皆さま、ごきげんよう。人気ゲームライターのどす恋まん花です。
本日取り上げるのは、Steamで「圧倒的に好評」という凄まじい支持を得ながらも、その一方で一部のプレイヤーから「あまりにも理不尽」「時間の無駄」と手厳しい洗礼を受けている話題作、『Our Adventurer Guild』です。
何を隠そう、このまん花、このゲームには既に2000時間という、客観的に見れば「正気の沙汰ではない」時間を投じてまいりました。ギルドの運営、冒険者の育成、そして理不尽なダイスロールに一喜一憂する日々。もはや私の日常の一部、いえ、生活の基盤と言っても過言ではありません。
しかし、愛しているからこそ、見えてくる「トゲ」があります。本作が抱える構造的な問題、そして低評価を投じたプレイヤーたちが何に絶望したのか。データと実体験に基づき、どす恋まん花がその核心を鋭く突いていきたいと思います。
作品概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ゲームタイトル | Our Adventurer Guild |
| 発売日 | 不明 |
| 開発元 | 不明 |
| 総レビュー数 | 2,952件 |
| 評価内訳 | 高評価: 2,823 / 低評価: 129 |
| 好評率 | 96% |
| 平均スコア | ★★★★★ (4.8) / 5.0 |
| 日本語対応 | 有(有志翻訳ベースの公式対応) |
| 概要 | ギルドマスターとなり、冒険者を雇用・育成してギルドを再建するタクティカルRPG兼経営シミュレーション。 |
| 対応機種 | PC (Steam) |
データが示す不満の傾向

本作に対する不満の声を集計したところ、非常に興味深い結果が得られました。不満カテゴリの第1位は「ストーリー/テンポ」で24件、次いで「操作性/戦闘」が21件、「理不尽な難易度」が17件と続きます。
冗長さが「ボリューム」という皮を被るとき
このゲームを語る上で避けて通れないのが、その「プレイ時間の重さ」です。多くの高評価レビューが「大ボリューム」と称賛する一方で、低評価を下したプレイヤーの多くは、それを「単なる冗長な作業」と断じています。
特に中盤以降、キャラクターのレベルアップが極端に鈍化する点は、多くのプレイヤーの心を折る要因となっています。1つの依頼につき3〜5回の戦闘をこなさなければならず、その1つ1つが思考を要するタクティカルバトル。1回の依頼に1時間近くかかることも珍しくありません。この「拘束時間の長さ」が、忙しい現代のゲーマー、特に「タイパ」を重視する層にとっては、耐え難い苦痛へと変貌するのです。
まん花も、人生の半分をこのゲームのローディング画面と戦闘グリッドに捧げてきた身として、その気持ちは痛いほど分かります。戦略を楽しむ余裕があるうちは良いのですが、素材集めやレベル上げのために同じような構成の敵と何度も戦わされるフェーズに入ると、ふと「私は一体、人生の貴重な時間を使って何をしているのだろうか?」という哲学的な問いに襲われる瞬間があるのです。
ギルド運営という名の「リストラ推奨」システム
また、ゲームの根幹である「ギルド運営」についても、厳しい指摘が相次いでいます。本来であれば、多種多様な冒険者を雇用し、複数のチームを効率よく回すのがギルドマスターの醍醐味であるはずです。しかし、実際には「最強の1チーム」を固定して運用するのが最も効率的であり、他の冒険者は「無駄飯ぐらい」になってしまうという構造的な欠陥があります。
育成の手間があまりにも膨大であるため、複数のパーティを均等に育てる余裕がなく、結果として戦略の幅を自ら狭めてしまう。この「運営シミュレーションとしての底の浅さ」を指摘する声は、特に数十時間プレイした「中堅プレイヤー」に目立ちます。
(プレイ時間: 29時間) 強いキャラを一つのチームにまとめて、予備で1~2チームいれば十分だということに。 そもそも上記のレベル上げの作業がただでさえ大変なのに、それを何チームもやることでより強力で冗長的な作業を繰り返すことが出来るのである。 ぶっちゃけ弱い無駄飯ぐらいを雇うくらいなら支出を減らすために最小限だけ残してあとは全員クビにしたほうがいいまである。 これってギルドを運営するゲームとしてはどうなの?と首をかしげたくなってしまう。
この不満は、まさに「理想のギルド運営」を夢見て本作を手に取ったプレイヤーが、ゲームの最適解が「少数精鋭の固定化」であるという現実に突き当たった時の落胆を象徴しています。
ボリュームの正体が「終わりのない石積み」であると感じたとき、愛は憎しみに変わるのです。
不満の元凶「Your」の分析

頻出単語データを見ると、興味深いことに「Your」という単語が63回とトップを独走しています。これは、プレイヤーが直面するあらゆる問題が「Your(あなたの)」キャラクター、「Your(あなたの)」リソース、「Your(あなたの)」決断に直結していることを示唆しています。
「あなたの」管理責任がストレスに変わる瞬間
本作において「Your」が多用されるシチュエーションは、主に冒険者の管理画面です。本作の冒険者たちは、驚くほど繊細で、驚くほど手がかかります。戦闘で傷つけば「Your Mercenary is hurt」と警告され、メンタルが削れれば「Your Mercenary is unhappy」と通知が来ます。
ここでの最大の問題は、その管理プロセスが「面白さ」ではなく「煩わしさ」に寄っている点です。怪我を治すにはお金と時間がかかり、魔法で治療すればなぜか機嫌を損ねる。酒を飲ませれば酔っ払い、放置すればギルドを去る。まん花も、親の顔よりも見たあの「不幸アイコン」が画面に並ぶたびに、溜息を禁じ得ませんでした。
プレイヤーは「ギルドマスター」として彼らを慈しむ存在でありたいと願う一方で、システムは「壊れやすい消耗品」をメンテナンスし続ける作業をプレイヤーに強いてきます。この「あなたの」部下たちが、言うことを聞かない、すぐに不機嫌になる、そして管理を怠れば丹精込めて育てたキャラクターが永久に離脱するというペナルティ。この「Your」に込められた責任の重さが、次第にプレイヤーを疲弊させていくのです。
操作性の不備が「あなたの」時間を奪う
また、UIや操作性の不備も「Your」の不満を高めています。例えば、冒険者が不機嫌であることに気づかず、うっかり「次の日」に進めてしまっただけで、何十時間もかけて育てたエースユニットが永久離脱する。そして無情にもその直後にオートセーブが走る。
このような「プレイヤーのうっかり」に対するフォローが一切ない、冷徹なまでのシステム設計。これが「Your mistake(あなたのミス)」として突きつけられるとき、プレイヤーは深い無力感に襲われます。
(プレイ時間: 90時間) Overall I really liked this game, however cannot recommend due to one extremely frustrating issue/feature that is completely pointless. Basically, when you end up with a pretty built up guild it can be easy to miss the little “person is unhappy” icon, and if you simply click too fast, the character you’ve spent hours/days/weeks building up… Gone.
(日本語訳:全体的にはこのゲームをとても気に入っていましたが、ある極めてイライラする無意味な仕様のせいで、お勧めすることができません。ギルドが大きくなってくると、「不幸アイコン」を見落としやすくなります。単にクリックが早すぎただけで、何時間も、何日も、何週間もかけて育てたキャラクターが……消えてしまうのです。)
このレビューが指摘するように、プレイヤーが積み上げた努力を一瞬の操作ミスで灰にするデザインは、現代のゲームとしてはあまりに不親切だと言わざるを得ません。
「あなたの」努力がシステムの不備で無に帰すとき、ゲームは娯楽からストレスの根源へと堕落します。
ユーザーが直面する現実
本作を手に取ったプレイヤーが最初に突き当たる壁、それは「理想と現実のギャップ」です。プロモーションから受ける「ファンタジー世界での楽しいギルド運営」という印象は、プレイ開始から数時間で、冷酷な「数値管理と運ゲーの地獄」へと塗り替えられます。
成功率95%の裏切り
タクティカルRPGにおいて、命中率や成功率は生死を分ける重要なファクターです。本作においてもそれは同様ですが、多くのプレイヤーが「95%の罠」に憤っています。
データによれば、本作の成功率上限は95%に設定されています。つまり、どんなに万全を期しても5%の確率で失敗する。そして、この5%が信じられないほど頻繁に「ここぞという場面」で発生するのです。まん花も、指紋がなくなるほどマウスをクリックし、必勝の策を練り上げた最後の一撃が「Miss」と表示された瞬間、虚空を見つめることしかできませんでした。
この「コントロールできない不運」が、難易度の高さと相まって、プレイヤーに「理不尽」という印象を強く植え付けています。特に、高難易度設定でのパーマデス(永久死)をオンにしている場合、その5%の不運が数千時間の努力を無に帰す。これはもはやゲームではなく、一種の修行に近い苦行です。
貧弱なビジュアルと「内面」の乖離
また、低評価の理由として少なくないのが、そのグラフィック、いわゆる「アートスタイル」への拒絶反応です。
「MSpaint(ペイントソフト)で描いたような絵」「中学生の落書き」と揶揄されることもあるビジュアルは、確かに昨今の美麗な3Dグラフィックを見慣れた層には、非常に高いハードルとなります。
しかし、問題の本質は絵の巧拙そのものではありません。その「素人臭い外見」と、ゲーム内容の「えげつないまでのハードコアさ」のギャップにあるのです。見た目から「ライトな冒険もの」だと思って入り込んだ初心者が、中身の「殺意の塊のような敵の数」と「緻密すぎるリソース管理」に叩きのめされる。このアンバランスさが、特にプレイ時間の短い層(2時間未満の返金推奨レベル)の離反を招いています。
(プレイ時間: 13時間) 我连着玩了6个小时,每个小时都觉得这个游戏好玩,但是因为成功率上限只有95,因此我有6次95%的概率会给你好评,最後神奇的骰子丢出了100,100,97,96,99,100,所以我最後只能给你差評了
(日本語訳:6時間ぶっ続けでプレイして、毎分このゲームを面白いと感じていた。成功率の上限が95%だから、95%の確率で高評価を付けるつもりだった。でも、不思議なダイスが100, 100, 97, 96, 99, 100を出しやがった。だから最後には低評価を付けるしかないんだ。)
このレビューは非常にユーモラスでありながら、本作の本質的な痛みを突いています。どれだけシステムを愛そうとしても、確率という名の理不尽がプレイヤーを嘲笑う。その瞬間、どれほどゲームが面白くても「差評(低評価)」を付けざるを得ないほどの怒りが湧き上がるのです。
95%の安心が5%の絶望に負け続けるとき、プレイヤーの心は摩耗し、やがて折れます。
それでも支持される理由
ここまで散々、本作の「欠点」や「不満」を書き連ねてきましたが、それにもかかわらず本作の好評率は96%という驚異的な数値を維持しています。これは一体どういうことでしょうか?
答えは単純です。本作には、それらすべての不満を補って余りある「育成の魔力」と「カスタマイズの自由度」が存在するからです。
「わしが育てた」という至高の達成感
本作の醍醐味は、名もない傭兵を雇用し、彼らが独自の特性を得て、最強の冒険者へと成長していく過程にあります。特定のクラスを極め、相性の良いスキルを組み合わせ、自分だけの「最強パーティ」を構築する。この過程は、かつてのクラシックなRPGが持っていた「成長の喜び」を純粋な形で抽出しています。
まん花も、脳細胞がギルドの形に再構築されるほど没頭した理由は、この「愛着」にあります。どれだけシステムが不親切でも、どれだけ絵が素朴でも、自分が手塩にかけて育てた冒険者が、強敵をなぎ倒す姿を見れば、それまでの苦労は一瞬で霧散してしまうのです。
「地獄」を「天国」に変えるカスタム難易度
そして、本作が「神ゲー」と呼ばれる最大の要因は、非常に細かく設定可能な「カスタム難易度」にあります。
低評価レビューで挙げられた不満の多く――「経験値稼ぎが大変」「命中率上限が納得いかない」「パーマデスが辛い」といった要素は、実はすべてオプションで調整可能なのです。
高評価を付けている「廃人プレイヤー」たちは、決して理不尽な難易度をそのまま受け入れているわけではありません。自分にとって「最も楽しく、かつ歯ごたえのあるバランス」に設定をいじくり回し、自分専用のゲームへと昇華させているのです。開発者がプレイヤーを突き放しているようでいて、実は「面白くする権利は君たちにある」と全権を委ねている。この設計思想に気づいたプレイヤーにとって、本作は無限に遊べる「沼」となります。
翻訳とローカライズの妙
また、日本語ユーザーにとって嬉しいのは、翻訳の質が非常に高い点です。有志の方々の尽力により、キャラクターの掛け合いやスキルの説明、世界観の描写に至るまで、違和感のない日本語で楽しむことができます。ストーリー自体は王道ですが、キャラクター同士の絆が深まるイベントなどは、プレイのモチベーションを維持する大きなスパイスとなっています。
不便さを楽しむ「マゾヒズム」と、それを克服する「知略」、そして自分好みに調整する「自由」。これらが三位一体となったとき、本作は唯一無二の輝きを放ちます。
欠点すらも「味」として飲み込めるほど、育成の深みと自由度がプレイヤーを虜にするのです。
最終評価と購入ガイド
『Our Adventurer Guild』は、決して万人に勧められる「優等生」なゲームではありません。むしろ、人を選ぶ要素の塊です。
しかし、もしあなたが「便利すぎる現代のゲーム」に飽き足りており、自分の手で泥臭く道を切り拓く快感を求めているなら、これ以上の選択肢はありません。まん花が網膜にグリッド線が焼き付くまで見続けたあの光景を、ぜひあなたにも体験していただきたい。
不満点は確かにあります。テンポは悪く、管理は面倒で、ダイス運に泣かされる。しかし、それらすべてを乗り越えて「伝説のギルド」を築き上げた時、あなたはきっとこのゲームに高評価を投じていることでしょう。
最後に、購入を検討している方へのアドバイスを添えて、この記事を締めくくりたいと思います。
✅ 購入をお勧めする人
- 「自分だけの最強パーティ」を育てることに至上の喜びを感じる人
- 難易度設定を細かく調整し、自分に最適なバランスで遊びたい人
- 古き良きTRPGや、骨太なタクティカルバトルを愛する人
❎ 購入を避けるべき人
- 美麗なグラフィックや派手な演出をゲームに求めている人
- 「タイパ」を重視し、無駄な作業や待ち時間を極端に嫌う人
- 不運なダイスロール一つでキャラクターを失うことに耐えられない人
どす恋まん花がお送りしました。それでは、良きギルド運営ライフを!
執筆:どす恋まん花
