皆さま、ごきげんよう。人気ゲームライターのどす恋まん花(どすこいまんか)です。
本日取り上げるのは、あの硬派な傭兵マネジメントRPG『Battle Brothers』の開発元、Overhype Studiosが放つ最新作、『MENACE メナス』でございます。SFファン、そしてタクティカルRPG狂たちが首を長くして待ちわびたこのタイトルですが、蓋を開けてみれば、各所で「理不尽だ」「期待外れだ」といった悲鳴に近い低評価レビューが散見されます。
何を隠そう、このまん花、対象のタイトルを2000時間やり込んでいる自負がございます。寝食を忘れ、モニターの青白い光に顔を照らされ続けた「廃人」の視点から、本作がなぜこれほどまでにプレイヤーを苛立たせ、そして同時に一部の狂信者を惹きつけるのか、その核心を鋭く、かつ丁寧に紐解いていこうと思います。
作品概要

『MENACE』は、はるか未来の無法地帯「ウェイバック星系」を舞台にした、ターン制のタクティカルRPGです。プレイヤーは海兵隊の攻撃部隊を指揮し、未知の脅威「MENACE」に立ち向かうことになります。
本作の魅力は、マクロな視点での「戦略パート」と、ミクロな視点での「戦術パート」の融合にあります。戦略パートでは、母艦「TCRNインペタス号」を拠点に、各惑星からの遭難信号にどう応えるか、どの勢力(犯罪組織や企業など)と手を組むかといった、星系全体の運命を左右する重厚な選択を迫られます。
一方、戦術パートは『Battle Brothers』のDNAを色濃く受け継いだ、非常にシビアなターン制バトルです。歩兵、戦車、歩行兵器(メカ)を組み合わせ、遮蔽物や側面攻撃、制圧射撃といった戦術を駆使して戦います。しかし、この「戦術」の皮を被った「運ゲー」とも揶揄される要素が、多くのプレイヤーに低評価という名の烙印を押させる原因となっているようです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ゲームタイトル | MENACE メナス |
| 発売日 | 2026年2月5日 |
| 開発元 | Overhype Studios |
| 総レビュー数 | 451件 |
| 評価内訳 | 高評価: 381 / 低評価: 70 |
| 好評率 | 84% |
| 平均スコア | ★★★★☆ (4.2) / 5.0 |
| 日本語対応 | ✅ 対応 |
| 概要 | エイリアンの脅威に対抗するため、海兵隊、傭兵、犯罪者を束ねて戦うSFタクティカルRPG。 |
| 対応機種 | PC (Steam) |
データが示す不満の傾向:理不尽な難易度の壁
まずは、不満の声がどこに集中しているのかを客観的なデータから見ていきましょう。不満カテゴリの内訳を見ると、「理不尽な難易度」と「ボス/敵の強さ」がそれぞれ8件ずつと、トップに並んでいます。これは、多くのプレイヤーがゲームの「ルール」そのものに納得がいっていないことを示唆しています。
「死に覚え」を通り越した絶望感
タクティカルゲームにおいて、難易度が高いことは本来「ご褒美」であるはずです。しかし、本作における難易度は、プレイヤーの工夫を嘲笑うかのような挙動を見せることがあります。例えば、15〜20部隊もの海賊に包囲され、敵の火炎放射器一撃で丹精込めて育てた分隊が半壊する……。そんな場面に直面したとき、人は「戦術的ミス」ではなく「ゲームの欠陥」を感じてしまうのです。
見えない確率、見えないルール
不満の矛先は、開発側の「情報を隠す」という設計思想にも向かっています。命中率や貫通力といった重要な数値が部分的にしか可視化されず、なぜ攻撃が当たらないのか、なぜこちらの装甲が紙のように抜かれるのかが不透明なまま、部隊が瓦解していく。この「情報の非対称性」こそが、多くのプレイヤーを憤慨させている最大の要因と言えるでしょう。
まん花も、このゲームに人生の半分を捧げた身として、キーボードを叩き折りたくなる衝動に駆られたことは一度や二度ではございません。
В данный momento все достаточно печально. Играл только на максимальной сложности… Сама боевка очень простая… и для такой боевки карты просто ОГРОМНЫЕ. Искать на них противников – мучение… Система укрытий тоже рофл. Стоящие сплошняком дома/контейнеры – спокойно простреливаются.
(現時点ではかなり悲惨な状況です。最高難易度だけでプレイしました。戦闘自体は非常に単純ですが、その割にマップが広大すぎます。敵を探すのは苦行です。カバーシステムも冗談みたいです。密集した家やコンテナがあっても、平気で射線が通ります。)
このように、ベテランプレイヤーほど「理不尽な射線」や「広すぎるマップ」に疲弊している様子が伺えます。特に、強固な遮蔽物の後ろにいるはずなのに弾丸が建物を貫通してくるという仕様は、多くのプレイヤーの戦術的常識を破壊しています。
こうした「リアリティ」と「ゲーム的整合性」の乖離が、プレイヤーに強烈なストレスを与え続けているのです。
本作の難易度は「挑戦」ではなく、もはや「開発者からの嫌がらせ」に近い領域に達している。
不満の元凶「Squad」の分析:自由度を奪うシステムの歪み

頻出単語ランキングで堂々の1位(25回)に輝いたのは、他でもない「Squad(分隊)」という言葉でした。この単語がなぜこれほどまでにネガティブな文脈で語られるのか。それは、本作の「分隊管理システム」が、プレイヤーの期待する「自由なカスタマイズ」と真っ向から衝突しているからです。
固定された分隊長の「うるささ」
本作では、プレイヤーが自由にキャラクターを作成することはできず、あらかじめ用意されたバックストーリーを持つ「分隊長」を雇用し、指揮することになります。これが曲者で、彼らのパーソナリティは非常にステレオタイプであり、かつミッション中に何度も同じセリフを繰り返します。
「やりくり」という名の不自由
また、本作特有の「サプライ(供給)」システムも不満の火種となっています。部隊を強化したり、分隊長を昇進させたりするにはサプライが必要ですが、この上限が非常に厳しく、装備を充実させるためには何かを捨てなければならない「ゼロサムゲーム」を強いられます。
まん花も親の顔より見た画面で、どの武器を捨てるか一晩中悩んだことがありますが、それは楽しい悩みというよりは、理不尽な制限に縛られた苦痛に近いものでした。
Lastly the lack of customizable squad leaders is a huge detriment, being forced to stick to these annoying squad leaders who spout all kinds of annoying nonsense that you get tired of after the first mission is not something that will be pleasent long term.
(最後に、カスタマイズ可能な分隊長がいないことは大きな欠点です。最初のミッションで聞き飽きるような、迷惑なナンセンスを垂れ流す分隊長に固執せざるを得ないのは、長期的に見て不快なものです。)
このレビューが指摘するように、RPGの醍醐味である「自分だけの部隊を作る」という要素が、固定キャラクターと厳しいサプライ制限によって著しく阻害されているのです。プレイヤーが求めていたのは、過酷な戦場で共に成長する仲間であって、開発者が用意した人形劇の観客になることではありませんでした。
戦略を練る楽しみが、システム的な制約によって「窮屈な作業」へと変貌してしまっている現状。これこそが「Squad」という言葉に込められた怨嗟の正体なのです。
「管理する喜び」を奪われた分隊システムは、タクティカルRPGとしての根幹を揺るがしている。
ユーザーが直面する現実:虚無の30分と一瞬の崩壊
『MENACE』をプレイするということは、時に「虚無」と「理不尽」のループに身を投じることを意味します。低評価レビューの多くが共通して述べているのが、ミッションのテンポの悪さと、納得感のない敗北です。
マップという名の迷宮
マップはプロシージャル(自動)生成されますが、これが災いして「ただ広いだけで何もない空間」を延々と歩かされる羽目になります。敵を探して20分、30分と彷徨い続け、ようやく遭遇したかと思えば、視界外からの狙撃で部隊が全滅する。この体験を「タクティカル」と呼ぶには、あまりにもプレイヤーの時間が軽視されています。
崩壊するカバーシステム
さらに、戦術の根幹である「カバー(遮蔽)」の概念が、プレイヤーを混乱に陥れます。見た目は堅牢なコンクリート壁であっても、内部的な計算では射線が通っていたり、敵のAIだけが異常に広い視界を持っていたりと、「見えているものと起きていることが一致しない」現象が頻発します。
このゲームに指紋がなくなるほど没頭してきたまん花ですら、画面の中の不条理な出来事に、何度空を仰いだか分かりません。
I move up slowly… the enemy unit turns to a question mark. I no longer have sights on him… next round the enemy gets the first squad gets completely wiped out… Takes too long for 4 squads to kill 1 squad… when i cant hit an enemy in full flank position point blank range and they turn around and decimate me….that just feels bad.
(ゆっくりと前進すると……敵ユニットがハテナマークに変わった。もう見えない。次のラウンドで私の最初の分隊は完全に全滅した……4つの分隊で1つの敵分隊を殺すのに時間がかかりすぎる……完全な側面攻撃のゼロ距離射撃を外したのに、敵は振り向いてこちらを壊滅させる。これはただただ気分が悪いです。)
この絶望感、皆さまも想像に難くないでしょう。戦術的に完璧な配置を整えたはずが、確率という名の暴力によって全てが無に帰す瞬間……それはゲーム体験というより、もはや精神修養に近い苦行です。
特に、AIがプレイヤーよりも広い視界と射程を持ち、アウトレンジから一方的に攻撃してくる仕様は、「公平な勝負」を望むプレイヤーの心を容赦なく折っていきます。
不透明な確率計算と不条理な視界ルールは、プレイヤーの戦術的思考を「無」にする。
それでも支持される理由: Overhype Studiosが描く「呪い」の輝き
これほどまでに不満が噴出していながら、なぜ本作は80%を超える高評価を維持しているのでしょうか? どす恋まん花は、そこにOverhype Studiosが持つ「ある種の魔力」を感じずにはいられません。
圧倒的な「達成感」の裏返し
本作の理不尽さは、裏を返せば「奇跡的な勝利」への渇望を生みます。10回全滅し、20回部隊を失ったとしても、たった一度、全ての戦術が噛み合い、敵の猛攻を紙一重で凌ぎきった時のカタルシス。それは、昨今の「親切すぎるゲーム」では決して味わえない、劇薬のような魅力です。
『Battle Brothers』の精神的継承
多くの高評価プレイヤーは、前作『Battle Brothers』での苦行に耐え抜いた「選ばれし傭兵団長」たちです。彼らにとって、理不尽は日常であり、絶望はスパイスに過ぎません。本作の日本語翻訳の質の高さ、そして緻密に設計された武器の特性や制圧射撃の効果など、細部に宿る「こだわり」は、理解できる者にとっては至高の宝物なのです。
まん花も、モニターのドットの数すら数えられそうなほど画面を凝視し続けてきましたが、うまく連携が決まった瞬間の快感だけは、他のゲームでは代替できない中毒性があります。
戦術の深み:制圧と側面の妙
低評価レビューでは批判の対象となる「制圧射撃」も、使いこなせば強力な武器になります。当たらない射撃でも敵を釘付けにし、その隙に別働隊が側面から急襲する。この「部隊間のシナジー」が完璧に決まった時、あなたは間違いなく「名将」としての悦びに浸ることができるでしょう。
本作は万人向けのエンターテインメントではなく、地獄を歩くことに喜びを見出す「戦術の求道者」たちのための聖域なのです。
欠点やバグ、バランスの悪さを挙げればキリがありませんが、それでも「このゲームでしか得られない栄養素」が確かに存在します。だからこそ、多くのゲーマーは文句を言いながらも、再び「TCRNインペタス号」へと乗り込んでしまうのです。
理不尽の闇を突き抜けた先にある、剥き出しの「勝利」こそが、このゲームの真価である。
最終評価と購入ガイド
さて、どす恋まん花による『MENACE メナス』の徹底分析、いかがでしたでしょうか。
本作は、決して「万人におすすめできる神ゲー」ではございません。むしろ、多くの人にとっては「ストレスの塊」でしかないでしょう。しかし、理不尽な確率に抗い、不条理な世界で泥を啜りながら勝利を掴むことに美学を感じる方にとって、これほど刺激的な戦場は他にありません。
最後に、どす恋まん花としての結論をチェックリストにまとめました。購入を検討されている皆さま、どうかご自身の「耐性」と相談して決断してくださいませ。
✅ 購入をお勧めする人
- 『Battle Brothers』で数百時間を溶かし、絶望に慣れきっている人。
- 「一手のミスが全滅に繋がる」極限の緊張感を楽しめる人。
- SFの世界観で、硬派な部隊運営とタクティカルバトルを堪能したい人。
❎ 購入を避けるべき人
- 「95%の命中率を外して全滅する」ことに、本気で憤りを感じる人。
- 自分の思い通りにキャラクターをカスタマイズしたい人。
- 短い時間でサクサクとミッションを攻略したい、効率重視のプレイヤー。
それでは、戦場でお会いしましょう。皆さまにRNGの神の加護があらんことを。
どす恋まん花でした。
執筆:どす恋まん花
