皆様、ごきげんよう。人気ゲームライターのどす恋まん花です。
本日、わたくしがペンを執るのは、知る人ぞ知る、しかし語り出せば夜が明けるほどの業を背負った一作『Stellar Tactics』についてです。本作は2016年から早期アクセスを開始し、広大な宇宙と重厚なタクティカルバトルを掲げて登場しました。わたくし、まん花はこの広大な銀河に2000時間という、客観的に見れば正気の沙汰とは思えないほどの歳月を捧げてまいりました。
かつて、ある哲学者は「深淵をのぞく時、深淵もまたこちらをのぞいている」と言いましたが、このゲームにおいては「宇宙を見つめる時、宇宙もまたバグとクリックの山でこちらを見つめ返してくる」というのが正解かもしれません。今回は、そんな愛憎渦巻く本作が、なぜ一部で「低評価」の烙印を押されているのか、そしてそれでもなお廃人たちを惹きつけてやまない魔力の正体は何なのか。膨大なデータと、わたくしの磨り減ったコントローラーの記憶をもとに、徹底的にレビューしてまいります。
作品概要

『Stellar Tactics』は、広大なオープンワールド宇宙を舞台に、傭兵分隊を率いて冒険するSFターン制タクティカルRPGです。プレイヤーは遺伝子操作された傭兵としてコールドスリープから目覚め、謎の病「Phage」が銀河を蝕み、各勢力が覇権を争う混沌とした世界で、自身の道を選択することになります。
ゲームの核となるのは、宇宙探索と地上での戦略的なターン制バトルです。数千のスターシステム、数百万の惑星から成る広大な宇宙を自由に探索し、40種類以上ある宇宙船を貨物、採掘、探索、戦闘など目的に合わせてカスタマイズできます。小惑星採掘や惑星スキャンによる資源収集、敵船の無力化と鹵獲、貿易網を通じた商品取引など、多彩な方法で富を築き、得た資源で装備や宇宙船をアップグレードするクラフトシステムも充実しています。
地上での戦闘では、編成した傭兵分隊を指揮し、ミュータントや敵対勢力と戦います。キャラクター育成はクラスレスシステムを採用しており、240種類のパークや、使用することでスキルが向上するシステムにより、各メンバーを特定のスキルに特化させたり、様々な武器やサイオニクスを使いこなすオールラウンダーに育てたりと、自由度の高いカスタマイズが可能です。
メインストーリーを進めるだけでなく、賞金稼ぎ、政治勢力との同盟、あるいは一介の傭兵として自由に活動するなど、プレイヤーの選択が多岐にわたるプレイスタイルを可能にします。クラシックRPGの奥深さと宇宙探索のロマンが融合した本作で、あなただけの傭兵物語を紡ぎましょう。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ゲームタイトル | Stellar Tactics |
| 発売日 | 2026年3月30日 |
| 開発元 | Don Wilkins |
| 総レビュー数 | 1,561件 |
| 評価内訳 | 高評価: 1,254 / 低評価: 307 |
| 好評率 | 80% |
| 平均スコア | ★★★★☆ (4.0) / 5.0 |
| 日本語対応 | ❌ 未対応 |
| 概要 | A Sci-Fi role-playing game featuring turn-based ground combat, space exploration, deep character customization and a massive living universe with thousands of star systems. Equip your ships with the best equipment you can find, gather a powerful crew of mercenaries and set out into the void! |
| 対応機種 | PC (Steam) |
データが示す不満の傾向

本作に対するユーザーの声を分析すると、不満のカテゴリは非常に明確な傾向を示しています。提供されたデータによると、不満の第1位は「操作性/戦闘(30件)」であり、これに「マップ/探索(18件)」、「ストーリー/テンポ(17件)」が続きます。わたくしも銀河を三周半するほどプレイしてきましたが、この結果には深く頷かざるを得ません。
操作性と戦闘のジレンマ
特に「戦闘」における不満は、本作が「タクティカル(戦略的)」を冠しているがゆえの期待とのギャップから生じています。多くのプレイヤーが指摘するのは、戦闘システムの底の浅さです。現代のタクティカルRPG、例えば『XCOM』シリーズのような遮蔽物の概念や、『Baldur’s Gate 3』のような環境利用といった奥深さを期待すると、肩透かしを食らうことになります。
本作の地上戦は、基本的に「射線が通るか否か」という極めて単純な二択に支配されています。敵のAIも「最短距離で近づいて撃つ」という単調なルーチンに終始しており、戦略的な駆け引きを楽しむというよりは、単なる数値の殴り合いになりがちです。これにより、一回の戦闘が数十分に及ぶことも珍しくない本作において、プレイヤーは「同じ作業の繰り返し」という感覚を強く抱くようになります。
探索の広さと「底の浅さ」
次に多い不満が、探索とマップに関するものです。本作は「数万の星系」を売りにしていますが、その実態はプロシージャル(自動生成)による似たような風景の羅列であるという批判が相次いでいます。広大な宇宙を謳いながらも、実際に訪れる場所がどこも既視感のある基地や洞窟ばかりでは、未知の領域を冒険するワクワク感は次第に削り取られていきます。
特に、地上探索におけるダンジョンの構造が「無駄に長く、蛇のように入り組んでいる」点も槍玉に挙げられています。やっとの思いで最深部のボスを倒しても、そこには脱出用のショートカットすら用意されていないことが多く、来た道を延々と歩いて戻らされる。こうしたプレイヤーの利便性を著しく欠いた設計が、探索を「冒険」から「苦行」へと変えてしまっているのです。
バグと最適化の歴史的停滞
そして忘れてはならないのが、早期アクセス期間の長さと、それに伴うバグの放置です。2016年の開始から10年近くが経過しようとしているにもかかわらず、チュートリアルで進行不能になるバグが数年前から報告されたまま放置されているという事実は、新規プレイヤーにとって絶望以外の何物でもありません。
(プレイ時間: 54時間) Originally i purchased this game back in 2017… The answer to that question is the old adage “Wide as an ocean and deep as a puddle”… In practice this means that each and every combat situation just ends up with two groups repeatedly shooting at each other… (もともと2017年にこのゲームを購入しました…その問いへの答えは、「海のように広く、水たまりのように浅い」という古い格言に集約されます…実際問題として、あらゆる戦闘状況は、2つのグループが互いに繰り返し撃ち合うだけに終わります…)
このように、期待が大きかったプレイヤーほど、年月が経っても解消されない構造的な問題に疲弊している様子が見て取れます。
壮大な看板の裏側には、10年間手入れされていない迷宮が広がっている。
不満の元凶「Your」の分析

さて、頻出単語データに目を向けてみましょう。最も多く出現したのは、意外にも「Your(67回)」という単語でした。一見すると無害な代名詞ですが、これが低評価レビューにおいて何を意味しているのかを掘り下げると、本作の持つ「暴力的なまでの不親切さ」が浮き彫りになります。
プレイヤーの「時間」を奪う構造
「Your」が使われる文脈の多くは、”Your time(あなたの時間)” です。「このゲームはプレイヤーの時間を尊重していない(disregard for your time)」という叫びが、多くのレビュアーから漏れています。わたくしも、宇宙船の座席が自分の尻の形に変形するほど座り続けて確信しましたが、本作における「移動」や「作業」のウェイトは異常です。
宇宙を移動するだけで10分から15分もの間、何も起きない画面を眺め続けなければならない。ようやく目的地に着いたと思えば、そこには「あなたのインベントリ(your inventory)」をゴミ同然のアイテムで埋め尽くすための作業が待っている。この「Your」という言葉には、開発者が作り上げたエゴイスティックなシステムによって、プレイヤーの大切な資産である「時間」や「操作」が侵害されているという怒りが込められているのです。
インターフェースという名の迷宮
また、「Your」はユーザーインターフェース(UI)の使い勝手の悪さに関連しても多用されます。「あなたの画面(your screen)」に表示される情報は煩雑で、必要な数値は米粒のように小さく、どこをクリックすれば何が起きるのか直感的に理解できない。
例えば、船の装備を換装するためには、わざわざステーションに戻る必要があります。それ自体はリアリティの範疇かもしれませんが、採掘中に敵に襲われ、急いで武装を整えようと帰還して再び戻ってくると、採掘ポイントがリセットされているという理不尽な仕様に直面します。「あなたの努力(your effort)」が、システムの不備によって一瞬で無に帰す。こうした体験の積み重ねが、頻出単語1位という結果に繋がっているのでしょう。
「Your」に込められた苛立ち
さらに、最近のアップデートでは「あなたのキャラクターの顔(your character portraits)」が、AI生成による不自然なものに差し替えられたという批判も噴出しています。愛着を持っていた「自分の」分隊が、突然魂の抜けたようなAI画像に変わってしまう。これはプレイヤーがゲーム世界に浸るための最後の砦を崩すような行為であり、コミュニティの反発を招くのは火を見るより明らかです。
(プレイ時間: 7時間) I like the game, but the game has a complete disregard for your time. Space wastes your time by taking forever to get anywhere. Dungeons waste your time forcing you to walk out of the dungeon through several load screens. (このゲームは好きですが、プレイヤーの時間を完全に無視しています。宇宙空間ではどこへ行くにも永遠に時間がかかり、時間を無駄にします。ダンジョンでは、複数のロード画面を経て歩いて外に出ることを強制され、時間を無駄にします。)
このレビュアーが指摘するように、あらゆる要素がプレイヤーの「能動的な楽しみ」ではなく「受動的な忍耐」を強いる構造になっているのです。忍耐の先に報酬があれば救われますが、現実は更なる作業の提示に過ぎないことが多い。
「Your time」を燃料にして加速する、終わりなき苦行の銀河。
ユーザーが直面する現実

では、具体的にどのような「地獄」が待ち受けているのか。わたくしもキーボードのWキーが陥没して星屑になるまで歩き回ってきましたが、本作のプレイ体験を小説風に描写するならば、それは「美しい銀河を背景にした、終わりのない工場勤務」に近いかもしれません。
終わらないチュートリアルと扉の怪
ゲームを開始すると、あなたは遺伝子操作された傭兵として目覚めます。世界観は魅力的で、雰囲気も悪くない。しかし、冒険の第一歩となるチュートリアルで、あなたは最初の絶望を味わうかもしれません。特定のドアが開かない。あるいは、フラグが立たず進行できない。
ネットで解決策を探すと、そこには「7年前から同じバグに苦しんでいる人」の書き込みが見つかります。10年近い開発期間がありながら、最初の門番すら整備されていない。この事実は、プレイヤーに「この先、どれほどの粗末な扱いを受けるのか」という予感を与えるには十分すぎる衝撃です。
虚無の銀河を飛ぶ10分間
宇宙船を手に入れ、いざ大海原へ! と意気込んでも、すぐに現実に直面します。次の星系まで10分間のFTL(超光速航法)走行。その間、プレイヤーにできることは何もありません。スマホをいじるか、コーヒーを淹れに行くか。ようやく到着した星系で見つけた惑星に降り立つと、そこにはまた「見覚えのある」基地が待っています。
戦闘が始まれば、40分から3時間を要する長丁場のダンジョン攻略。敵は遮蔽物も使わず棒立ちで撃ってきますが、こちらの命中率も数値に支配されているため、互いに弾を外しながら不毛な時間が過ぎていく。戦略的な深みがないため、結局は「ステータスの高い装備を揃えるためのグラインド(稼ぎ作業)」を強いられることになります。
作業と化したクラフトと修理
さらに、装備を整えようとすると、真の狂気が姿を現します。クラフトスキルを上げるためには、数千、数万ものアイテムを製作し、リサイクルしなければなりません。マウスをカチカチと連打し続け、数時間を費やしてようやくレベルが一つ上がる。これはもはやゲームプレイではなく、マウスの耐久テストです。
修理スキルも同様です。拾ったゴミのようなアイテムを一つ一つ修理しては分解する。それを数百回繰り返さなければ、まともな装備の維持すらおぼつかない。本作を夢の中でもサイオニクスを唱えるほどやり込んだわたくしでさえ、このクリック地獄には何度も心を折られそうになりました。
(プレイ時間: 527時間) i like this game, i played many hours… but i can’t recommend it… crafting is a mess. be sure to have a mouse that can withstand many thousands of clicks. (このゲームは好きだし、何時間もプレイしましたが……お勧めはできません……。クラフトはめちゃくちゃです。数千回のクリックに耐えられるマウスを用意してください。)
500時間以上を捧げた廃人でさえ「お勧めできない」と断言せざるを得ないほど、本作のコア・ループはプレイヤーの精神を摩耗させる設計になっているのです。
銀河の広さは、ただクリックの回数を増やすためのキャンバスでしかなかった。
それでも支持される理由

ここまでボロクソに書いてきましたが、ふと我に返ると、わたくし、どす恋まん花の網膜にはUIの残像が永住しているほど、このゲームを遊び続けてしまっています。なぜでしょうか? 不評が300件以上ありながら、好評が1200件を超えているという事実は、本作に「欠点を補って余りある何か」が存在することを証明しています。
圧倒的なカスタマイズのロマン
本作の最大の魅力は、その「自由すぎる」キャラクター育成と宇宙船のカスタマイズにあります。クラスレスシステムにより、自分の傭兵たちをどのようにでも育てられる。サイオニクスを極めるもよし、重火器で全てをなぎ倒すもよし。240種類ものパークを組み合わせ、理想の分隊を作り上げる過程には、抗いがたいカタルシスがあります。
また、40種類以上の宇宙船を、採掘特化や戦闘特化に改造していく楽しさは、他のゲームではなかなか味わえない深みがあります。「自分だけの船で、自分だけのクルーを連れて、冷たい宇宙を渡り歩く」というロマン。その基盤がしっかりしているからこそ、多くのプレイヤーは「不便さ」を「宇宙生活の厳しさ」として脳内変換し、飲み込んでしまうのです。
1人開発という奇跡と呪い
本作はドン・ウィルキンス氏という、ほぼ一人の開発者によって作られています。この事実が、本作に「歪だが情熱的な」独特の空気感を与えています。大手スタジオのような洗練された調整はありませんが、代わりに「自分が作りたい宇宙を全部詰め込んだ」という、純粋で無謀な野心が溢れているのです。
丁寧に配置された小物、こだわりを感じさせる世界観設定、そして時折見せる美しい宇宙のグラフィック。それらは、効率を重視する現代のゲーム制作では削ぎ落とされてしまう「無駄な、しかし愛すべき要素」です。この個人の情熱が暴走した結果としての歪さに、一部のゲーマーは強く惹かれてしまうのです。
古き良きRPGへのノスタルジー
本作の不評の原因である「不親切さ」や「作業感」は、実は90年代の『Fallout』や『X-COM』を遊んでいた世代にとっては、どこか懐かしい「手応え」でもあります。手取り足取り教えてくれない、自分でメモを取り、自分で仕組みを解明していく。その不自由さを乗り越えた時の達成感は、今の親切すぎるゲームにはないものです。
確かに万人に勧められる完成度ではありません。しかし、宇宙という孤独な場所で、たった一人の開発者が作った壮大な箱庭に迷い込むという体験そのものが、ある種の贅沢であると言えるのかもしれません。
不器用な情熱が結晶化した、愛すべき「宇宙の粗大ゴミ」。
最終評価と購入ガイド
さて、長々と語ってまいりましたが、どす恋まん花としての結論を出しましょう。
『Stellar Tactics』は、神ゲーかクソゲーかと問われれば、その両方の顔を併せ持つ「劇薬」です。
10年近い開発期間、放置されたバグ、虚無の移動時間、苦行のようなクラフト。これらを「愛」で許容できるか、あるいは「時間の無駄」と切り捨てるか。それによって、本作の評価は180度変わります。データが示す「操作性への不満」や「Your timeへの軽視」は事実です。しかし、その泥濘の中に、確かにキラリと光る「SFのロマン」が埋まっていることもまた、否定できない事実なのです。
もしあなたが、効率やタイパを重視する現代的なゲーマーであれば、迷わず避けるべきでしょう。しかし、もしあなたが「不便こそがリアリティ」と笑える、かつての宇宙の迷い子たちの一員であれば、この銀河はあなたにとって唯一無二の居場所になるかもしれません。
購入を検討されている方は、以下のチェックリストでご自身の適性を確認してみてください。
✅ 購入をお勧めする人
- 一人の開発者が10年かけて築き上げた歪な情熱に触れたい人
- 効率度外視で、何百時間もかけてキャラクターや宇宙船を弄り倒すのが好きな人
- 90年代の不親切な、しかし奥深いCRPGにノスタルジーを感じる人
❎ 購入を避けるべき人
- 「タイパ(タイムパフォーマンス)」を重視し、無駄な移動時間を嫌う人
- 最新のタクティカルRPGのような、洗練された戦闘バランスを期待する人
- 早期アクセスという言葉を「あと数ヶ月で完成する」という意味で捉えている人
銀河の深淵で、わたくしと共にあのアホみたいな数のクリックに耐える勇気がある方は、ぜひ。そうでない方は、安全な地球で別のゲームを遊ぶのが賢明です。
以上、どす恋まん花がお送りいたしました。それでは皆様、良い宇宙の旅を。
執筆:どす恋まん花
