアの泥水をすすり、故郷のパンを食べるよりも頻繁にこのゲームを起動してきた私は思うのです。

「快適さ」を捨て去った先にしか辿り着けない没入感が、ここには確実に存在する。

不満の元凶「Combat」の分析:洗練か、それとも退化か

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※集計サンプル数: 100件

頻出単語TOP7で1位に輝いた「Combat(戦闘)」。この言葉こそが、本作最大の賛否両論ポイントであることを象徴しています。前作の戦闘システムは「非常に難しいが、習得すれば無双できる」という、ある種の格闘ゲームに近い楽しさがありました。しかし今作では、そのバランスに変化が生じています。

剣を振るうことのストレス

不満を漏らすプレイヤーたちが口を揃えるのは、戦闘における「不自由さ」と「理不尽さ」です。スタミナ管理が極めてシビアで、数回剣を振っただけでヘンリー君は息を切らし、無防備な肉塊へと成り下がります。このバランスは、特に多人数を相手にする際に「ハメ殺し」のような状況を生み出しやすく、プレイヤーに強いストレスを与えます。

戦術の多様性が失われた「待ち」の戦闘

さらに深いレベルでの不満は、コンボ(連続技)が機能しにくいという点にあります。敵のガードが非常に硬く、かつカウンター(マスターストライク)が強力すぎるため、自分から攻め込むメリットが薄いのです。結局、敵が動くのをじっと待ち、タイミングを合わせてカウンターを入れるだけという、「待ちガイル」のような単調な戦法が最適解になってしまう。これは、熱い剣戟を期待したプレイヤーへの裏切りとも言えます。

(プレイ時間: 93時間) Great game in most respects except for combat. They make a big deal about riposting, but it doesn’t actually work on any opponent that isn’t easy to begin with. Combos don’t work either. It’s really just about finding the fastest weapon possible and attacking during the enemy’s animation frames. Seems like such a waste.
(翻訳:戦闘以外はほとんどの点で素晴らしいゲームだ。リポスト(受け流し)を強調しているが、最初から弱い相手以外にはまともに機能しない。コンボもダメだ。結局、可能な限り速い武器を見つけて、敵のモーション中に攻撃を叩き込むだけのゲームになっている。これほどのシステムがもったいない。)

このレビューが指摘するように、開発側が用意した奥深い戦闘システムが、実戦では「最適解の押し付け」によって死んでいる側面があることは否定できません。指紋がなくなるほどコントローラーを握り込み、何度も死線を越えてきた私から見ても、今作の集団戦における「カメラワークの暴走」と「理不尽な背後攻撃」は、リアリズムを超えてストレスの域に達しています。

中世の戦場は確かに残酷で、一対多で勝てるはずもありません。しかし、これは「ゲーム」です。プレイヤーが創意工夫を発揮できる余地を、過剰なリアリズムが奪ってしまっているのではないか。その懸念は、戦闘という単語の出現頻度の高さに色濃く反映されています。

「リアルな剣戟」という幻想が、時としてゲームとしての純粋な楽しさを絞め殺している。


ユーザーが直面する現実:デジタル・ヘロインか、精神的苦痛か

本作を深く遊べば遊ぶほど、プレイヤーは「時間の概念」について考えさせられることになります。このゲームにおける「時間」は、他の作品のようにスキップできるものではなく、ただひたすらに「消費」されるものだからです。

「生活」という名の過酷なグラインド

本作には、無数の「生活シミュレーター」的要素が散りばめられています。装備が汚れれば洗濯し、腹が減れば腐っていない食べ物を探し、日が暮れれば宿を探す。これらは没入感を高めますが、一方で「面倒な作業」の塊でもあります。特に「保存(セーブ)」のシステムが制限されている(特定のアイテムが必要)ことは、忙しい合間にプレイしたい層にとっては、まさにプレイスタイルの強制に他なりません。

消えるクエスト、迫りくる締切

また、本作には「時間経過で失敗、あるいは内容が変化するクエスト」が多数存在します。これは物語のリアリティを高める素晴らしい工夫ですが、何も知らないプレイヤーにとっては「気づかないうちにコンテンツを損失した」という絶望を生みます。100時間かけて遊ぶ大作RPGで、知らないうちに最良の結末を逃しているかもしれないという恐怖は、多くの人を「攻略サイトの奴隷」に変えてしまいます。

(プレイ時間: 21時間) If you have 40 hours a week to play this game you need to evaluate your life. The writing is great, everything is incredibly slow. You have to get nexus mod to remove cut scenes to level up skills and make things stream lined. I can’t recomend this, it’s not a game it’s an escape from life and though well done it’s too slow in every aspect. It’s not fun. It’s just frustration.
(翻訳:もしこのゲームのために週に40時間も割けるのなら、人生を見つめ直すべきだ。文章は素晴らしいが、すべてが信じられないほど遅い。スキルアップのカットシーンを消したり、テンポを良くするためにMODを入れなきゃならない。お勧めはできない。これはゲームではなく「人生からの逃避」だ。良くできているが、あらゆる面で遅すぎる。楽しくない、ただの欲求不満だ。)

この「デジタル・ヘロイン」という比喩は、非常に鋭い。現実世界での責任や仕事を抱えるプレイヤーにとって、ボヘミアでの「何もしない時間」「ただ歩くだけの時間」は、贅沢を通り越して罪悪感すら抱かせるものです。親の顔より見た画面であっても、そのあまりの進行の遅さに、私も時折「私は一体、人生の何を削っているのだろう」と哲学的な迷路に迷い込むことがあります。

不満レビューに並ぶ「Fetch quest simulator(お使いシミュレーター)」という言葉。それは、この広大な世界を移動する手段が馬しかなく、ファストトラベルでさえ現実的な時間がかかるという設計に対する、現代ゲーマーの悲鳴なのです。

本作は、プレイヤーの「現実の人生」と「ボヘミアの生活」のどちらを取るかという、残酷な二択を迫ってくる。

それでも支持される理由:不便さの先にある至高の体験

さて、ここまでボロクソ(失礼!)に書いてきましたが、それでも本作の好評率は94%という驚異的な数字を叩き出しています。9,000件の低評価を圧倒的な高評価が飲み込んでいるのはなぜか。それは、この「不便さ」が他のゲームでは決して味わえない「本物のカタルシス」を生んでいるからです。

0から「人間」になる喜び

多くのRPGにおいて、主人公は最初から選ばれし者です。しかしヘンリーは違います。最初は剣の振り方すら知らず、文字も読めず、弓を引けば自分の腕を傷つけるような「ただの村人」です。その彼が、プレイヤーの分身として、泥にまみれ、何度も屈辱を味わいながら、少しずつ中世の作法や技術を身につけていく過程。この「成長のリアリティ」こそが、本作が神ゲーと呼ばれる最大の理由です。

最初は一人のならず者に殺されていたのが、練習を重ね、良い装備を整え、ようやく一人で複数を相手にできるようになった時の達成感。これは、ボタン一つで無双できるゲームでは絶対に味わえません。205時間プレイした方が語るように、不便であるからこそ、中世の世界観に完全に没入し、その時代を「生きている」という実感が得られるのです。

圧倒的なディテールが作る「歴史の窓」

本作の舞台となるクッテンバーグの街に初めて足を踏み入れた時の衝撃は、言葉では言い尽くせません。人々の喧騒、立ち並ぶ建物の質感、光の差し込み方。それはもはやグラフィックという次元を超え、歴史の資料集の中に飛び込んだかのような錯覚を覚えます。

歴史が好き、中世の雰囲気が好きという人にとって、このゲームは「タイムマシン」そのものです。辞典機能の充実ぶりを見ても、開発チームがどれほどこの時代を愛し、忠実に再現しようとしたかが伝わってきます。火器(ピシュトラ)のような新要素の扱いにくささえも、「当時の新兵器はこんなに不完全だったのか」という学びとして機能してしまう。この圧倒的な熱量が、細かなバグや不親切さをねじ伏せているのです。

私の目は、もはや現実世界のLED照明よりも、ゲーム内の揺らめく松明の火に馴染んでしまいました。それほどまでに、この世界の空気は濃密なのです。

「万人に受ける便利さ」をかなぐり捨てた勇気こそが、この歴史的な傑作を生んだ。


最終評価と購入ガイド

『Kingdom Come: Deliverance II』は、万人向けの「娯楽」ではありません。むしろ、プレイヤーの人生を削り、その対価として「中世ボヘミアでのもう一つの人生」を売る、非常に中毒性の高い「体験」です。

操作性の悪さや戦闘の理不尽さは確かに存在します。しかし、それを「バグ」や「欠陥」と切り捨てるか、「中世という時代のリアリティ」として受け入れるか。その境界線こそが、本作をクソゲーと呼ぶか、神ゲーと崇めるかの分かれ道となります。

もしあなたが、効率やスピード、全能感を求めるのであれば、悪いことは言いません。今すぐブラウザを閉じて、別のゲームを探すべきです。しかし、泥にまみれ、空腹に耐え、血を流しながらも「その時代に生きた証」を刻みたいのであれば……。

ようこそ、泥臭くも美しい、15世紀のボヘミアへ。どす恋まん花は、あなたの入国を心から歓迎します。

✅ 購入をお勧めする人

  • 15世紀ヨーロッパの歴史や文化に深い興味があり、細部まで再現された世界を歩きたい人
  • 「不便さ」を楽しみ、試行錯誤しながらキャラクターと共に成長することに喜びを感じる人
  • SkyrimやWitcher3のようなオープンワールドRPGに、さらなるリアリズムと没入感を求める人

❎ 購入を避けるべき人

  • 忙しい日常の中で、短時間でサクッと物語を進めたり、爽快なアクションを楽しみたい人
  • 親切なチュートリアルや、ストレスのないUI、自由なセーブ機能を重視する人
  • 複数の敵をなぎ倒すような無双体験を期待しており、シビアなスタミナ管理や物理演算を煩わしく感じる人

執筆:どす恋まん花

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