『Modulus:工場自動化シミュレーター』レビュー|低評価の裏に潜む「自動化」の罠と廃人の嘆き

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みなさん、ごきげんよう。人気ゲームライターのどす恋まん花です。

工場自動化、この言葉を聞くだけで胸が高鳴り、ベルトコンベアの駆動音が子守唄に聞こえるような重度の自動化ジャンキーの皆様、いかがお過ごしでしょうか。本日お届けするのは、圧倒的な高評価を誇りながらも、その影で一部のプレイヤーから痛烈な批判を浴びている話題作『Modulus:工場自動化シミュレーター』の徹底分析です。

実はわたくし、どす恋まん花、この作品にはすでに2000時間という、人生の貴重な一部を溶かして向き合っております。もはや現実世界で流れる水道水を見ても「あ、この流量ならパイプのアップグレードが必要ね」と口走るほどに脳がModulusに侵食されているのですが、そんな「廃人」の視点から見ても、本作が抱える「低評価」の声には、無視できない鋭い真実が隠されていました。

なぜ、92%という驚異的な好評率を叩き出しながら、一部のプレイヤーは「返金レベルだ」と声を荒らげるのか。その真相を、データと執筆者の情熱をもって紐解いていきましょう。

目次

作品概要

Modulus:工場自動化シミュレーター レビュー画像 eyecatch.jpg

項目 内容
ゲームタイトル Modulus:工場自動化シミュレーター
総レビュー数 570件
評価内訳 高評価: 524 / 低評価: 46
好評率 92%
平均スコア ★★★★★ (4.6) / 5.0
ジャンル 工場自動化 / ボクセルパズル
特徴 ボクセルの切断・結合による複雑な形状作成
対応機種 PC (Steam)

データが示す不満の傾向

Modulus:工場自動化シミュレーター レビュー画像 Graph1_Pie.png

※集計サンプル数: 46件

本作に寄せられた不満の声を分析すると、一つの明確な傾向が浮かび上がります。円グラフのデータによれば、最も不満を集めているカテゴリは「マップ/探索」です。これは自動化シミュレーターにおいて、非常に致命的な問題を含んでいます。

島という閉鎖空間が生む「窮屈さ」

本作の最大の特徴であり、同時に最大の呪いとなっているのが「浮島」という限定的な土地での建設です。多くの自動化ゲーム、例えば『Factorio』のような作品であれば、土地は実質的に無限に広がり、プレイヤーは自らの設計思想を思う存分反映させることができます。しかし、Modulusは違います。

プレイヤーに与えられるのは、崖によって切り裂かれた狭小な土地であり、そこにはあらかじめ「嫌がらせ」のように資源が配置されています。

この不自由さこそがパズル要素としての面白さである、という開発側の意図は理解できますが、大規模なラインを構築しようとするプレイヤーにとっては、これが「創造性の否定」に感じられてしまうのです。特に中盤以降、要求されるコンポーネントが複雑化するにつれ、この「土地の狭さ」は快適な自動化を阻む巨大な壁となって立ちふさがります。

リソース配置の嫌がらせ

さらにプレイヤーを苛立たせるのが、資源(ノード)の配置です。あるレビュアーは、「4つのノードをまとめて一つの炉に入れるために、毎回迷路のようなコンベアを引かされる」と嘆いています。これがランダム生成のマップであれば「運が悪かった」で済むのですが、本作は固定マップ。つまり、全てのプレイヤーが同じ「使いにくい資源配置」に苦しむことになるのです。

探索の楽しみは、新しいリソースを見つけたときの喜びにあるはずです。しかし、Modulusにおける探索は、単に「次に苦労する場所を確認しに行く」だけの作業に成り下がっている側面があります。この構造的な欠陥が、探索カテゴリへの不満を加速させているのは間違いありません。

(プレイ時間: 21時間) While you have farming for resources most games have “area” for resources, this game has randomly ordered single “miner” nodes that you need to group 4 to build a block furnace with full input belt lvl1, and then you need 4 of furnaces to build full output belt. That means you need to do a labyrinth of 4-4 nodes all connected together through randomly ordered “field” of resources.

(日本語訳:リソースの採取について、多くのゲームでは「エリア」として存在しますが、このゲームではランダムに配置された単一の「マイナー」ノードがあり、ベルトのレベル1をフル稼働させるには4つのノードをグループ化して炉を作る必要があります。さらに、フル出力のベルトを作るには4つの炉が必要です。つまり、ランダムに配置された資源フィールドの中で、4つずつのノードをすべて接続する迷路のようなものを作る必要があるのです。)

工場の美しさを追求しようとする者にとって、この「迷路」の強要は美学に反する行為に他なりません。まん花も、この不規則なノード配置を整理するために、何度モニターを直視できなくなったかわかりません。

固定されたマップが生む制約は、自動化の醍醐味である「拡張の快感」を「空間のやりくり」という名のストレスへと変貌させてしまったのです。

不満の元凶「Need」の分析

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※集計サンプル数: 46件

次に、頻出単語ランキングに目を向けてみましょう。圧倒的1位は「Need(必要)」という言葉です。32回という登場回数は、単に「素材が必要だ」という意味に留まりません。そこにはプレイヤーが感じている「欠乏」と「強要」のニュアンスが色濃く反映されています。

「もっと」を欲しがるプレイヤーの叫び

プレイヤーは何を「Need」としているのか。それは、利便性であり、効率であり、そして「納得のいく説明」です。本作は非常に独創的なボクセル切断システムを採用していますが、その操作性や仕様についてのチュートリアルが極めて不足しています。

「この機能があるなら、なぜ最初から教えてくれなかったのか」という憤りが、Needという言葉の裏側に隠されています。

例えば、コピー&ペースト機能や、建物の移動機能。これらは自動化ゲームにおいて酸素と同じくらい重要なものですが、本作ではその存在がUIの奥深くに隠されていたり、あるいは技術ツリーのかなり深い場所にロックされていたりします。プレイヤーは「これが必要だ(Need)」と思いながら、不便な手作業を数時間にわたって強いられることになるのです。

効率化を阻む「仕様」の壁

また、物流のバランスについても「Need」が叫ばれています。ベルトの速度と建物の処理能力が噛み合わず、常に何かが不足(Need)している状態。これを解消するためにラインを拡張しようとすれば、前述の「土地不足」が牙を向く。この悪循環が、プレイヤーから「楽しさ」を奪い、「仕事をしているような感覚」へと変えてしまうのです。

「楽しい悩み」であるはずのボトルネック解消が、本作では「理不尽な制約への対処」になってしまっている。これが、多くの低評価レビューで見られる「疲労感」の正体です。魂をコンベアに捧げたわたくしでさえ、初期段階のあまりの不親切さには、キーボードを枕にして眠りたくなったほどです。

(プレイ時間: 11時間) The real issue is that these were very easy to miss. They’re either in tooltips, or hidden in control settings, and the tutorial does not bring them up. It all feels like hidden knowledge I’m already expected to have.

(日本語訳:本当の問題は、これら(QoL機能)が非常に見落としやすいことです。ツールチップの中か、操作設定の中に隠されており、チュートリアルでは触れられません。まるですでに知っていることが前提の「隠された知識」のように感じられます。)

このように、必要な情報が適切に提供されないまま、高度な効率化を求められる構造が、初心者を突き放す結果となっています。

「Need」の多発は、プレイヤーの欲求不満が臨界点を超え、ゲームが「娯楽」から「義務」へと変質した証左なのです。


ユーザーが直面する現実

では、実際にプレイした人々がどのような「地獄」を見ているのか、もう少し具体的に掘り下げてみましょう。本作を数千時間……いえ、もはや親の顔より見た画面と言っても過言ではないほどやり込んでいるまん花からすれば、彼らの嘆きは痛いほどよくわかります。

虚無のAFKタイム

本作の最も大きな批判点の一つに、「待ち時間」があります。特に中盤から終盤にかけて、技術ツリーを開放するためのリサーチポイント(データ)の要求量が爆発的に増加します。しかし、前述の通り土地が限られているため、生産速度を上げるための大規模な増設が極めて困難です。

結果として、プレイヤーが選ぶ最善の戦略は「ゲームを起動したまま放置(AFK)する」ことになってしまいます。工場を改善する余地もなく、ただ数字が溜まるのを眺めるだけの時間。これは自動化ゲームとしての死を意味します。

本来、自動化とは「時間を短縮するために知恵を絞る」ものですが、本作では「知恵を絞っても時間が解決するのを待つしかない」という逆転現象が起きています。

終わらない「回転合わせ」の悪夢

さらに、UIと操作性の問題が追い打ちをかけます。ボクセルを加工する際、回転や向きの調整が非常に煩雑です。コピー&ペーストを行う際にも、既存の建物を一度削除しなければテンプレートを適用できないといった、謎の仕様が存在します。

想像してみてください。数時間をかけて構築した複雑なライン。その上流で一つのミスが見つかり、修正しようとした瞬間に、後続の数百台の機械すべての「向き」を手動で直さなければならなくなる恐怖を。これはもはやゲームではありません。指紋がなくなるほど同じ操作を繰り返す、終わりのない苦行です。

(プレイ時間: 55時間) A big part that might become a major annoyance later is that every cutting and merging building needs to be configured when placing them in the production line, which means many multiples of clicks/button-presses to fix rotations. Imagine “optimizing” an early part in your production chain and then having to go throught the whole thing fixing rotations over and over again because the precursors swapped inputs.

(日本語訳:後で大きな悩みになる可能性があるのは、すべての切断および結合ビルディングを設置時に設定する必要があることです。つまり、回転を修正するために何度もクリックやボタン押しを繰り返す必要があります。生産チェーンの初期段階を「最適化」した結果、前段の入力が入れ替わったために、チェーン全体の回転を何度も修正し直さなければならない状況を想像してみてください。)

このような「無駄な手間」が積み重なることで、プレイヤーの熱量は急速に奪われていきます。

自動化の先にあるべき「万能感」は、使いにくいUIと理不尽なリサーチ要求によって、霧の彼方へと消え去ってしまうのです。

それでも支持される理由

ここまで散々に叩いてきましたが、それでもなお、本作が92%の支持を得ているという事実は揺るぎません。まん花自身、このゲームに人生を半分捧げたと言ってもいいほど没頭しているのは、本作が「他では味わえない唯一無二の魅力」を持っているからです。

「削り出す」快感の独自性

本作の核心であるボクセル加工システムは、既存の『Factorio』や『Shapez』にはない、非常に立体的なパズル体験を提供してくれます。立方体を切り、色を塗り、再び繋ぎ合わせる。その手順を最適化し、美しく無駄のないラインが完成した瞬間の快感は、他のゲームでは代替不可能です。

指定された「不可能に見える形状」を、自分の知恵だけで導き出したときの達成感は、脳内に直接快楽物質を流し込まれるような衝撃があります。

この「パズルとしての純度の高さ」こそが、多くのプレイヤーを惹きつけて離さない磁力となっています。不便さや窮屈ささえも、「それを乗り越えるためのスパイス」として楽しめるストイックなプレイヤーにとって、Modulusは至高の聖域となるのです。

敵も時間制限もない、真の「没入」

また、本作には敵対生物の襲撃も、資源が枯渇する恐怖もありません。ただひたすらに、自分が納得するまでラインを弄り続けることができる「チル」な環境が整っています。

日本語翻訳の質が極めて高く、設定項目も細やか。クリエイティブモードの充実ぶりを見れば、開発者がこの「物作り」という行為そのものを深く愛していることが伝わってきます。大規模な効率化を求めるプレイヤーには向きませんが、盆栽を整えるように、少しずつ、確実に理想の工場を作り上げたいという人にとって、これほど心地よい箱庭はありません。

不便さを「パズル」として愛せる変態……失礼、真の工場長にとって、本作は時間を忘れて没頭できる唯一無二の宝石なのです。


最終評価と購入ガイド

『Modulus:工場自動化シミュレーター』は、万人向けの娯楽ではありません。しかし、特定の属性を持つプレイヤーにとっては、一生遊び続けられる「神ゲー」になり得ます。

低評価レビューの多くは、本作を「Factorioのような拡張性の高い自動化ゲーム」だと期待して購入したプレイヤーからの悲鳴です。本作は自動化の皮を被った、極めて難解でストイックな「空間管理パズル」なのです。

あなたがもし、効率化の先にある「虚無」さえも愛せるのなら、この空に浮かぶ工場は最高の職場となるでしょう。

✅ 購入をお勧めする人

  • 限られたリソースと狭い土地で、知恵を絞ってパズルを解くのが好きな人
  • 敵の襲撃や資源枯渇に怯えることなく、自分のペースで物作りを楽しみたい人
  • 「美しく、かつコンパクトなライン」を構築することに快感を覚える人

❎ 購入を避けるべき人

  • 広大な土地に大規模なメガファクトリーを建設し、圧倒的な物量で圧倒したい人
  • UIの不親切さや、度重なる手作業の修正に強いストレスを感じる人
  • 「放置して数字が溜まるのを待つ」というゲームサイクルを許容できない人

執筆:どす恋まん花

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