Occupy Mars: The Game レビュー|低評価の嵐に隠された、赤き惑星での「苦行」と「ロマン」

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どーも、どす恋まん花です。

火星――そこは、イーロン・マスク氏ならずとも、我々ゲーマーにとって永遠のフロンティアですよね。今回取り上げるのは、そんな火星開拓を真正面から描いた意欲作『Occupy Mars: The Game』。

先に白状しておきますが、まん花はこのタイトルを2000時間やり込んでいます。ええ、もう火星の砂粒一つひとつに名前を付けられるレベルで、私の人生の一部はこの赤い大地に埋まっていると言っても過言ではありません。

しかし、Steamのレビュー欄を見れば、そこには砂嵐のごとく吹き荒れる「低評価」の数々。好評率73%という数字は、一見悪くないように見えますが、サバイバルサンドボックスという「ハマれば深い」ジャンルにおいては、かなり手痛い洗礼を受けていると言えるでしょう。

なぜ、これほどの熱量を持って作られたゲームが、多くのプレイヤーを絶望させているのか。今回は、データと廃人としての執筆者視点を交え、本作の真実を徹底的にレビューしていきたいと思います。

目次

作品概要

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「Occupy Mars」は、火星の植民地化をテーマにした、リアル志向のオープンワールドサンドボックスサバイバルゲームです。人類の多惑星種化を目指す最新技術に触発されており、プレイヤーは火星の過酷な環境で生き残り、居住地を築き、発展させることが目的となります。

ゲームシステムの核は、基地の建設と運営です。温室、酸素タンク、燃料発電機などを自由に配置し、これらをパイプやケーブルで適切に接続して電力網を構築します。水、酸素、食料、電力といった生命維持に不可欠な資源を自力で確保し、効率的に管理することが生きていく上で最も重要です。

資源の採掘、水の回収、酸素の生成、作物の栽培を通じて、自給自足の体制を築き上げます。広大な火星のオープンワールドを探索し、貴重な資源や鉱山地帯を発見したり、基地建設に適した場所(平坦な土地、地下水へのアクセス、安定した気温)を見つけ出したりする探査要素も充実しています。

本作の大きな特徴は、そのリアル志向な技術的側面です。故障した機器は、はんだごてや熱風ツール、測定器といった現実的な電子修理ツールを駆使して、部品レベルで修理する詳細な作業が求められます。また、車両や重機もガレージでアップグレードや改造が可能で、クレーンやロボットアームを操作して採掘作業を行うなど、多岐にわたるタスクが存在します。

リアルな昼夜サイクルや気候変動、さらには予測不能な機器の故障や爆発といった「予期せぬ急速な分解」に見舞われることもあり、プレイヤーは常に素早い対応と問題解決能力を試されます。火星での生活は困難を伴いますが、これらのリアルな挑戦を乗り越え、自分だけの火星コロニーを築き上げ達成感を味わえる、深く没入できるサバイバル体験が待っています。

項目 内容
ゲームタイトル Occupy Mars: The Game
発売日 2026年1月30日
開発元 ▲ Pyramid Games
総レビュー数 2,670件
評価内訳 高評価: 1,961 / 低評価: 709
好評率 73%
平均スコア ★★★★☆ (3.7) / 5.0
日本語対応 ❌ 未対応
概要 Survive and colonize Mars in a highly technical, open-world sandbox game. Build and upgrade your base, discover new regions, conduct mining operations, retrieve water, generate oxygen, grow crops, and fix broken parts.
対応機種 PC (Steam)

データが示す不満の傾向

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※集計サンプル数: 100件

本作に対する不満の声をカテゴリー別に分析すると、圧倒的な1位は「バグ/最適化」です。
全不満項目のうち30件がここに集中しており、プレイヤーが火星の過酷な環境よりも、システムの不備という名の「超常現象」に苦しめられていることが分かります。

バグという名の砂嵐

どす恋まん花も、これまでに人生の半分を捧げたかのように火星で過ごしてきましたが、この「バグ」だけは一向に慣れません。特に深刻なのが、ゲームが進行するにつれてデータが肥大化し、ロード時間が天文学的な数字に膨れ上がる問題です。

初期の数時間は快適でも、100日(Sol)を超える頃には、セーブデータを読み込む間に一杯のコーヒーどころか、火星でジャガイモを収穫できてしまうのではないかというほど待たされます。これは単なる最適化不足という言葉では片付けられない、ゲームの構造的な欠陥です。

また、不意のフリーズや強制終了も日常茶飯事です。苦労して構築した電力網や、精密な作業を要する基板修理の最中に画面が固まる絶望感。これはプレイヤーの努力を根本から否定する行為であり、サバイバルゲームにおいて最も避けるべき「理不尽な死」よりも性質が悪いと言わざるを得ません。

開発の優先順位への疑問

多くのプレイヤーが指摘しているのは、こうした致命的な不具合を放置したまま、開発側が「協力プレイ(Co-op)」の実装を優先したことです。

一人で遊ぶことすら困難なバグの温床に、他人を招待して何が楽しいのか? という冷ややかな声がレビュー欄には溢れています。以下のレビュアーの言葉は、まさに多くのベテランが抱く共通の憤りでしょう。

(プレイ時間: 423時間) There’s been a bug in the game for a few years now where after day 100 your load time becomes astronomical. Rather than fix that they decided co-op was more important. I can’t in good conscience recommend it knowing the dev team can’t properly prioritize.
(このゲームには数年前から、100日経過後にロード時間が天文学的になるというバグがあります。開発者はそれを直す代わりに、協力プレイの方が重要だと判断しました。開発チームが優先順位を正しく設定できていないと知っていて、良心を持ってこれをお勧めすることはできません。)

このように、長期プレイを前提としたゲームでありながら、長期間遊ぶほどプレイヤーを苦しめる仕様は、まさに自己矛盾の極みです。

火星を占拠する前に、まず自分たちのコードを占拠して整えるべきではないでしょうか。

不満の元凶「They」の分析

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※集計サンプル数: 100件

頻出単語データを見ると、非常に興味深い傾向が見て取れます。
最も多く登場する単語は「They(彼ら)」、次いでドイツ語の「Das(それ)」「Ist(〜である)」「Ich(私)」といった言葉が並んでいます。

「彼ら」はどこへ向かっているのか

この「They」が指すもの、それは間違いなく「開発者たち」です。
プレイヤーのレビューを読み解くと、「彼ら(開発者)はSubnauticaをコピーしたが、その本質を理解していない」「彼らはフィードバックを聞いていない」といった、開発姿勢に対する強い不信感が透けて見えます。

まん花も、親の顔より見た画面を前に何度も首を傾げました。本作は『Subnautica』の成功を意識しているのは明白ですが、あちらが「恐怖と探索のバランス」が絶妙だったのに対し、こちらは「ただただ面倒な作業」が探索の足を引っ張っています。

例えば、新しいアイテムを作るために、なぜか放棄された基地のエアロックを一つひとつ手作業で開き、同じアニメーションを何百回も見せられる。この「プレイヤーの時間を尊重しない」姿勢が、レビューにおける「They」への攻撃性に繋がっているのです。

模倣とオリジナリティの狭間で

また、ドイツ語の頻出単語が多いのは、欧州のシミュレーター愛好家たちが本作に熱視線を送っている証拠でもあります。彼らは非常に厳格で、リアルであることを求めますが、同時に「論理的であること」も重視します。

ところが本作のシステムは、時にリアルを通り越して非論理的です。例えば「コンバーターを直列に繋げない」といった、工学的に不可解な制限。これに対し、シミュレーターに厳しいドイツ人プレイヤーたちも悲鳴を上げています。

(プレイ時間: 12時間) Ich mache es ungern, die Idee ist toll, aber das Spiel ist sehr unzugänglich. Statt Quicktipps zu bekommen, muss man die Ingame Dokumentation mit spärlichen Infos lesen, oder Youtube Guides gucken. […] Wer keine Lust hat eine Wissenschaft aus einen Spiel zu machen, sollte es lassen.
(不本意ですが、アイデアは素晴らしいものの、このゲームは非常に不親切です。クイックヒントの代わりに、情報の乏しいゲーム内ドキュメントを読むか、YouTubeのガイドを見るしかありません。……ゲームを学問にすることに興味がない人は、やめておくべきです。)

リアルさを追求するあまり、プレイヤーの快適性を「They(彼ら)」が置き去りにしてしまった結果、火星は開拓者にとっての「職場」ではなく「刑務所」になってしまったのかもしれません。

模倣は最大の賛辞ですが、魂までコピーできなければ、それはただの劣化品で終わります。


ユーザーが直面する現実

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火星での一日は、華々しい探検から始まるのではありません。
それは、指紋がなくなるほど繰り返される「腕のタブレット操作」と、終わりのない「部品探し」から始まります。

腕のタブレットが奪う没入感

本作のUIは、プレイヤーの腕に装着されたタブレットを通じて行われます。設定上は没入感を高めるための演出ですが、実際にはこれがストレスの根源です。
何かを食べる、ヘルメットを脱ぐ、酸素を確認する。そのたびに腕を掲げ、小さな画面の中をカチカチと操作しなければなりません。

現実の火星でそんなことをしていたら、操作ミスで即座に命を落とすでしょう。さらに、このUIが非常に「もっさり」しており、クリックの反応が悪い。火星の砂嵐に巻かれる恐怖よりも、タブレットが反応しない焦燥感で心拍数が上がるのは、ゲームデザインとしていかがなものでしょうか。

命を懸けた「お使い」と修理の苦行

さらに、プレイヤーを待ち受けるのは「ハイパー・リアリズム」という名の苦行です。
故障した基板を修理するために、はんだごてを握り、一つひとつの回路をチェックする。最初は新鮮ですが、これが数十回、数百回と続くとどうなるか。それはもはやゲームではなく、賃金の発生しない深夜残業です。

特に序盤の導線は最悪の一言。何をすればいいのか分からないまま酸素が尽き、ようやく見つけた基地ではロックされたドアに行く手を阻まれ、放射能に焼かれて死ぬ。この体験を、以下のレビュアーは「エゴの押し付け」とまで断じています。

(プレイ時間: 134時間) I can’t recommend the game at this time, there is far too many audio glitches and the devs have shown that they are willing and have the ego to lock the player into actions for months before finally relenting… honestly after the irritation the devs are causing I lost all excitement from other game announcements from them.
(現時点ではお勧めできません。オーディオのグリッチが多すぎますし、開発者はプレイヤーを数ヶ月間も特定の行動に縛り付けるようなエゴを持っています。正直、開発者が引き起こしているイライラの後では、彼らの他のゲーム発表に対する興奮もすべて失ってしまいました。)

「難易度が高い」ことと「不便で退屈である」ことは全く別の概念であるということを、このゲームは教えてくれます。

プレイヤーが求めているのは「火星での生活」であって、「火星での事務作業」ではないのです。

それでも支持される理由

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ここまで散々なことを書いてきましたが、ではなぜ、どす恋まん花は時空が歪むほどの時間をこのゲームに費やしてきたのでしょうか。
それは、このゲームにしか存在しない「毒」のような魅力があるからです。

「火星の人」になれる唯一無二の体験

本作をプレイしていると、映画『オデッセイ』のマーク・ワトニーになったような錯覚に陥る瞬間があります。
嵐で壊れた太陽光パネルを必死に直し、限られた電力で温室を温め、ようやく芽吹いたジャガイモを見た時の感動。これは、他の簡略化されたサバイバルゲームでは決して味わえない「本物の達成感」です。

不便さは、裏を返せば「解き甲斐のあるパズル」でもあります。複雑な配線をやりくりし、基地全体の酸素循環が安定した瞬間の安堵感は、まさに脳汁もの。この「面倒くささの先にあるカタルシス」に取り憑かれた者だけが、火星の土を噛み締める資格を持つのです。

理不尽さえも愛おしい「死に様」の美学

また、本作には「Dumb ways to die(おバカな死に方)」という実績がある通り、開発側もどこか火星での死を楽しんでいる節があります。
ヘルメットを被り忘れてエアロックを開けて吹き飛んだり、採掘中に自分の掘った岩の下敷きになったり、ATVでジャンプして顔面を強打したり……。

こうした理不尽な死すらも、笑い飛ばせる心の余裕があれば、火星は最高のプレイグラウンドに変わります。バグも、不便なUIも、すべては「過酷な火星の一部」として飲み込んでしまう。そんな廃人たちの愛によって、このゲームは支えられているのです。

欠点だらけの不肖の息子ですが、火星への愛だけは誰にも負けない、そんな歪な情熱がここにはあります。


最終評価と購入ガイド

『Occupy Mars: The Game』は、間違いなく人を選びます。
それは万人向けのエンターテインメントではなく、選ばれし「変態(褒め言葉)」たちのための、高難度シミュレーターです。

バグは多い、UIは不親切、開発の歩みは亀のごとく遅い。それでも、あなたが「本気で火星に住みたい」と願うなら、これ以上の選択肢は他にありません。

✅ 購入をお勧めする人

  • 『火星の人(オデッセイ)』の世界観に憧れ、ジャガイモ栽培に命を懸けられる人
  • 複雑な配線や電子回路の修理など、細かい作業に快感を覚えるシミュレーター廃人

❎ 購入を避けるべき人

  • バグや最適化不足に対して耐性がなく、スムーズなゲーム体験を重視する人
  • 「お使い」や「単純作業」を嫌い、テンポの良い探索や戦闘を求めている人

どす恋まん花でした。
いつか火星の砂漠で、あなたとはんだごてを交えられる日を楽しみにしています。


執筆:どす恋まん花

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