皆さま、ご機嫌よう。どす恋まん花です。今回、まん花が取り上げるのは、アドベンチャーゲーム界に旋風を巻き起こした名作の続編的DLC、『Until Then: Afterimages』でございます。
このシリーズ、まん花は本体を2000時間ほどやり込んでおります。ピクセルの一つひとつに名前をつけられるのではないかというほど、この世界に没入してきた一人のゲーマーとして、今回の追加エピソードには並々ならぬ期待を寄せておりました。しかし、蓋を開けてみれば、そこには甘美な再会だけでなく、喉元を締め上げるような苦渋と、コミュニティを二分するほどの激しい議論が渦巻いていたのです。
本作は、本編の「その後」を描く全2章の物語。しかし、その「どの時点のその後か」という選択が、多くのファンの心に波紋を広げています。今回は、圧倒的な高評価率93%という数字の裏側に隠された、重く、鋭い「低評価」の正体を、まん花の独自の視点で深く、深く抉り出していこうと思います。
作品概要

本作は、数々の賞を受賞したストーリーアドベンチャー『Until Then』のその後を描く追加コンテンツです。愛すべき二人の主人公、Sofia(ソフィア)とMark(マーク)を軸にした全2章の物語を通じて、別れの悲しみを乗り越え、新たな人生を見つめ直す過程が情緒豊かに描かれます。
システム面では、物語の没入感を高める現代的なギミックが特徴です。ゲーム内のスマートフォンを操作し、デートアプリでのやり取りや動画配信の視聴といった、リアリティのある日常体験をシミュレートできます。また、物語の合間にはタロット占いやお菓子作りといったバラエティ豊かなミニゲームが挿入され、プレイヤーはキャラクターたちの生活を直接的に追体験することができます。
第1章では、ロックダウン後の故郷に戻ったソフィアが、変わり果てた街並みの中で封印していた過去の記憶と対峙します。第2章では、大学でリーダーを務めるマークが、新たな恋や旧友との再会を通じ、自分自身の成長と向き合います。懐かしい顔ぶれとの再会や新たな出会いを経て、自分たちの道を歩み出す二人の姿を、緻密な心理描写と多彩な遊び心とともに体験できる一作です。なお、プレイにはゲーム本編が必要です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ゲームタイトル | Until Then: Afterimages |
| 発売日 | 2026年6月18日 |
| 開発元 | Polychroma Games |
| 総レビュー数 | 311件 |
| 評価内訳 | 高評価: 288 / 低評価: 23 |
| 好評率 | 93% |
| 平均スコア | ★★★★★ (4.6) / 5.0 |
| 日本語対応 | ✅ 対応 |
| 概要 | 数々の賞を受賞したアドベンチャー『Until Then』に、心を揺さぶる新たな2章が登場。愛すべき登場人物二人のその後を描いた物語が、再びあなたの心に問いかける。Sofiaは置き去りにした記憶とともに故郷へ。Markは新たな恋人と出会い、旧友と再会する。それぞれの道を歩むふたりが、大切な人との別れを乗りこえ、新たな人生を見つめ直す物語。 |
| 対応機種 | PC (Steam) PlayStation 5 |
データが示す不満の傾向

さて、まずは冷静にデータを見つめてみましょう。不満カテゴリの内訳を見ると、「ストーリー/テンポ」に関する批判が全体の過半数を占めています。これは、ストーリードリブンなアドベンチャーゲームにおいて、もっとも致命的な部位にメスが入っていることを意味します。なぜ、これほどまでに愛された作品の続編が、物語の根幹で拒絶反応を引き起こしてしまったのでしょうか。
「三周目」を捨てたことへの絶望
多くのプレイヤーが指摘しているのは、物語の「出発点」に関する構造的な違和感です。本編を人生の半分を捧げたと言っても過言ではない熱量でプレイした方なら、あの感動的な三周目のエンディングを覚えているはず。しかし、このDLCがベースに選んだのは、なんと「一周目」の時間軸でした。
つまり、プレイヤーが心血を注いで回避しようとした悲劇が、当然のように「前提」として存在している世界なのです。これは、キャラクターたちの幸福を願って何十時間も画面に張り付いていたファンにとっては、自分の努力を根底から否定されたような感覚に陥らせる劇薬となりました。
キャラクターの停滞と劣化
さらに、主人公の一人であるマークに対する風当たりが非常に強くなっています。本編であれほどの精神的成長を遂げたはずの彼が、このDLCでは再び優柔不断で、自己中心的な行動を繰り返す「成長の見られない青年」として描かれている点に、多くのファンが落胆の色を隠せません。
好好写故事行吗?本篇就不多说了,……DLC我通宵打完,本来想着能期待一下,第一章小菲的剧情非常好……结果真到了nm马克剧情,不是哥们儿,就这么喜欢恶心我们玩家吗?马克全程就没有长大过,还是和以前一样,都大学了,几年了,没有一点成长……
(翻訳:まともに物語を書いてくれませんか?本編についてはこれ以上言いませんが……DLCを一晩中プレイして、期待していたんです。第1章のソフィアのシナリオは非常に良く、余韻もありました。しかし、マークのシナリオになった途端、これですよ。なあ兄弟、そんなにプレイヤーを不快にさせたいのか?マークは全編通して全く成長していない。大学生になって数年も経つのに、成長がゼロだ……)
このレビューが指摘するように、プレイヤーが望んだのは「過去の克服」であって、「欠点の再放送」ではなかったのです。物語のテンポが損なわれていると感じさせる要因も、結局はこのキャラクターの造形がループしているように見える閉塞感に起因していると言えるでしょう。
まん花としても、彼の煮え切らない態度には、思わずキーボードを叩く指が震えるほどの憤りを感じざるを得ませんでした。ファンが求めていたのは、傷つきながらも前を向く強さであり、過去の過ちを別の形で繰り返すことではなかったはずです。
本作のシナリオは、本編の感動を「前提」とするファンほど、その構造的な裏切りに苦しむ設計になっている。
不満の元凶「Dlc」の分析

次に、頻出単語ランキングで圧倒的1位に輝いた「Dlc(75回)」という言葉に注目しましょう。通常、DLCという言葉は単なる呼称に過ぎませんが、本作においては「これがDLCとして相応しい内容なのか?」という、存在意義そのものへの問いかけとして機能しています。
期待という名の呪縛
プレイヤーが「Dlc」という言葉を連呼する時、そこには「本編の補完」という強い期待が込められています。しかし、本作は補完どころか、本編で完成されていたパズルをわざわざ崩し、バラバラのピースを投げ渡されたような感覚をプレイヤーに与えてしまいました。
特に第2章「火花」における展開は、本編で築き上げたマークとニールの絆を、あまりにも無造作に、かつ残酷に扱っているという批判が目立ちます。親の顔より見た画面の中で、二人が結ばれることをどれほど願ったか。その想いが、「実は別の恋人がいた」「実はすれ違っていた」という、ありふれた青春の残酷さによって上書きされていく過程は、ファンにとって耐え難い苦痛だったのです。
操作性とストレスの不協和音
また、システム面での「不快な革新」も「Dlc」への批判を加速させました。例えば、マークのパートで導入された、浮遊するダイアログを選択するミニゲーム。これはマークの精神的な混乱を表現しようとした演出かもしれませんが、プレイヤーにとっては「文字が読みにくい」「クリックの判定がシビア」「ただただ時間がかかる」という、ゲームプレイの根源的なストレスに直結してしまいました。
…The first half of the story was mildly alright, it was charming and light. Now I’m a Marcole shipper. I couldn’t care about Des with Mark and figured that relationship wasn’t gonna fly given how work focused these two were. ……There were some good Marcole moments, but I have to say the last ending scene just feels out of left field. All that talking leads into this situation? Why? It was completely meaningless…
(翻訳:……物語の前半は、チャーミングで軽やかで、悪くなかった。私はマークとニールのカップリングを支持しているんだ。マークとデスの関係なんてどうでもよかったし、仕事中毒の二人の関係が長続きしないことも分かっていた。……良い瞬間もあったけれど、最後のエンディングシーンは唐突すぎると言わざるを得ない。あれだけ話し合って、結局この状況になるのか?なぜだ?全く無意味だった……)
このレビューからも分かる通り、制作側が意図した「現実の厳しさ」という演出が、プレイヤーには「無意味な嫌がらせ」として受け取られてしまっているのです。
かつて指紋がなくなるほどスマホ画面をスクロールし、キャラクターたちの日常に寄り添ったプレイヤーたちが求めていたのは、こうした操作上の不便さではなく、彼らの心の機微をより深く知るための「窓」だったはずです。DLCとしての新要素が、没入感を高めるどころか、物語からプレイヤーを突き放す壁となってしまった点は否定できません。
「Dlc」という単語の頻出は、本編への愛着が強ければ強いほど、今作の仕様に「拒絶反応」を示した証左である。
ユーザーが直面する現実

本作をプレイするユーザーが直面するのは、まさに「感情の迷子」状態です。制作側が提示する「癒えない傷を抱えたまま生きる現実」というテーマは、一見すると高潔ですが、実際にプレイする側としては、あまりにも救いのない「虚無な時間」を突きつけられることになります。
「火花」の章に漂う、圧倒的な他者感
特に第2章「火花」は、多くのプレイヤーに「自分は今、一体何を見せられているんだ?」という感覚を抱かせます。マークとニール、それぞれの新しいパートナー(デスとルーカス)の存在。彼らとの生々しい関係性。そして、その関係が破綻していく過程を延々と見せられる時間は、まさに「寝取られ(NTR)」にも似た不快感を伴うと評する声すらあります。
本編をプレイし、魂をコントローラーに吸い取られたような経験を持つファンからすれば、この展開はもはや「悪夢」に近いものでしょう。どれだけ選択肢を選んでも、結局は「救いのない結末」や「曖昧な関係」へと収束していく流れに、プレイヤーは自身の介在価値を見失ってしまいます。
ロジックを置き去りにした「文青病」
一部のレビューでは、本作を「文青病(意識高い系の若者がかかりがちな、独りよがりで感傷的な病)」と厳しく批判しています。ストーリーの整合性よりも、制作者が描きたい「エモいシーン」や「悲劇的な雰囲気」が優先され、キャラクターの行動原理が崩壊しているという指摘です。
…The graphics have clearly improved, but the frequent use of 3D makes the game look somewhat surreal and out of place. Still, a lot of talks are meaningless and hold no sense, and are probably put there to make the gameplay longer. Is it worth the money? That depends on the person. ……Overall I’d give it 1.5/10…
(翻訳:……グラフィックは明らかに向上したが、3Dの多用はどこか現実離れしていて場違いに見える。何より、多くの会話は無意味で意味をなさず、おそらくプレイ時間を延ばすためだけに入れられている。お金を払う価値があるか?それは人によるだろう。……総合的に見て、私は10点満点中1.5点をつける……)
この「無意味な会話」の連続こそが、本作における「虚無」の正体であり、多くのプレイヤーが「返金レベル」と感じるほどのストレス源となっています。
瞬きの回数よりもプレイボタンを押した情熱的なファンですら、この引き延ばし感と、それに見合わない「報われない結末」には、深い溜息をつくしかありません。キャラクターたちの葛藤を描くのは良いのですが、それが「単なる停滞」に見えてしまうのは、ゲームデザイン上の大きな失敗と言わざるを得ないでしょう。
「現実」を描くという美名の下で、プレイヤーが本編で勝ち取った「希望」を無惨に解体してしまった罪は重い。
それでも支持される理由

ここまで厳しい意見を並べてきましたが、それでも本作の好評率が93%という驚異的な数字を維持している事実を無視してはいけません。不満を持つのは、主に「本編の特定のエンディングに強い思い入れを持つ熱狂的なファン」であり、一方で本作のアーティスティックな側面を高く評価する層も確実に存在します。
圧倒的なビジュアルと音響の暴力
まず特筆すべきは、その演出力です。ピクセルアートの限界に挑むような緻密な背景、光の描写、そして心を直接揺さぶるピアノの旋律。これらは、低評価をつけたプレイヤーですら「そこだけは認めざるを得ない」と口を揃えるほど高品質です。
モニターのバックライトで目が焼けるほど画面を見つめていても飽きない、あの独特の空気感。故郷の街角、夕暮れの教室、そして夜空を彩る火花。これらのビジュアル体験は、それだけで「この世界に戻ってこれて良かった」と思わせる魔力を持っています。
ソフィア編に見る「再生」の物語
また、第1章「帰郷」については、比較的好意的な意見が多いのも特徴です。ソフィアが自分のセクシュアリティや過去の喪失と向き合い、新たな一歩を踏み出す過程は、非常に丁寧に、かつ現代的な視点で描かれています。
本編では脇役だった彼女にスポットを当て、一人の女性としてのアイデンティティを確立させていく物語は、アドベンチャーゲームとしての質が非常に高い。
確かに、本編を全細胞で記憶しているようなファンからすれば、キャシーの不在という現実は重くのしかかります。しかし、その重みを受け入れた上で、「それでも人生は続く」というメッセージを、ソフィアの日常を通じて描き切った点は、正当な評価を受けるべきでしょう。マークの物語で感じた「不快感」を差し引いても、ソフィアの章を体験する価値があると感じるプレイヤーが多いことが、高評価の支えとなっています。
物語の選択には賛否あれど、Polychroma Gamesが提示する「切なさの演出」は、依然として世界最高峰である。
最終評価と購入ガイド
さて、どす恋まん花としての結論を申し上げましょう。
『Until Then: Afterimages』は、神ゲーの続編として期待すると、その鋭いトゲで心に消えない傷を負わされる可能性のある、非常に危険な一作です。しかし、同時に、あの美しいピクセルアートの世界でもう一度呼吸したいと願う人にとっては、避けては通れない通過儀礼でもあります。
このゲームは、「完璧なハッピーエンド」のその先にある、泥臭く、美しくない、そしてどうしようもなくリアルな「人生の続き」を描こうとしました。その試みが成功したか、あるいは単なる蛇足に終わったか。それは、皆さまが自分の目で確かめるしかありません。ただ一つ言えるのは、まん花は今でも、あの火花の下で立ち尽くすマークとニールの姿が、脳裏から離れないのです。
✅ 購入をお勧めする人
- 『Until Then』の世界観そのものを愛し、どんな形であれキャラクターのその後を見届けたい人
- ソフィアというキャラクターの掘り下げに興味があり、LGBTQテーマを扱った誠実な物語を求めている人
❎ 購入を避けるべき人
- 本編の三周目エンドこそが唯一の正史であり、キャシーの死という前提を受け入れたくない人
- マークとニールの「完璧な純愛」を求めており、彼らの泥沼の人間関係や欠点を見たくない人
執筆:どす恋まん花
