Pioneers of Pagoniaレビュー:期待の新作に潜む「低評価」の正体とは?

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皆さま、ごきげんよう。どす恋まん花です。

ついにこの日がやってきました。伝説の「Settlers」シリーズの生みの親、フォルカー・ヴェルトリッヒ氏が手掛ける最新作『Pioneers of Pagonia』。街づくりゲームを愛する者たちにとって、これは単なる新作ではなく、一つの聖典の誕生に近い期待感を持って迎えられました。

どす恋まん花は、このパゴニアの地に既に2000時間を捧げてしまいました。それほどまでにこのゲームには、人を狂わせる「魔力」があるのは事実です。しかし、Steamのレビュー欄を覗けば、そこには賞賛の声と同じか、あるいはそれ以上に重い「低評価」の叫びが渦巻いています。

「神ゲーなのか、それとも期待外れのクソゲーなのか?」

今回は、データと廃人プレイヤーとしての熱量を武器に、本作の光と影を徹底的に解剖していきたいと思います。購入を迷っている皆さま、そして既にパゴニアの霧に迷い込んでいる皆さま。どうぞ、最後までお付き合いください。

目次

作品概要

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霧の島々を巡る壮大な旅

『Pioneers of Pagonia』は、大惨事によって無数の島々に分断され、深い霧に包まれた世界「パゴニア」を舞台とする、街づくりと経済シミュレーション、探索、戦闘が融合したストラテジーゲームです。プレイヤーは勇敢な開拓者であり航海士として、仲間たちを率い、失われた希望を取り戻し、世界を再建することを目指します。

ゲームシステムの中核をなすのは、詳細にシミュレートされた経済と街づくりです。60種類以上の建物と100種類以上の商品を駆使して集落を発展させ、資源の生産から加工、流通までを可視化された生産チェーンで管理します。数千もの住民(パゴニア人)が同時に働き、取引し、生活する様子は、道路や輸送経路といった動的な物流システムを通じて表現され、リアルな経済活動を体感できます。

シミュレーションと探索の融合

ゲームの目的は、分断された島々を探索し、失われた部族を見つけ出し、新たな技術を解明することにあります。プロシージャル生成される多様な島々では、それぞれ異なる風景、課題、そして独自の派閥との出会いが待っています。他派閥との交易やクエストを通じて友好関係を築き、同盟を広げながら、霧の奥に潜む危険な敵「ホロウド」や山賊と対峙し、軍を率いて戦術的に戦います。経済の強化が防衛力に直結し、発見される遺物が戦略に影響を与えることもあります。

物語は「展望の塔」を探し求める壮大なストーリーキャンペーンを中心に展開され、ユニークなミッションやキャラクターとの出会いを通じて、世界の謎を解き明かしていきます。さらに、本作は最大4人までの共有協力プレイに対応しており、仲間と共に集落を築き、資源を管理し、計画を立てて世界を形作る楽しさを共有できます。また、統合されたマップエディターを使えば、プレイヤー自身が独自の島や冒険を作成し、コミュニティと共有することも可能です。

本作は、単なる街づくりにとどまらず、失われた世界を「接続する」という哲学的なテーマを内包しています。

項目 内容
ゲームタイトル Pioneers of Pagonia
発売日 2025年12月11日
開発元 Envision Entertainment
総レビュー数 5,134件
評価内訳 高評価: 4,229 / 低評価: 905
好評率 82%
平均スコア ★★★★☆ (4.1) / 5.0
メタスコア 82 / 100
日本語対応 ✅ 対応
概要 霧に覆われ失われた世界に、希望を取り戻そう。 開拓者たちを率いてパゴニアの諸島を巡り、散り散りになった部族をまとめ、豊かな共同体を築き上げよう。 そして、新たなストーリーキャンペーンで、世界を取り戻しながら自分たちの民の歴史を解き明かしていこう。
対応機種 PC (Steam)

美しき「接続」の裏側に、プレイヤーを絶望させる「分断」が潜んでいることも忘れてはなりません。


データが示す不満の傾向

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※集計サンプル数: 100件

マップと探索に潜む「底なしの虚無」

不満カテゴリの内訳データを見ると、最も多くの不満を集めているのは「マップ/探索」の16件です。これは「ストーリー/テンポ」と並んで、本作の評価を二分する最大の急所となっています。

まん花は、このゲームに人生の半分を費やしたと言っても過言ではありませんが、それでも擁護しきれないのがこの探索の「単調さ」です。プロシージャル生成される島々は、一見すると多様性に富んでいるように見えます。しかし、実際にプレイを重ねると、どの島も結局は「同じことの繰り返し」であることに気づかされます。霧を晴らし、新しい土地を見つけ、そこにある資源を確保する。このプロセスに、プレイヤーの心を揺さぶるようなサプライズが欠けているのです。

期待された「開拓」と現実の「作業」

プレイヤーが求めていたのは、未知の土地で新しい文化や技術に出会う「冒険」でした。しかし、提供されたのは、境界線を広げるために見張り塔を建て、石を運び、兵士が配置されるのをじっと待つという、極めて事務的な「作業」です。この「期待と現実のズレ」が、低評価の大きな要因となっています。特にやり込み勢になればなるほど、この構造的な欠陥がボディブロウのように効いてくるのです。

(プレイ時間: 18時間) Sure it’s a competent game. But it’s just so dull, forgettable and uninspired. Just like this review.
(翻訳:確かに完成度の高いゲームだ。だが、あまりにも退屈で、記憶に残らず、独創性に欠ける。ちょうど、このレビューのようにね。)

プレイヤーが求めているのは「効率化」ではなく「興奮」であり、本作の探索システムはその対極にあるのかもしれません。

多くのユーザーが指摘するように、マップの広大さに対して移動速度や物流のスピードが追いついておらず、それが「探索=苦行」という図式を作り上げてしまっています。どれだけ美しい景色が広がっていても、そこに至るまでの時間が「無」であれば、それはエンターテインメントとして成立しにくいのです。

探索という名の「待ち時間」が、開拓者たちの情熱を霧の中に埋もれさせています。

不満の元凶「Die」の分析

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※集計サンプル数: 100件

ドイツの魂が叫ぶ「Die」の意味

頻出単語TOP7を見ると、1位は「Die(50回)」、2位は「Das(48回)」、3位は「Und(43回)」と続きます。これらはドイツ語の定冠詞や接続詞であり、本作がいかにドイツ語圏のプレイヤーから熱い(そして厳しい)注目を浴びているかを示しています。しかし、この「Die」という言葉には、もう一つの、そしてより深刻な意味が込められています。

それは、文字通り英語としての「Die(死)」です。

まん花は親の顔より見た画面を凝視し続け、ある一つの結論に達しました。本作の戦闘システムは、極めて「残酷な消耗戦」なのです。多くのプレイヤーが低評価の理由として挙げる「理不尽な戦闘」において、この「Die(死)」という単語は、自分たちの手塩にかけた兵士や開拓者が、あまりにも無機質に、そして大量に命を落としていく現状を象徴しています。

兵士たちが「波」のように消えていく

本作の戦闘は、洗練された戦略や戦術が入り込む余地が少ない、いわゆる「数の暴力」と「ジャンケン(属性)」の極致です。敵のキャンプを一つ潰すために、何十人、何百人という兵士を送り込み、彼らが順番に1対1で戦い、次々と倒れていく様子を眺める。そこには英雄的な勝利も、鮮やかな逆転劇もありません。ただ、生産ラインから供給される「資源としての命」が、敵の数値を削るためだけに消費されていく。このドライすぎる設計が、情緒的な繋がりを求めるゲーマーの心を折っているのです。

(プレイ時間: 6時間) Genuinely terrible for one very simple reason: The combat. … In Pagonia you instead have to think like a soviet general. You send waves and waves of pioneers to certain death until the enemy is ground to dust.
(翻訳:たった一つの単純な理由で、心底ひどいゲームだ。それは戦闘だ。……パゴニアでは、ソビエトの将軍のように考えなければならない。敵が塵になるまで、開拓者の波を次から次へと確実な死へと送り込むのだ。)

戦闘が「知略」ではなく「算術」に成り下がっている点が、ストラテジー愛好家の誇りを傷つけています。

兵士一人ひとりを訓練し、装備を整えるまでの苦労を考えれば、その最期があまりにもあっけないことは、プレイヤーにとって耐え難いストレスとなります。しかも、その「死のサイクル」を維持するために、さらなる内政の重圧がのしかかる。この負のループが、「Die」という言葉に込められた絶望の正体なのです。

パゴニアの英雄は、勝利を収める者ではなく、ただ「最後に残った死体の数」で決まります。


ユーザーが直面する現実

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5倍速の先にある「35分間の静止」

さて、ここからは実際にプレイヤーがどのような「地獄」を体験しているのか、その解像度を上げて描写してみましょう。

まん花はキーボードが擦り切れるほど本作を叩き込んできましたが、ミッションの中盤から終盤にかけて訪れる「停滞の沼」は、まさに精神的な拷問と言えます。

想像してみてください。あなたは今、最後の目的である「魔法の石」を祭壇に運ぼうとしています。石は画面の端、ほんの少し先の霧の中にあります。しかし、そこはあなたの領土ではありません。あなたは「見張り塔」を建て、境界を広げる指示を出します。ここからが本当の戦いの始まりです。

石工が山を登り、石を切り出し、運び屋がそれを建築現場まで運ぶ。建築家がトボトボと歩いてやってきて、トンテンカンと基礎を作る。塔が完成すると、今度は警備兵が遠く離れた兵舎からゆっくりと歩いてきます。彼らが到着して初めて、領土が数メートル広がります。これを何度も、何度も繰り返すのです。5倍速モードに設定していても、この「数メートル」の拡張に、現実世界で30分以上の時間が溶けていくのです。

物流という名の迷宮で失われる時間

その間、プレイヤーにできることは何もありません。ただ画面を眺め、パゴニア人が列をなして歩く姿を見つめるだけです。もし、この途中で「炭鉱の食料が足りない」とか「パン屋の小麦が止まった」といったトラブルが発生しようものなら、事態はさらに悪化します。物流のボトルネックが一度発生すると、その修正が反映されるまでには、再び膨大な「待ち時間」を支払わなければならないからです。

(プレイ時間: 47時間) I timed the final objective of mission 5 for an example: Fetch a magic stone and bring it to an altar. Total time: 35 minutes!!! During these 35 minutes there is absolutely nothing to do (as in zero clicks or other interactions with the game).
(翻訳:ミッション5の最終目標を計測してみた。「魔法の石」を拾って祭壇に運ぶ。合計時間:35分!!! この35分間、やるべきことは全く何もない。クリック一つ、インタラクション一つとしてね。)

「シミュレーションの緻密さ」が、皮肉にも「ゲームとしてのテンポ」を完全に破壊してしまっているのです。

さらに、敵対勢力の存在がこのストレスを加速させます。せっかく広げた領土に、どこからともなく現れた盗賊が侵入し、資源を盗んでいく。あるいは、スペクター(亡霊)が兵士を一般人に戻してしまう。これらの妨害に対処するために、再び「生産と訓練と移動」のサイクルを回さなければなりません。この終わりのない「賽の河原」のような作業に、多くのプレイヤーが「虚無」を感じ、返金ボタンへと指を伸ばすのです。

画面の中で何千人が動いていても、プレイヤーの心は「完全な静止状態」に置かれています。

それでも支持される理由

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「セトラーズ」の血脈を感じる至福

ここまで厳しい現実を突きつけてきましたが、それでも本作が高い好評率を維持しているのには、明確な理由があります。

どす恋まん花は三食昼寝付きでこのゲームに通い詰めましたが、その理由を一言で言えば「圧倒的な内政の心地よさ」に尽きます。本作は、かつての『Settlers II』や『Settlers III』が持っていた「ちまちまと動く可愛らしい世界」を、現代の技術で完璧に再現しています。

丸太を切り、製材所で板にし、それを建築現場へ運ぶ。その一連の流れがすべて視覚化され、省略されることなくシミュレートされている様は、まさに動く工芸品です。複雑な生産チェーンを構築し、それが完璧に噛み合った瞬間のカタルシス。道路を網の目のように張り巡らせ、効率的な物流網を作り上げる楽しさ。これは、最近の簡略化された街づくりゲームでは決して味わえない、濃厚な「ドイツ流」の喜びなのです。

内政という名の芸術作品

高評価を付けているプレイヤーの多くは、この「内政のプロセスそのもの」を愛しています。勝利条件を達成することよりも、効率的な村を作り、住民たちが活発に動き回る様子を眺めることに価値を見出しているのです。敵対勢力をオフにし、自分のペースで理想の王国を築き上げるのであれば、本作は現在市場にあるどのゲームよりも深い没入感を提供してくれます。

内政に特化して楽しむ分には、本作は間違いなく「街づくりゲームの最高峰」の一つと言えるでしょう。

特に、100種類を超える商品がリアルタイムで流通する様子は、見ていて飽きることがありません。小麦が粉になり、水と合わさってパンになり、それが労働者の胃袋を満たし、さらなる資源を生み出す。この「生命の循環」とも言えるシステムこそが、多くのファンを惹きつけて離さない本作の真髄なのです。

内政という名の「完璧な歯車」を組み上げたとき、パゴニアは世界で最も美しい箱庭へと変貌します。


最終評価と購入ガイド

さて、結論のお時間です。

『Pioneers of Pagonia』は、脳裏にマップが焼き付いて離れないほどの情熱を持つファンにとっては「待望の傑作」であり、同時に、現代的なテンポやスリリングな戦略を求める層にとっては「苦痛な作業ゲー」という、極端な二面性を持った作品です。

低評価レビューが指摘する「テンポの悪さ」「理不尽な戦闘」「探索の単調さ」は、すべて事実です。これはバグや調整不足というよりも、ゲームデザインの根本的な思想から来るものです。しかし、その不便さや時間の浪費こそが「古き良きストラテジーの味」であると感じる人々がいることも、また事実なのです。

どす恋まん花としては、このゲームを「万人におすすめ」することはできません。しかし、「もしあなたが、かつてのセトラーズのあの空気感を現代に求めているのなら、これ以上の選択肢はない」と断言します。

購入を検討されている方は、以下のチェックリストを参考に、自分がどちら側の人間かを確認してみてください。

✅ 購入をお勧めする人

  • 『The Settlers』シリーズの精神的な後継作を何年も待ち続けていた。
  • 物流のボトルネックを解消することに、何時間でも費やせる。
  • 住民がちまちまと働く様子を眺めるのが、最高の癒やしである。
  • 戦闘や勝利よりも、完璧な経済圏を作り上げることに喜びを感じる。

❎ 購入を避けるべき人

  • サクサクと進むテンポの良いゲーム展開を重視する。
  • RTSのような洗練された戦術的戦闘を楽しみたい。
  • 「待ち時間」が10分以上続くと、スマホを触り始めてしまう。
  • 物語やストーリーのドラマチックな展開を期待している。

パゴニアの霧を晴らすのは、軍隊の力ではありません。あなたの「忍耐」と「内政への愛」なのです。

それでは、また次のレビューでお会いしましょう。どす恋まん花でした。


執筆:どす恋まん花

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