皆さま、ご機嫌よう。どす恋まん花です。
世の中には「なぜこれを混ぜてしまったのか?」という禁断のレシピが存在します。例えば、繊細な味付けが命の懐石料理に、バケツ一杯の激辛ソースをぶちまけるような。今回ご紹介する『Rogue Masters』は、まさにそんな野心と無謀が同居した一作です。
まん花は、このエントロピーが渦巻く混沌とした世界に、累計で2000時間という、客観的に見れば正気の沙汰とは思えない歳月を費やしてきました。文字通り、人生の大切な一部をこのゲームの「回避ロール」に捧げてきたわけです。
本作は、Steam等のプラットフォームで「低評価」という手痛い洗礼を受けています。しかし、その不評の裏には、単なる「クソゲー」の一言では片付けられない、現代のインディーゲーム開発が抱える深い闇と、奇妙な愛着が隠されています。
今日は、指紋がなくなるほどコントローラーを握りしめてきた一人の廃人ゲーマーとして、データの裏側にある真実を丁寧に、そして鋭く解剖していこうと思います。
作品概要

このゲームは、宇宙を腐敗させる根源である「エントロピー」に立ち向かう、最大6人協力プレイの大群サバイバルアクションゲームです。文明を崩壊させる脅威に抵抗するため、プレイヤーは「意志力」を駆使して、次々と襲い来るクリーチャーの大群を退け、最終的に強大な「エントロピーのチャンピオン」の打倒を目指します。
ゲームプレイの中心は、緊張感あふれる「魂のような戦闘」です。プレイヤーは、敵の攻撃パターンを読み、適切なタイミングでの回避や防御、反撃が求められる、戦術性の高いアクションを体験します。状況に応じて最適な武器を選択する判断力や、仲間との連携が勝利への鍵となります。キャラクターの成長システムでは、様々な装備品を自由に組み合わせることで、自身のプレイスタイルに最適化されたビルドを構築できます。攻撃重視、防御特化、サポート役など、多様な戦略が可能です。さらに、広範な変身システムを通じて、キャラクターの外見を細部までカスタマイズし、自分だけのユニークな戦士を創り出すことができます。
マルチプレイヤーモードでは、最大6人のプレイヤーが協力してエントロピーに挑みます。プレイヤーは自らルームをホストしたり、サーバーリストから接続品質の良いルームを選んで参加したりすることが可能です(専用サーバーではなくピアツーピア接続)。また、インターネットに接続せずとも、オフラインで一人でじっくりとゲームを楽しめるソロモードも用意されており、好きなだけ練習や挑戦を続けられます。
特筆すべきは、ゲーム内課金(マイクロトランザクション)が一切存在しない点です。全てのゲーム内アイテムやカスタマイズ要素は、純粋にゲームプレイを通じてのみ獲得できます。そのため、プレイヤーは課金に頼ることなく、自身のスキルと努力で全てを手に入れられる、公平でやりがいのあるゲーム体験が保証されています。挑戦的なアクションと奥深いキャラクタービルド、そして仲間との協力プレイを通じて、エントロピーの脅威から宇宙を救うべく戦い抜く、壮大な冒険があなたを待っています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ゲームタイトル | Rogue Masters |
| 発売日 | 2026年1月10日 |
| 開発元 | Advance Garde, Main Leaf |
| 総レビュー数 | 225件 |
| 評価内訳 | 高評価: 162 / 低評価: 63 |
| 好評率 | 72% |
| 平均スコア | ★★★★☆ (3.6) / 5.0 |
| 日本語対応 | ❌ 未対応 |
| 概要 | Rogue Masters は、魂のような戦闘と広範なキャラクターのカスタマイズを備えた 6 人協力プレイの大群サバイバル ゲームで、失われた文明でエントロピーと戦います。 |
| 対応機種 | PC (Steam) |
データが示す不満の傾向

本作を語る上で避けて通れないのが、不評の約22%を占める「操作性/戦闘」カテゴリです。データ1の円グラフを見ると、不満のトップが「操作性」であり、次いで「ボスの強さ」「理不尽な難易度」と続きます。これらはすべて、本作の核となるアクションの手触りに直結している問題です。
親の顔より見たロード画面の先で待っていたのは、あまりにも繊細さを欠いた「暴力の嵐」でした。
1対1の美学を大群の中に放り込む無理心中
そもそも、いわゆる「ソウルライク」な戦闘システムは、敵一体一体の動きを凝視し、刹那の隙を突く「静と動」の対話を前提としています。スタミナ管理、重厚なモーション、そして一度のミスが命取りになる緊張感。これらは、少数の強敵と対峙するからこそ成立する美学です。
しかし、『Rogue Masters』が提示したのは、その繊細なシステムをそのまま「Horde(大群)」モードにぶち込むという、極めて乱暴なマリアージュでした。10体以上の敵に囲まれ、前後左右から無慈悲な攻撃が飛んでくる中で、一発の重いスイングを振ることの虚しさ。
敵の攻撃を一つ回避しても、直後に別の敵からの攻撃が0.1秒単位のズレで飛んでくるため、回避した瞬間に被弾が確定するという理不尽な状況が多発します。これはもはや、プレイヤーのスキルを試す「挑戦」ではなく、単なる「運ゲー」の領域に踏み込んでしまっています。
硬直という名の呪縛
さらに拍車をかけるのが、キャラクターの挙動に設定された長い「硬直時間」です。攻撃アニメーションの終了後や、ダメージを受けた際のノックバック。これらが大群の中では、死の宣告に等しい意味を持ちます。
プレイヤーが一度スタッガー(よろけ)状態に陥ると、周囲の敵から次々と追撃を受け、そのままハメ殺される、いわゆる「チェインストレス」が頻発します。どす恋まん花も、この理不尽な死を何度体験し、モニターの前で深いため息をついたか数え切れません。
開発側は「戦略的な立ち回り」を求めているのかもしれませんが、現状のシステムでは、敵から逃げ回りながら細々と斬りつける「一撃離脱」以外に生存の道がなく、本来のウリである「ソウルフルな戦闘」の爽快感が完全に損なわれているのです。
(プレイ時間: 6時間) Terribly balanced game. 1. 10 monsters following you, you might dodge and that avoid one enemy, but like 10 attacking you in a few miliseconds delay, so you sometimes get chainstunned and dead. 2. AFK kick? seriously? we went for the 30 wave endless, host needed to go for a short break and host was afk kicked so whole game closed. SERIOUSLY? kicking A HOST? in a coop game? that is the most stupid thing i ever seen. We lost out progress.
(日本語訳:恐ろしくバランスの悪いゲーム。1. 10体のモンスターが追いかけてきて、回避しても1体は避けられるかもしれないが、数ミリ秒の遅延で10体が攻撃してくるため、連鎖的にスタンして死ぬことがある。2. AFKキック?正気か?30ウェーブの無限モードをプレイしていた時、ホストが短い休憩をとる必要があったのだが、ホストが放置判定でキックされ、ゲーム全体が終了してしまった。協力プレイでホストをキックするなんて?今まで見た中で最も愚かな仕様だ。私たちの進行状況は失われた。)
まさにこのレビューが指摘するように、システムの噛み合わせの悪さがプレイヤーの努力を無慈悲に粉砕してしまう構造的な欠陥が、低評価の大きな要因となっています。特に「ホストが放置でキックされる」という仕様には、まん花も開いた口が塞がりませんでした。
大群を相手にする快感と、ソウルライクの厳格な制約は、油と水のように混ざり合わずに分離している。
不満の元凶「Souls」の分析

データ2の頻出単語ランキングを見ると、圧倒的1位に君臨しているのが「Souls(30回)」というワードです。これは本作が、フロム・ソフトウェアの金字塔である『Dark Souls』シリーズを強烈に、あるいは「露骨に」意識していることを示しています。
三度のご飯よりエントロピーの討伐を優先してきたまん花の目から見ても、本作のアニメーションの多くは、どこかで見たことがあるような「既視感」に満ち溢れています。
形式だけをなぞった「空っぽの器」
問題は、多くの低評価レビュアーが指摘するように、表面的な「モーション」や「システム」だけをコピーし、その本質にある「奥深さ」や「多様性」を欠落させてしまった点にあります。
『Rogue Masters』の武器システムは、見た目の派手さやカスタマイズ性は一見高く見えますが、実際に使ってみると、武器種ごとの「戦技(Weapon Art)」や固有のモーションが驚くほど乏しいことに気づかされます。結局のところ、どの武器を使っても「弱攻撃、強攻撃、ローリング」の繰り返しであり、攻略の選択肢が極めて限定的なのです。
一方で、敵キャラクターは魔法を放ち、多彩なコンボを繰り出し、プレイヤーよりもはるかに豊かで強力なムーブセットを誇っています。この「プレイヤー側の無力感」と「敵側の過剰な性能」のギャップが、心地よい困難ではなく、単なるストレスへと変貌してしまっています。
期待と現実のミスマッチ
プレイヤーは「Souls-like」という言葉を聞いたとき、理不尽に思えても実は緻密に計算されたレベルデザインや、倒した時のカタルシスを期待します。しかし、本作が提供するのは「ただ数が多いだけの暴力」と、その暴力に対抗するための「不自由な操作」です。
本来、ソウルシリーズが持つ「重み」は、敵との慎重な駆け引きのために存在します。しかし、本作のように画面を埋め尽くす敵をなぎ倒さなければならないゲームでその「重み」を採用すると、単にプレイヤーの足を引っ張るお荷物にしかなりません。
このデザイン上のミスマッチが、多くの熟練ゲーマー(自称ソウルベテランたち)の逆鱗に触れたのは、もはや必然と言えるでしょう。
(プレイ時間: 0時間) Souls-Vet. 1, 2, 3, Demon Souls, and Elden. (Avid invader) Don’t even dare to call this a Souls-like, just cause you can dodge roll, and parry, doesn’t mean it’s a “Souls-like” There’s no feeling of accomplishment/conquering a challenge, or when you seen that oh so wonderful “You Died” on your screen. That’s the essence of Souls…
(日本語訳:ソウルベテランだ。1、2、3、デモンズ、エルデンをプレイ済み。回避ロールやパリィができるからといって、これをソウルライクと呼ぶなんておこがましい。「You Died」の文字を見ても、挑戦を克服したという達成感が全くない。それこそがソウルの本質なのだが……)
この辛辣な言葉は、本作が追い求めた「魂の継承」が、いかに表面的な模倣に留まってしまったかを物語っています。
ソウルの名前を冠するには、システムを模倣するだけでなく、その「理不尽を納得させる設計」を学ぶべきだった。
ユーザーが直面する現実
実際に本作をプレイし、人生の半分をこの戦場に溶かしてきたまん花には分かります。このゲームが直面している最大の問題は、バランス調整や操作性以前に、「誰もいない戦場」という冷酷な事実です。
頻出単語にも「There(16回)」が含まれていますが、これは「There is no one playing(誰もプレイしていない)」という文脈で多用されています。
砂漠のようなマッチングと、孤独な死
本作は最大6人での協力プレイを前提とした難易度設計になっています。しかし、現実にはマルチプレイヤーのロビーは閑古鳥が鳴いており、見知らぬ誰かと共闘できる機会は極めて稀です。
ソロモードも用意されていますが、それは決して「一人用に調整されたモード」ではなく、単に「6人用の地獄に一人で放り込まれるモード」に過ぎません。一人で戦場に立ち、全方位から押し寄せるクリーチャーの波に揉まれ、なすすべもなくスタックし、地面に這いつくばる。そんな光景が日常茶飯事です。
仲間がいればフォローし合える「ハメ」の連鎖も、一人では即死のコンボへと変わります。開発者が意図したであろう「共闘の喜び」は、プレイヤー人口の減少という致命的な外的要因によって、完全に遮断されてしまいました。
技術的な未熟さがもたらすストレス
さらに、最適化不足によるフレームドロップや、FOV(視野角)の狭さが追い打ちをかけます。特にFOVの問題は深刻で、大きな武器を担ぐと画面の半分が自キャラで隠れ、死角から飛んでくる魔法攻撃に気づくことすら困難です。
どす恋まん花が何度、見えない場所からの雷撃に焼かれ、理不尽な叫びを上げたことか。
また、UIの不便さも特筆に値します。アイテムのアップグレードや装備の変更といった基本的な操作が、煩雑なタブ移動を繰り返さなければならない仕様になっており、ウェーブ間の短い休息時間をいたずらに削り取っていきます。プレイヤーは敵と戦う前に、ゲームの不親切な設計と戦うことを強いられるのです。
(プレイ時間: 17時間) …Well, after checking their discord server and some of the discussions on steam i noticed that basically they’re ignoring everything and everyone, not even a reply or a reaction to the threads/posts, …they’re ghosting people since March 2024. They’re letting the game die, no updates, dead newsletter, dead threads on discord, dead steam discussions…
(日本語訳:……DiscordサーバーやSteamの掲示板をチェックした後、開発者が基本的にすべての人を無視していることに気づいた。返信もリアクションもない。彼らは2024年3月から人々をゴースティング(無視)している。アップデートもニュースレターもなく、ゲームを死なせようとしている。バグ修正すらない!……早期アクセスなんだ、人々は君たちを信頼している。コミュニティは役割を果たしているんだから、君たちもそうしろ。)
この悲痛な叫びは、本作が抱える最大の「絶望」を射抜いています。ゲームに欠陥があっても、開発者と共に歩むという信頼関係があれば耐えられる。しかし、その対話のパイプが断絶されたとき、残るのは虚無感だけです。
どれほど野心的なプロジェクトであっても、コミュニティとの対話を拒絶した瞬間、それは魂を失った抜け殻となる。
それでも支持される理由
ここまで散々に叩いておきながら、なぜまん花はこのゲームに狂ったような時間を捧げたのか。そして、なぜ72%という、そこまで悪くない好評率を維持しているのか。
それは、本作が持つ「可能性の断片」が、あまりにも眩しく輝いている瞬間があるからです。
6人で暴れる「カオスな楽しさ」の原石
もし運よく友人を誘い、あるいは奇跡的にフルパーティのルームに入ることができたなら、その光景は一変します。
画面内を飛び交う魔法、敵を叩き潰す大槌の轟音、そして仲間が危機に陥った時に駆けつける連帯感。ソウルシリーズのモーションを流用しているからこそ、キャラクターの「動き」自体は一定のクオリティが担保されており、「多人数でソウルライクをする」という体験そのものには、抗いがたい中毒性が秘められています。
特にキャラクターのカスタマイズ性は見事で、自分だけのオリジナル戦士を作り上げる楽しさは、インディーゲームの域を超えています。マイクロトランザクション(課金)を一切排除し、すべてのアイテムをプレイによって入手できるという硬派な姿勢も、今の時代、多くの硬派なゲーマーから称賛されるべき点でしょう。
「無料化」という名の延命措置
また、本作が基本プレイ無料(F2P)へと舵を切ったことも、評価の維持に一役買っています。1,700円を払ってこのバランスを押し付けられれば憤るプレイヤーも、無料であれば「まあ、こんなものか」という寛容さを持ちます。
むしろ、無料でこれだけの3Dグラフィックとアクションを楽しめるのであれば、多少のバグや理不尽さは「ご愛嬌」で済まされてしまう側面があります。まん花も、友人に勧める際は「無料だからとりあえず落として、一緒に地獄を見てみよう」と誘うことが多くなりました。
本作は、未完成で、歪で、欠陥だらけです。しかし、そこには「大手の保守的な開発では決して生まれない、狂気的な挑戦」の跡があります。洗練されていないからこそ、たまに噛み合う「快感の瞬間」が、何物にも代えがたい報酬となって脳を焼くのです。
最後に残った「愛着」
まん花がなぜ、何度も地面を舐めながらもこのゲームに戻ってくるのか。それは、このゲームが「エントロピー」に立ち向かうという設定そのものに、自分自身のゲーム体験を重ねているからかもしれません。
理不尽な難易度、沈黙する開発者、去っていくプレイヤー。これらすべてが、まさに宇宙を崩壊させるエントロピーのようなものです。その絶望的な状況の中で、あえて剣を抜き、回避ロールを繰り返す。その姿は、端から見れば滑稽かもしれませんが、ゲーマーとしての純粋な闘争本能を呼び覚ましてくれるのです。
たとえ他の誰が「クソゲー」と呼んでも、この不器用な戦場には、確かに魂の火花が散っていました。
欠点だらけの愛すべき駄作。それは、洗練された傑作よりも時に強く、私たちの記憶に深く刻み込まれる。
最終評価と購入ガイド
さて、どす恋まん花による『Rogue Masters』の総評ですが、本作は「未加工の原石を、磨かずにそのまま投げつけてくるようなゲーム」です。
痛いです。当たれば怪我をします。しかし、それは確かに石ではなく「宝石の原石」なのです。もしあなたが、開発者の沈黙や理不尽な難易度を「スパイス」として楽しめる特殊な訓練を受けたゲーマーなら、この地獄は天国に変わるかもしれません。
逆に、洗練されたバランスと丁寧なユーザーサポートを求めるなら、他の有名なソウルライクをプレイすることをお勧めします。
✅ 購入をお勧めする人
- ソウルシリーズのモーションで「無双」のようなカオスな乱戦を楽しみたい人
- 課金要素なしで、じっくり時間をかけて装備を収集・カスタマイズするのが好きな人
- 5人の友人を道連れにして、理不尽な死を笑い飛ばせるメンタルの持ち主
❎ 購入を避けるべき人
- 緻密なレベルデザインと、公平な「死」を求める純粋なソウルファン
- ソロプレイをメインに考えており、理不尽なスタンロックに耐性がない人
- 開発者との積極的なコミュニケーションや、頻繁なアップデートを重視する人
宇宙は腐敗し、開発者は沈黙し、戦士たちは去りゆく。
それでも、どす恋まん花は今日もエントロピーの荒野へ足を踏み入れます。
だって、この理不尽さこそが、今の私にはちょうどいい「毒」なのですから。
執筆:どす恋まん花
