『Serpent’s Gaze』レビュー:低評価の裏に潜む「砂漠の絶望」と「未完成の美学」

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皆さん、ごきげんよう。どす恋まん花です。今日もお相撲の稽古……ではなく、コントローラーを握りしめてデジタルの砂漠を彷徨っております。今回、まん花が取り上げるのは、良くも悪くも界隈を騒がせている話題作『Serpent’s Gaze』。

実はわたくし、このタイトルを既に2000時間ほどやり込んでおります。ええ、もはやこのゲームの砂粒の一つ一つに名前を付けられるレベルです。それだけの時間を費やしてきたからこそ見えてくる、本作の「光」と、それを覆い隠さんとする「あまりに深い影」について、忖度抜きで語らせていただこうと思います。

発売以来、高い評価を得ている一方で、一部の熱心なプレイヤーからは悲鳴のような低評価レビューが相次いでいる本作。なぜこれほどまでに意見が分かれるのか? 膨大なプレイ時間で見えてきた、開発チームへの愛のムチ(といっても、まん花の突っ張りは相当に効きますわよ)をお届けします。

目次

作品概要

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『Serpent’s Gaze』は、古代砂漠の謎と壮絶な戦いに挑む、最大4人協力型の三人称アクションゲームです。本作の最大の特徴は、「ソウルライク」の重厚で戦略的な戦闘と、「ローグライク」のランダム要素が融合した、緊張感あふれるゲームシステムにあります。

プレイヤーは樹の神「マグノリア」の化身となり、砂漠に再び花を咲かせるため、暴力をもって敵対する神々や簒奪者を打ち倒します。ステージを進むごとに手に入る「祝福」や「レリック」を組み合わせることで、自分だけの最強ビルドを構築可能です。一方で、プレイのたびに内容が変化する「呪い」システムが、ミニボスの強襲や環境トラップといった予測不能な試練をもたらします。さらに、クリアを重ねるごとに難易度が上昇する「神覚」システムにより、常に高難易度のチャレンジが楽しめます。

美しくも過酷な古代遺跡や大聖堂を舞台に、緻密なアクションで強大なボスを突破する達成感は格別です。一人でじっくりと腕を磨くソロプレイはもちろん、最大4人のマルチプレイで仲間と連携して困難を乗り越えることも可能です。戦略的なビルド構築と手に汗握るアクションの両面から、奥深い攻略体験を味わえる一作です。

項目 内容
ゲームタイトル Serpent’s Gaze
発売日 2026年5月25日
開発元 Feeble Minds
総レビュー数 341件
評価内訳 高評価: 309 / 低評価: 32
好評率 91%
平均スコア ★★★★☆ (4.5) / 5.0
日本語対応 ✅ 対応
概要 Serpent’s Gaze は、壮絶な戦いと古代砂漠の謎が待ち受ける、1~4人協力型の三人称アクションゲーム。強敵や容赦のないボス戦に挑みながら、失われた秘密を解き明かせ。
対応機種 PC (Steam)

ソウルライク×ローグライクの野心的な試み

本作が掲げる「ソウルライク×ローグライク」というコンセプトは、現代のゲーマーにとって非常に魅力的な響きを持っています。一度のミスが命取りになる緊張感と、挑戦のたびに変化するビルド要素。これらは中毒性の高いカクテルのようなものです。しかし、実際にこの砂漠に足を踏み入れると、その「重厚さ」が時として「足かせ」に変わる瞬間を嫌というほど味わうことになります。

古代砂漠が織りなす死の輪廻

グラフィック面では、アンリアルエンジン5の恩恵を存分に受けた、息を呑むような景観が広がっています。黄金色に輝く砂丘、崩れかけた巨大な遺跡。プレイヤーは神の化身としてこの地に降臨しますが、待っているのは神らしい無双プレイではなく、這いつくばって泥(砂)を啜るような泥臭い死闘です。まん花も、この画面を親の顔より見続けてきましたが、その美しさに反比例する「過酷さ」には、時折コントローラーを置きたくなるほどの圧があります。


データが示す不満の傾向

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※集計サンプル数: 30件

本作に対する不満の声を分析すると、非常に興味深い傾向が見えてきます。提供されたデータによれば、不満カテゴリの第1位は「ボス/敵の強さ」であり、それに「理不尽な難易度」「操作性/戦闘」がほぼ同数で続いています。これは、アクションゲームとしての根幹部分に、多くのプレイヤーが「納得感の欠如」を感じている証左に他なりません。

ボスと敵の異常な「硬さ」と「強さ」

特に問題視されているのが、ボスの体力設定です。ソウルライクにおいて、ボス戦はダンスのようなものです。敵の動きを見極め、隙を突き、少しずつ体力を削っていく。しかし、『Serpent’s Gaze』におけるダンスは、終わりの見えないマラソンのような疲弊をプレイヤーに強います。特にソロプレイ時のスケーリングが適切でないという指摘が多く、一本の毛を抜くような微々たるダメージを積み重ねる作業に、多くのプレイヤーが心を折られています。

(プレイ時間: 8時間) Imagine playing Dark Souls or Elden Ring but dealing no damage and enemies being the spongiest thing in gaming history, I don’t know if you messed something up when scaling for solo but it’s painfully boring to the point where I just let the bosses kill me because it’s better than suffering through the nightmare of depleting their health bar.
(ダークソウルやエルデンリングをプレイしているところを想像してほしいが、自分は全くダメージを与えられず、敵はゲーム史上最高に硬い。ソロプレイ時のスケーリングで何かミスをしたのか知らないが、苦痛なほど退屈だ。ボスのヘルスバーを減らす悪夢に耐えるより、もうボスに殺してもらったほうがマシだと感じるレベルだ。)

このレビューが指摘するように、敵の体力が異常に高く、単なる耐久戦を強いられる点は、本作の最も大きな課題の一つです。プレイヤーは自身の成長を実感したいのに、どれだけビルドを練っても敵がそれ以上の「壁」として立ちはだかるため、カタルシスが「疲労」に塗り替えられてしまうのです。

理不尽の裏に潜む「調整不足」の影

難易度の高さ自体は、このジャンルのファンにとってご褒美でもあります。しかし、それが「攻略の楽しみ」ではなく「システムの不備」に起因する場合、それはただのストレスへと変貌します。本作では、経験値と通貨が「血」として共有されているため、商人からアイテムを買うために自身の強化を犠牲にするか、あるいはその逆かという、非常に窮屈な選択を迫られます。

ローグライクの醍醐味である「上振れ」の爽快感も薄く、手に入るレリックやスキルの多くが「ハズレ」であるという声も根強いです。これでは、せっかくのランダム要素が単なる「運ゲー」に成り下がってしまいます。まん花も、人生の半分を捧げたこのゲームで何度も経験しましたが、一時間かけて育てたキャラクターが、たった一つの理不尽な攻撃で無に帰す瞬間、画面の向こう側の製作者の顔が見えるような気がすることさえありました。

理不尽の壁は、プレイヤーの達成感をも砂の中に埋めてしまう。

不満の元凶「Combat」の分析

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※集計サンプル数: 30件

頻出単語データにおいて圧倒的な1位を記録したのが「Combat(戦闘)」という言葉です。22回という数字は、このゲームの評価が良くも悪くも「戦いそのものの手触り」に集約されていることを示しています。本作の戦闘は、一言で言えば「旧時代的」であり、それが現代の洗練されたアクションを求めるプレイヤーとの乖離を生んでいます。

「もっさり感」という名の呪縛

多くのレビュアーが「Clunky(もっさりしている、不格好な)」や「Sluggish(動きが遅い)」という言葉を用いて戦闘を表現しています。ソウルライクの元祖である『Dark Souls 1』を彷彿とさせると言えば聞こえは良いですが、それは令和の時代においては「レスポンスの悪さ」と受け取られかねません。キャラクターの挙動に重量感があるのは良いのですが、それが入力遅延のように感じられたり、モーションキャンセルが効かない不便さとして現れたりすると、プレイヤーは操作キャラクターとの一体感を失ってしまいます。

(プレイ時間: 1時間) The main issue I have with the combat is that it is pretty slow and methodical, feeling a lot more like Dark Souls I than a more modern and fluid souls-like. Both the character and enemies often feel very clunky and there is often quite a lot of jank with the combat.
(戦闘の主な問題は、非常にスローで慎重なことだ。現代的な流動性のあるソウルライクというより、ダークソウル1にずっと近い感じがする。キャラクターも敵も非常に動きが鈍く(クランキーで)、戦闘にはかなりのジャンクさ(粗さ)が頻繁に感じられる。)

まん花も、指紋がなくなるほどボタンを押し込んできましたが、意図したタイミングで回避や攻撃が発動しない感覚は、このジャンルにおいて致命的な欠陥になり得ます。特に敵の攻撃の追尾性能(ホーミング)が異常に高く、見てから回避しても「吸い込まれる」ように被弾する現象は、多くのプレイヤーを絶望させています。

消失する無敵時間(無敵フレーム)の怪

さらに深刻なのが、回避アクションにおける無敵フレーム(i-frame)の不安定さです。アクションゲームにおいて、回避はプレイヤーの最後の砦です。しかし本作では、「避けたはずなのに当たっている」という事象が頻発します。これは通信ラグのせいなのか、それともヒットボックス(当たり判定)の設定ミスなのか。

ヒットボックスが視覚的なエフェクトやモデルの大きさと一致していないため、スカッとしたはずの攻撃で大ダメージを受けることも珍しくありません。この「視覚的な納得感の欠如」が積み重なることで、プレイヤーは「自分の腕が悪いのではなく、ゲームが壊れている」という結論に達してしまいます。

また、スタミナ管理の厳しさも追い打ちをかけます。スーパースプリント(疾走)がスタミナを激しく消費するため、敵の強烈なコンボを避けるための余裕が常に不足しています。これでは、攻防の駆け引きを楽しむ余裕などありません。

不安定な操作性は、プレイヤーが積み上げた技術を「運」へと格下げさせる。


ユーザーが直面する現実

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では、実際にこのゲームをプレイするとどのような体験が待っているのか。ある一人のプレイヤーの視点から、その「虚無の時間」を描写してみましょう。

砂漠の果てに待つ「徒労感」の正体

あなたは「神の化身」として砂漠の遺跡に降り立ちます。周囲を囲むのは、美しくも無慈悲な黄金の砂。最初の一体、二体の雑魚敵を倒すのは心地よいかもしれません。しかし、進むにつれて敵の配置は嫌らしくなり、あなたの「蜜(回復アイテム)」はみるみるうちに減っていきます。

このゲームには、道中で回復する手段がほとんどありません。唯一の頼みの綱である「蜜」を補充するには、各エリアのボスを倒すか、あるいは商人から法外な値段の「血」を払って購入するしかありません。しかし、その「血」は自分のレベルアップに必要な経験値そのものです。強くなるために血を取っておくか、今生き延びるために蜜を買うか。この二択が、攻略を著しく停滞させます。

(プレイ時間: 22時間) In Serpent’s Gaze, you recover Nectar only between levels or by paying Blood before a boss. …that means that the process of learning anything new that’s introduced beyond the first stage can be excruciating, as you will quickly run out of healing items and die to attrition.
(Serpent’s Gazeでは、ネクター(蜜)はレベル間、あるいはボスの前で血を支払うことでしか回復できない。……つまり、最初のステージを超えて導入される新しい要素を学ぶプロセスは『耐え難いもの』になる可能性がある。回復アイテムがすぐに底をつき、消耗戦で死んでしまうからだ。)

一時間の激闘の末、ようやく辿り着いたボスの前。あなたの手元には回復薬が一つもありません。ボスの攻撃パターンを覚える暇もなく、理不尽な追尾攻撃一発であなたの旅は終わります。そして、手元に残るものは何もありません。キャラクターの永続的な成長要素が乏しいため、一時間のプレイは文字通り「無」に帰すのです。

静寂を切り裂く「音」と「視認性」の不協和音

さらに、没入感を削ぐのがサウンドとエフェクトの不整合です。強大な武器を振り回しても、敵に当たった時の音が軽く、手応えがありません。逆に、自分が攻撃を受けた時のエフェクトやSEが乏しいため、「いつの間にか死んでいた」という事態が頻発します。

マルチプレイになれば、画面はさらに混沌を極めます。味方の攻撃エフェクトと敵の攻撃の区別がつかず、誰が何をしているのか分からないまま、HPがゼロになる。この視覚的な情報の整理不足が、せっかくの協力プレイを「ただの乱戦」にしてしまっているのは非常にもったいない点です。

まん花も、この砂漠の景色を寝食を忘れるほど眺めてきましたが、その美しい風景の裏側で、システムの不整合という嵐が吹き荒れているのを感じずにはいられません。

一瞬の判断ミスが許されない世界で、情報の不透明さは最大の敵となる。

それでも支持される理由

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ここまで厳しい言葉を並べてきましたが、それでも本作の好評率が90%を超えているという事実は無視できません。なぜ、これほどの不満を抱えながらも、プレイヤーはこの砂漠に戻ってくるのでしょうか。そこには、他のゲームでは味わえない「独自の魅力」が確かに存在するからです。

「価格以上の可能性」とマルチプレイの魔力

まず、約2,000円という価格設定が、多くのプレイヤーの財布と心を緩めています。インディータイトルとしては十分すぎるグラフィックとボリューム。そして何より、最大4人で「死にゲー」を共有できるという体験は、それだけで多くの欠点を帳消しにする力を持っています。

フレンドとボイスチャットで悲鳴を上げながら、全滅を繰り返す。一人では耐え難い理不尽も、仲間とならば「笑い話」に変わります。特に、サポート特化のビルドを組んだプレイヤーが仲間を回復させ、辛うじて強敵を撃破した瞬間の達成感は、ソロプレイでは決して味わえない至高のものです。

ビルド構築がもたらす「一筋の光」

また、本作の「ビルドの幅」については評価する声も多いです。
「種(パッシブ)」や「忠誠(強力なバフ)」を組み合わせることで、特定の条件下で爆発的な火力を出したり、状態異常を撒き散らしたりする楽しみがあります。初期武器は固定されているものの、その武器を鍛冶台でどう「変質」させるかによって、プレイスタイルは劇的に変化します。

(プレイ時間: 24時間) 通常攻撃のコンボを消すという強化要素があり、コンボの最終段のみ特殊効果が発生する要素もあったりするので種や忠誠といった強化項目とのシナジーを考えるのも楽しいです。

このように、システムを理解し、自分なりの「最適解」を導き出した時の快感こそが、本作の真のコアと言えるでしょう。未完成ゆえの粗さは目立ちますが、その下には確かに熱狂を生むための強固な「骨組み」が存在しています。

まん花も、このゲームに魂を吸い取られるほど没頭してきましたが、不満を言いながらも結局はログインしてしまう……そんな、ダメな恋人のような魅力がこの『Serpent’s Gaze』にはあるのです。

欠点さえも「個性」として愛せる者にとって、この砂漠は唯一無二の遊園地となる。


最終評価と購入ガイド

さて、長々と語ってまいりましたが、どす恋まん花としての結論を下しましょう。

『Serpent’s Gaze』は、現時点では「磨けば光る原石」どころか、「光を放ちつつも、まだ表面に鋭いトゲが残っている原石」です。アクションゲームとしての手触りや、難易度のバランス調整には、まだまだ改善の余地が山ほどあります。しかし、それを補って余りある世界観の構築と、ビルドを練る楽しさが共存しているのも事実です。

「万人におすすめできる神ゲー」ではありません。しかし、「苦難を共に乗り越える仲間がいるプレイヤー」や、「不自由さの中に自分なりの楽しみを見いだせるストイックなゲーマー」にとっては、価格以上の価値がある一冊……いえ、一作となるはずです。

まん花も、これからもこの砂漠で突っ張りを磨き続けたいと思います。いつか、この砂漠に本物の花が咲くその日まで。

✅ 購入をお勧めする人

  • フレンドと一緒に阿鼻叫喚の協力プレイを楽しみたい人
  • 試行錯誤して自分だけの最強ビルド(シナジー)を考えるのが好きな人
  • ダークソウル1のような、少し不便で重厚なアクションを好む人

❎ 購入を避けるべき人

  • 現代的で洗練された、レスポンスの良いハイスピードアクションを求める人
  • 1回のミスで全てを失うローグライク特有の挫折感に耐えられない人
  • 「高難易度」と「調整不足」の区別を厳密に気にする人

執筆:どす恋まん花

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