こんにちは。人気ゲームライターのどす恋まん花です。
皆さんは、かつて街の角にあった、あの「ビデオレンタル店」の匂いを覚えていますか?
今回、まん花が取り上げるのは、ノスタルジーという名の暴力で私たちの心を揺さぶり、Steamで圧倒的な好評を得ている話題作『Retro Rewind – Video Store Simulator』です。
正直に申し上げましょう。どす恋まん花はこのタイトルを2000時間やり込んでいます。
もはや私の血管には血液ではなく、黒い磁気テープが流れているのではないかと思うほど、この店に人生を費やしてきました。しかし、愛しているからこそ、見過ごせない「歪み」があります。
世間の「好評率95%」という数字に踊らされる前に、まずは私がこの店で見つけた「不都合な真実」を読んでいただきたいのです。
作品概要

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ゲームタイトル | Retro Rewind – Video Store Simulator |
| 発売日 | 不明 |
| 開発元 | 不明 |
| 総レビュー数 | 1,416件 |
| 評価内訳 | 高評価: 1,351 / 低評価: 65 |
| 好評率 | 95% |
| 平均スコア | ★★★★★ (4.8) / 5.0 |
| 日本語対応 | 不明 |
| 概要 | 概要取得失敗 |
| 対応機種 | PC (Steam) |
データが示す不満の傾向

本作の圧倒的な高評価の裏に隠された、わずか5%の「低評価」。
しかし、その低評価の内容を紐解くと、そこには無視できないほど深刻な「構造的欠陥」が浮かび上がってきます。
まん花が独自にデータを集計したところ、不満のカテゴリで最も多かったのが「ストーリー/テンポ」に関するものでした。
期待を裏切る「テンポ」の正体
まず、このゲームを手に取るプレイヤーの多くは「自分だけの理想のビデオ店を作りたい」という夢を抱いています。
しかし、実際にプレイを始めると、その夢はすぐさま「単調な労働」という現実によって塗りつぶされます。
レベルアップに必要な経験値の上がり方が異常に遅く、新しいジャンルや機能を解放するまでに、指紋がなくなるほど同じ作業を繰り返さなければなりません。
特に致命的なのが、序盤から中盤にかけての展開の遅さです。
最初の従業員を雇うまでに十数時間を要することも珍しくなく、それまではたった一人で「返却されたビデオを棚に戻す」「レジを打つ」「チラシを配る」というルーチンを延々とこなすことになります。
これが「シミュレーターの醍醐味」と言えば聞こえは良いですが、実際には「変化のない苦行」に近いものがあります。
ゲームデザインの「虚無」
プレイヤーがどれほど店を拡大し、装飾にこだわっても、それが客数や売上に直結しないという点も大きな不満の種です。
「店を綺麗にすれば客が来る」という商売の基本原則が、このゲームの内部データでは機能していないように感じられます。
結局のところ、どれだけ努力しても1日に訪れる客の数は一定であり、売上も頭打ちになります。
この「努力が報われない構造」こそが、熱心なゲーマーほど早期に「飽き」を感じてしまう原因なのです。
多くの低評価レビュアーが指摘するように、レベル10を超えたあたりから、ゲームは新しい刺激を提供することを放棄し、ただ時間が過ぎるのを待つだけの「放置ゲー」のような側面を見せ始めます。
(プレイ時間: 13時間) Ok so here is my HONEST opinion about the game. Just got done playing 10 hours straight! … CONS- 1. Probably THE MOST REPETITIVE GAME I HAVE EVER PLAYED. Literally just working the counter, checking out movies to customers or selling them snacks. Or you are checking in returns, and putting them back on the shelf. … 2. It takes FOOOORRRREEEEVVVVEERRRRR TO LEVEL UP! …
(日本語翻訳:このゲームについての私の「正直な」意見を言います。10時間ぶっ続けでプレイしました!……悪い点:1. おそらく今までプレイした中で「最も繰り返しが多いゲーム」です。文字通り、カウンターで接客するか、ビデオを貸し出すか、軽食を売るだけ。さもなければ返却をチェックして棚に戻す。……2. レベルアップに「永遠」とも思える時間がかかります!……)
このように、情熱を持って飛び込んだプレイヤーほど、その「底の浅さ」に絶望してしまうのです。
ノスタルジーという魔法が解けた瞬間、そこには単調な作業の残骸しか残っていません。
結局のところ、このゲームは「経営」を楽しませるのではなく、単に「ビデオ屋という空間に居させる」ことだけに特化してしまっているのかもしれません。
戦略的な楽しさを求める層にとって、この仕様はあまりにも残酷な裏切りと言えるでしょう。
思い出を売る商売が、いつの間にか「時間を売る苦行」へと変貌しているのです。
不満の元凶「There」の分析

次に、プレイヤーたちの叫びを言語化した「頻出単語」に注目してみましょう。
興味深いことに、低評価レビューの中で最も多く使われていた単語は、驚くべきことに「There」でした。
「There is nothing to do(やることが何もない)」「There are no impacts(影響がない)」……。
この「There」という言葉が、いかに本作の「空虚さ」を象徴しているか、まん花が鋭く分析いたします。
「存在しない」ことへのストレス
この「There」という単語の多さは、プレイヤーが期待していたものが「そこ(There)にはなかった」という喪失感の表れです。
例えば、価格設定の自由度。
自分の店なのだから、新作を高くしたり、旧作を10円で投げ売りしたりしたいと思うのは当然の欲求でしょう。
しかし、このゲームには「価格を調整するシステム」が「存在しません(There is no pricing system)」。
また、店を豪華にデコレーションしても、それが客の反応に影響を与えることもありません。
「There are no rewards for decorating(装飾に対する報酬がない)」。
プレイヤーが何かアクションを起こしても、それに対するリアクションがゲーム側から返ってこないのです。
これは、壁に向かって一人でボールを投げているようなものであり、コミュニケーションの拒絶に近いストレスをプレイヤーに与えます。
システムの「ハリボテ」感
さらに、映画に設定された「星評価(スターレーティング)」についても同様です。
「There is no point to the star ratings(星評価に意味がない)」。
映画にどんな評価がついていようと、客はランダムにビデオを手に取ります。
名作を揃えようが、B級映画で棚を埋め尽くそうが、結果は同じなのです。
親の顔より見たビデオパッケージの数々も、システム上は単なる「見た目が違うだけのデータ」に過ぎません。
この「見た目だけは整っているが、中身が伴っていない」というハリボテ感こそが、プレイ時間が伸びるにつれてプレイヤーを苛立たせる最大の要因となっています。
(プレイ時間: 18時間) … I decided to test whether or not anything does matter. I got rid of all decor, and just slapped movies on any shelf available, and didn’t organize them at all. I made the same amount of money I always did. I had the same amount of customers. You want depth? It’s all fake.
(日本語翻訳:……何かが本当に意味を持つのか試してみることにしました。装飾をすべて取り払い、映画を適当な棚に並べ、一切整理しませんでした。結果、稼いだ金額はいつもと同じで、客の数も同じでした。深みが必要ですか? それはすべて「偽物」です。)
このレビューが指摘するように、システムの「実体のなさ」に気づいてしまった瞬間、没入感は砂の城のように崩れ去ります。
プレイヤーが求めていたのは「ビデオ屋の経営」であって、「ビデオ屋の形をした何かを眺めること」ではないのです。
これほどまでに「There」という言葉が空虚に響くゲームも珍しいでしょう。
開発者は「そこにある」べきものを、もう一度再考する必要があるのではないでしょうか。
「There(そこ)」にあるのは、精巧に作られた「無」という名のインテリアでした。
ユーザーが直面する現実

では、実際にこのビデオ店を運営するということが、どのような「地獄」を伴うのか。
人生の半分をこの店のカウンターに捧げたどす恋まん花の視点から、その具体的な惨状を描写してみましょう。
読者の皆さんも、自分がその場に立っているかのように想像してみてください。
壊れたVHSと理不尽な客
朝、店を開けると、不機嫌そうな顔をしたNPCがやってきます。
彼が返却したのは、あなたが大切にしていた「限定版」のビデオ。
しかし、画面を確認すると、それは「破損」しています。
ここでプレイヤーは驚くべき現実に直面します。
このゲームには「ビデオを修理する」というコマンドが存在しません。
壊れたビデオは、ただのゴミとして棚の隅に転がしておくしかないのです。
「なぜ修理できないのか?」と叫びたくなりますが、店にはそれを解決する術はありません。
それどころか、他の客たちはレジの前で立ったまま動かなくなり、あなたが処理を終えるまで「永遠に」そこに居座り続けます。
この仕様を利用して、1日の終わりにまとめて会計をするという「チーズ(裏技的なハメ技)」が最も効率的であるという事実が、この経営シミュレーターの崩壊を物語っています。
働かない従業員と停滞する時間
苦労して雇った従業員も、あなたの味方ではありません。
彼らは隙あらばトイレにこもり、あるいはカウンターで堂々と居眠りを始めます。
あなたが外で必死にチラシを配っている間、店内の時間は止まり、ビデオの返却処理は一切進みません。
「なぜ私が、指紋がなくなるほどビデオを棚に戻し続けなければならないのか」という疑問が脳裏をよぎります。
さらに追い打ちをかけるのが、レベル上げの壁です。
新しい棚を一つ置くためのスペースを確保するのに、現実の時間で何時間もの単純作業を強いられます。
ようやくアンロックした「ポップコーンマシン」や「スラッシー(かき氷)」も、驚くほど客が購入しません。
数日かけて10個売れるかどうかというレベルであり、設置にかかった費用を回収することすら困難です。
この店での生活は、ノスタルジーを楽しむためのピクニックではなく、終わりのない重労働そのものなのです。
(プレイ時間: 14時間) … 1- Broken VHS tapes have no use — you can’t do anything with them. Add something — repair them, sell them at a reduced cost, anything. … 2- Customers won’t leave the store even if they’re not being checked out. … it’s really cheesy and repetitive. … 3- The gameplay gets boring, if I’m being real.
(日本語翻訳:……1. 壊れたVHSテープに使い道がありません。何もできないのです。修理するとか、値下げして売るとか、何か追加してください。……2. 客はレジを通さなくても店から出て行きません。……これは本当に安っぽくて、繰り返しの作業です。……3. 正直に言うと、ゲームプレイは退屈になります。)
このような「理不尽な仕様」と「未完成なシステム」が積み重なり、プレイヤーの心を削り取っていきます。
ビデオを一本借りるというささやかな楽しみの裏で、店主であるあなたはシステムの不備と戦い続けなければならないのです。
これほどまでにプレイヤーの善意を試すゲームも、そう多くはありません。
期待が高かった分、その反動で訪れる虚脱感は計り知れないものがあります。
懐かしさの賞味期限は、最初の従業員を雇う前に切れてしまうかもしれません。
それでも支持される理由

ここまで散々、どす恋まん花は本作の欠点を突いてきました。
しかし、ここで一つの矛盾が生じます。
これほどの不満がありながら、なぜ本作は「95%の高評価」を維持しているのでしょうか?
それは、本作が提供する「空気感」が、他の追随を許さないほど圧倒的だからです。
圧倒的な「Vibe(雰囲気)」の力
本作の最大の功績は、90年代のビデオレンタル店の空気を、完璧なまでに再現したことにあります。
棚に並ぶビデオのパッケージ、少し画質の荒いテレビモニター、レトロなフォント、そしてあの時代のBGM。
これらが一体となって、プレイヤーを「あの頃」へとタイムスリップさせます。
多くのプレイヤーにとって、このゲームは「経営」をする場所ではなく、「過去の思い出に浸るための聖域」なのです。
深みがない? システムがハリボテ?
そんなことは、VHSのテープがリールを回す音を聞けば、些細な問題に思えてくる――。
この「感情への訴求力」こそが、論理的な批判を押し流すほどのパワーを持っています。
「TCG Card Shop Simulator」以降のトレンド
また、近年の「ショップ経営シミュレーター」のブームも追い風となっています。
特に『TCG Card Shop Simulator』などで培われた「商品を棚に並べ、レジを打つ」というプリミティブな楽しさは、中毒性が非常に高いものです。
本作もその系譜を継いでおり、単純作業であるがゆえに「無心でプレイできる」という層を確実に掴んでいます。
たとえ売上に影響がなくても、自分の好きな映画(のパロディ)をジャンルごとに整理し、棚を美しく整える。
その行為自体に自己満足的な喜びを見出せるプレイヤーにとって、本作は最高のサンドボックスとなります。
「何も起きないこと」こそが、日常に疲れた現代人にとっての癒やしになっているという皮肉な側面もあるのでしょう。
このゲームは、シミュレーターという皮を被った「ノスタルジー専用の瞑想アプリ」なのです。
ですから、本作を評価している人たちの多くは、システムの不備を知らないわけではありません。
それを承知の上で、この「ビデオ屋の匂い」がする空間を愛しているのです。
まん花も、その気持ちは痛いほどよく分かります。
どれだけ指紋を失っても、また翌朝には開店ボタンを押してしまう……そんな魔力が確かにあるのです。
「欠点だらけの初恋」のような魅力が、このゲームには宿っています。
最終評価と購入ガイド
さて、どす恋まん花による『Retro Rewind – Video Store Simulator』の徹底分析はいかがでしたでしょうか。
本作は、「90年代のビデオ店」という舞台設定においては神ゲーであり、「経営シミュレーション」としてはクソゲーに近い、極端な二面性を持つ作品です。
高評価の波に飛び込む前に、自分が「何を求めているのか」を冷静に見極める必要があります。
あなたがビデオテープの巻き戻し音に涙するタイプなら、この店は最高の居場所になるでしょう。
しかし、緻密な経済システムや戦略的な成長を望むなら、早々に店を畳みたくなるはずです。
最後に、どす恋まん花による購入判断リストを置いておきます。
あなたの判断の一助になれば幸いです。
✅ 購入をお勧めする人
- 90年代のビデオレンタル店の雰囲気に、理屈抜きで浸りたい人
- 効率や報酬を気にせず、無心で棚に商品を並べる作業が好きな人
- 「AI生成風のシュールなアートワーク」も一つの味として楽しめる人
❎ 購入を避けるべき人
- 奥の深い経営シミュレーションや、複雑な経済システムを期待している人
- 「店を拡大・装飾すれば客や売上が増える」という当然の相関関係を求める人
- 同じ作業を何十時間も繰り返すことに苦痛を感じる人
以上、どす恋まん花がお届けしました。
それでは、次回のレビューでお会いしましょう。素敵なゲームライフを!
執筆:どす恋まん花
